表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怠惰のダンジョン運営―未来の怠惰のために―  作者: しんあい
1章 異世界ダンジョン―聖女―
1/28

00

 新作です。3日更新を目標に頑張ります。現在4話までの書き溜めはありますが、リアルの都合上遅れる場合があります。

 もし更新が遅れたら、あっこいつ詰まってて遅れてるかリアルが忙しいんだなとでも察してください。

「ん?」



僕は寝てたはずだ。目が覚めたら知らん場所にいる。まぁそんなことはどうでもいいんだよ。


 目に見えて変わってることは周りが何も見渡せないくらい暗いのに目の前を見るのには苦労しないとかいう点だ。どうなってるんだろう。

 まぁどうでもいいことだ。



 そして目の前にはねじれた2本の角が生えたぼさぼさの髪の毛で転がってる一人の女性がいる。ただ体型はグラマラスで妖艶だ。手入れされてない髪ながら色気を放っている。


「あーだるいだるいだるい……」

 目の前の女は寝たままにだれる。同類っぽい。


 女の周りにあるクマと馬?ロバ?のぬいぐるみが喋る。

「まーたそうやってー、傲慢とか憤怒に怒られますよーベル様」

 クマが女声で喋る雌なのかこのクマ


「まぁこれだからベル様は怠惰を司るんだが」

 ロバは渋い男声だ。





 どうも何やら説明するために呼ばれたみたいだ。だが――

「めんどい帰らして」


「あー申し訳ないけど無理です」


だって面倒事の予感しかない。傲慢 憤怒 怠惰 クマ ロバ ここまでくれば何かは想像がつく七つの大罪だ。怠惰を司る悪魔はベルフェゴール、そして対応する動物はクマにロバだ。


とっても面倒事の予感しかしない。


「はぁ……仕事するとか憂鬱でしかたないけどするか……ルシとサタンとかに絡まれる方が面倒だし」


女の人は寝たままこちらに目線をよこして名乗る。


「怠惰のベルフェゴールだ」


「………………」←ベルフェゴール


「………………」←僕


「………………」←ロバ


「………………わかってましたけどベル様これでは何も仕事してませんよ」←熊




「………………はぁ、クマかロバお前ら説明しろ」





熊は肩をすくめて


「ここは有能なロバ先輩にお任せします」

ロバはため息を1つ吐いて

「わかりました。ではわたくしめが説明させていただきます」


「いやどうでもいいんで寝させて下さい」


「この件が終わったら寝ていいので今は聞いてください。それに聞いといたほうがのちのち楽だと思いますよ」


はぁ……しょうがない聞いとくか。別にめんどくさがり屋は誤解されがちだけど行動しないわけじゃない。

 将来めんどくさくなりそうだからやっておこう。

 将来めんどくさくりそうだからつぶしておこう。

 将来怠けられないからお金を稼ごう。

今回の場合ならめんどくさいけど、のちのちのために聞いておこうだ。

 結構なところ行動原理はこんなもんだ。僕たちは怠けるために考えて怠けるために行動する。


だから僕たち怠け者は動かないわけじゃない。目の前のベルフェゴールがめんどくさくても部下? に仕事を振ったように。




「聞いて下さるようなので説明させていただきますね。まず私は怠惰を司る悪魔のベルフェゴール様の配下でロバのイスと申します。以後お見知りおきをこちらの熊はテールといいます」


そういってロバ改めイスは頭を下げる。そして僕は横になる。そしてロバは気にすることなく説明する。さすがベルフェゴールの配下慣れてるな。


「さて本題ですが、なぜあなた様がここにいるかですね。現在地球に住んでいた楓様はお亡くなりになっています。原因は寝てる際に家族によって首を絞められたようですね」


「あーついに僕は殺されましたか。いつかはやると思ってましたが」


 実際現世での僕は不気味でしかないだろう。真っ白な肌に足元に届かんとする髪。学校はテストだけ受けた。あんなの半年も自習すれば3年分余裕で終わる。ただ、不気味だろうとは思う。


「まぁその件は本題ではないですね。まぁテンプレな異世界がありまして七つの美徳の権能の天使どもが勇者軍団を作り出したわけですよ。正義をリーダーにした七つの美徳の使徒ですね。これであまりに天使側に世界のパワーバランスが崩れてしまったので大罪も七つの大罪の悪魔たちが自分の権能に対応する人間に力を与えて大罪の使徒として対抗しようという話ですね」


 つまり僕は悪魔側の怠惰の使徒になれということか、そうすることでパワーバランスをとると。


「つまりおそらく僕は怠惰の使徒として美徳のやつらと戦えばいいんですか? 嫌ですよめんどくさい」

 馬馬車のごとく働くために生きるくらいならこのまま死んだ方がましだ。



「戦うこともあると思いますが基本はダンジョン運営でしょう。あちらは社会的基盤がありますが私たちは世界へのかかわり方上基盤がありませんのでダンジョンは私たちの管轄ですのでそちらで基盤を整えていただく必要がありますね。最初は不利ですが長期戦なら余裕で有利です。」


「ふーん……いい寝所は作れる?」

「作れます。地球にいた時よりは、ながく怠惰に過ごせますよ?使徒になれば寿命が精神に依存するので勝った暁には100年ほどは確実にだらだらできるかと精神の持ち方によってはそれより長くそこは個人差があるので何とも言えませんが」


100年か……一考の価値はあるな。


「どのくらい働くことになるんだ」

「おそらく早くて1年長くて10年ほど勇者側と戦うことになるかと」


 ふむ……働く期間は1~10年つまりこれは1年で死ぬか10年生き延びるかだろ?




「もし最後まで生き延びた場合は?」

「そのまま過ごしていただいて構いません」


「ふぅん…………でもそれだとパワーバランスが悪魔側に偏るのでは?」

「そうですね。ですので使徒ではなくなってもらいますがダンジョンマスターの権限は残せます。ダンジョンマスターの不死化は有効ですのでコアを壊されなければ不死です。だからダラダラするのに問題ありませんよね?」


「まぁなら……受けてもいいよ?」




「ありがとうございます。それでは異世界へ参りましょう」

 そういってイスは頭を下げた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ