4話
ーーー街へと向かう道中
ブン! ブン! ブン!
少年は歩きながら剣術の稽古をしている
いや、稽古というよりはチャンバラごっこに近い
「ふぅ大分振りが鋭くなってきたな
セーラスキルチェックを頼む。剣術Lv1を
習得してるはずだ」
「えーまた?昨日何回も見たけど覚えてなかった
じゃん」
「昨日とは鋭さが違う!絶対大丈夫だ」
そうして俺は自慢の武器を眺めた
昨日キャンプ地で発見したウッディーカリバーだ
俺はもうセーラに守られるだけの役立たずではない
屈強な剣士なのだ
彼が装備している物はただの木刀であった
木の枝をナイフで研いだだけ物のだ
始めたての冒険者でももっといい武器をもっている
「全っ然変わってないけど」
「素人は口をだすな!」
「剣術Lv5持ってるわよ!」
生意気なガキだその自慢の耳を引っ張ってやろうか
というかせっかく人化してるのに一回も人に
出会ってない
(おっ、鑑定を唱えたな)
<鑑定 Lv7 発動>
名称 シャルル ル シード
年齢 160歳
職業 悪魔
Lv 7
体力 80
魔力 560
物攻 80
物防 70
俊敏 150
魔攻 120
魔防 120
スキル 人化Lv6
特殊スキル 幽霊パレード
青白い文字が浮かび上がってくる
鑑定のLv7もかなりの高位魔術だ
このレベルの鑑定を使えるのは世界でも
一握りの者だけだ
「無い・・・」
「だから言ったじゃん」
少年はがっくりと肩を落とした
しかし特殊スキル所持者も世界で一握りの者だけ
なので剣術Lv1よりも遥かに価値の高いものなのだが
「まぁそんなに落ち込むことないわよ。
私だって1か月はかかったんだから」
ウサギ少女は落ち込む悪魔少年を見てそう励ましたが
嘘だった
彼女は3日で習得したのだ
普通は取得するのに3か月ほど掛かるのだが
それを可能にしたのは特殊スキル「天才」の為だ。
これは特殊スキルを除くほとんどのスキルを
常人より遥かに早く習得することができる
少年の太刀筋を見てまだまだ時間がかかりそうだと
判断し、彼が落ち込まないよう多めに1か月と
言ったのだがそれでもあまりにも短いのだ
しかし天才である彼女にはそれが分からない
「あと一日か二日で街につきそうね」
彼女は魔道具地図を見ながらそう言った
この魔道具も貰い物だが非常に価値の高い魔道具だ
これがあれば道に迷う事が無いのだから
「やはり剣術の腕を上げるには実践が一番だ
ゴブリンとかでいいから早く出てこい」
悪魔少年は愛刀を振りかざしチャンバラごっこ
ではなく稽古に集中した
だが少年の願いは叶わず街に着くまでに
一匹の敵とも出会うことはなかった
着実に目的地は近づいていた
その地ではどんな騒動が巻き起こるのであろうか
それは神のみぞ知る
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補足
ウサギ少女のステータス
名称 セーラ・ピーチパン
年齢 160歳
職業 悪魔
Lv 16
体力 240
魔力 250
物攻 220
物防 180
俊敏 480
魔攻 210
魔防 220
スキル 人化Lv8 偽装Lv10 他多数
特殊スキル 天才 スパイシーゴシップ
スキルはLv3で一人前 Lv6で達人レベルです
ステータスは100が普通の冒険者や兵士の
平均的な値です
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