巨大ロボットもの
001 ファーストコンタクト
蔵王美玲と鞍馬疾風、鹿沼丈らとの出会い
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フレックスムーバーザオロン
001ファーストコンタクト
◇降り止まぬ雨、車道を渡る横断歩道の信号の横で蔵王美玲は信号が早く青にならないかなと気
を揉んでいた。
車道青なのに横断歩道の真ん前に止まっているDQN車が止まっているからだ。
後続車は誰もクラクションを鳴らさずDQN車を素直に避けて通っていく。
ボディにビッグブラザーズと殴り書きがしてあるからだ。
ビッグブラザーズとは、鹿沼丈とかいうゴリラ並の巨漢が率いる暴走族のことである。
中にいる連中の卑猥な視線を美玲はヒシヒシと感じていた。下手すると襲われかねない。
美玲は傘で奴等の不快極まる視線をシャットアウトした。
美玲のバッドな予感は当たっていた。
中にいた金髪の高木弘樹、坊主の越野巾作、将棋顔の山本次郎の三人は傘を差して信号待ちをしているスレンダーな美人に目を奪われていた。傘で顔を隠してしまったが、チラリと見えた横顔だけで美人だと確信できる。
次に三人が考えたことは同じだった。
「やっちまおうぜ!」
三人が示し合わせた時、ドスンという衝撃が三人を襲った。
追突されたのだ。
三人の色情は一瞬にして消失、激情に取って代わり、飛び出して車の後ろに目を向けた。
軽くオカマしていたボックス型の軽自動車から細身の若者が出てきた。
若者はヘラヘラ笑い顔で言った。
鞍「すみません。信号待ちの美女に見とれてしまって……それに青信号で止まるDQN車がいるとも思わなかったので」
こいつ舐めてやがると高木は思った。
高「オンドレ、修理代高くつくぞ」
越「ムチ打ちになっちまったぞ。治療費も高く付きそうだ。ヘラヘラ笑ってるガキ、名前は?」
鞍「鞍馬疾風//ハヤテ」
高「お前、目には目をって諺知ってるか?」
鞍「ああ、後の句は鼻糞には鼻糞を、だっけ」
高「(……だったけ? ま、いいや)なら分かるよな。まずはオレ等三人が受けた痛みの三倍返しだ」
三人は鞍馬を取り囲んだ。
三対一で勝ち目などないはずなのに、若者はにやけた笑顔のまま蔵王美玲を見やって信号を指さした。
青になっていた。
蔵王美玲はその若者に申し訳ないという思いと、面白くなりそうな展開を見ていたという願望を抱いたまま信号を渡り、そのまま全力で走り去った。
鞍「じゃ、オレも失礼します。バイトの面接があるから」
鞍馬は気になる美女が十分離れたのを確認してから言った。
高「ごら! ヘラヘラ顔のクソガキ、待たんかい、誰が行けと言った?」
高木はボックス軽に乗り込もうと背中を見せた鞍馬に蹴りを入れた。
馬は勢いよく地面にぶっ倒れた。
鞍「何するんだよ。人が穏便に済ませようとしているのに」
鞍馬は服についた砂を払いながら高木を睨んだ。
とはいっても依然ニヤニヤしたままである。
そのふてぶてしさに頭に来た三人は一斉に攻撃を始めた。
鞍馬は突進してきた高木の顔面に拳一発、背後から抱え込みにかかった山本にはみぞおちに肘に一撃。
ひょろ高くてリーチのある越野が繰り出したパンチにはクロスで正面蹴りを入れた。
その間、わずか数秒。あれほど威勢の良かった連中は今、鞍馬の足下でのたうち回っていた。
鞍馬は、顔面を腫らし鼻血を出してもがいている高木の腕を掴んで、その手首にしてあるロレックスを興味深げに見た。
高「あ、あげます。あげますから勘弁してください」
高木は泣きながら赦しを乞うた。
鞍「ヤバ、バイトの面接に遅刻してしまうじゃん!」
鞍馬は慌ててボックス軽に乗り込むと、一旦バックさせ発進させた。
高「クソがきが! このまま逃げられると思うなよ」 高木は携帯を出した。
高「もしもし、あ、鹿沼さん。助っ人頼みます」
§
鞍馬の面接先は蔵王研究所。職種はテストパイロット。
何のテストパイロットなのか知らないが、卓越した運動神経と平衡感覚が必要という募集条件に興味が湧いたのと、時給千五百円に魅力があったから面接を受けることにしたのだ。
鞍馬は蔵王研究所を目指して、カーブが連続した山道をアクセルベタ踏みでボックス軽を走らせた。
§
美玲は、蔵王研究所所有のヘリポートに着陸したヘリに急いで乗った。
空中に浮かんでしまえば安全だからだ。
ヘリが舞い上がる。
美玲は上空から山に巻き付く巨大な白蛇のような座王研への道路を見下ろした。
青年のボックス軽が懸命に登っていくのが見える。
その後をボンネットにビッグブラザーズと書いてあるあのDQN車が追いかけていた。
さらにその後ろに大型のバンが続いている。
美玲の心に嫌な予感が走った。
小説家になろう用のレイアウト形式でザオロンの再投稿開始です。
以前は文章挿絵一括画像化形式にしていましたが、小説家になろうではこの形式の方が合っていると思います。文章挿絵一括方式は、一時期スマートフォン小説・漫画に特化していたエブリスタでコミックとして投稿していましたが、2019年4月十五日、コミックの無料投稿が廃止となったので撤収。無料投稿サイトからランクアップして、漫画週刊誌応募にチャレンジ開始です。
一方で、もっと気楽に手早く挿絵付小説を投稿できないかと考えてできたのだ本作形式です。
文章で表現しにくいキャラの「顔」だけ挿絵にしてしまえ! という形式です。では天派