6話
ーーー地方都市 ビックツリー
部屋に荷物を置いた悪魔少年とウサギ少女は
作戦会議を始めた
「まず最初は何をしようか・・・・冒険者ギルド
に登録しに行く?」
「!! っバカ!セーラ!バカ!」
「どうしたのよ急に!?」
何もわかってないセーラに俺は教えてやった
冒険者ギルドに行った新人は必ず絡まれる
魔道具パソコンで見た話では大体がそういう
展開になる
「何言ってんのよ。そんなことあるわけないじゃない
その変な魔道具が間違ってんのよ」
「俺の相棒が間違うわけないだろう!このままでは
万年中級冒険者にボコボコにされてしまう
まずは墓場で強力な幽霊を仲間にする」
魔道具パソコンは少年の父親が手に入れたもので
現在の地球のインターネットに接続できる
少年はこれを使いながらダラダラするのを何よりの
楽しみとしている
「分かったわよ。それじゃあお墓の場所を聞いて
そこに向かいましょう」
ウサギ少女は納得していない様子だったが
少年の言う通りにするようだ
(それにしても街の中には黒い服を着た人が多い
いつもこうなのか?)
少年は不思議に思ったが人間の街に入ったのは
初めてなので分からなかった
街の人に話を聞いた結果、墓場は北の街はずれに
あるようだ
そして今日は高名な人物の葬儀の日らしかった
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「駄目だ・・・強力な幽霊はここにはいない」
街はずれの墓場を確認した少年は気落ちした様子で
そういった
この墓場には100以上の白と黒の魂を持った幽霊が
いるが全てが普通レベルの魂だ
戦闘に限らないが強大な能力がある人間の魂という
のは大きくそして輝いているものだ
黒い魂は悪人で白い魂は善人だ
悪人の魂を持った幽霊は仲間にしないと決めている
白く大きな魂でできれば戦闘に特化した幽霊を
仲間にしたかったが他を探さなければならない
墓場を後にする二人
どこで幽霊を探すかやこれからどうするかを話しながら
宿に向かって歩いていると、人だかりができているのを
見つけた
「お葬式をやってるみたいね」
「!!!」
「どうしたの?」
「セーラ!亡くなったのって有名な人だったんだろ
もしかしたらその人強力な幽霊になってる
かもしれない」
できれば戦闘に特化した幽霊であってほしい
「そうね!確かめてみようか」
教会は多くの人が集まっているが扉の前には喪服を
着た男二人が立っていた。関係者以外は中に入ること
ができないようだ
「お葬式が終わるまで待つ?シード」
「いや帰ろう、教会の中にも強力な幽霊はいない」
近づいて中を探ってみたがそれらしい魂反応を感知
できなかった
普通よりは強い魂が複数感じられるが強力とまでは
いえない
周りの人に話を聞いてみると亡くなった人は
高名な剣術家であったらしい
過去に街が大量の魔獣に襲われたとき支配者クラスの
魔獣を討伐し滅亡の危機から救ったそうだ
権力や金には執着せずただひたすらに武芸を
極めるべく修練を積んでいた
そして道場での稽古中に突然倒れ99歳でその生涯を
閉じた
慕われていたのだろう
教会の外の人たちも彼の死を悼んでいるようだ
(しかし教会の中に強力は魂は感じられない
噂とは違い実際には大した強さじゃなかったのか?
それとももう成仏してしまったのか)
宿に向かってとぼとぼと歩き出した
幽霊探し以外にもやらなければならないことが
沢山ある
「というか99歳になっても稽古ってどんだけ
元気なのよその人」
「死んだから元気じゃないけどな」
「死んでも稽古してるんじゃないのその人」
「たわし!!!」
「えっどうしたの!?」
「そうだ!セーラ!道場だ!そこにいるかも!」
近くの人に道場のある場所を聞きすぐさまそこに
向かった
そこは塀に囲まれいくつかの建物があった
普段は大勢の門下生などが出入りしているのだろうが
葬儀の為か人影は見えない
離れになっている道場っぽい建物の扉を開けると
いた・・・
強力な魂の幽霊だ
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