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プロローグ

初めてです。よろしくお願いします

俺は白木徹しらきとおる24歳会社員、どこにでもいるような人間だ。

俺は今、人生に後悔している。碌に勉強もせず自分の好きなことばかりをやって、高校卒業後もいじめが原因で就職せず引きこもって親に迷惑ばかりをかけていた。

しかしそんな生活も長くは続かず親父に

「いい加減にしろ。多少は自由にしてやってもいいと思って自由にさせていたが、これ以上自由にされるとうちの金がなくなる。俺が紹介する会社で働け。それが嫌なら、家から出てけ」

いきなりだった。普段からあまり感情をあらわにしない親父が怒鳴っていた。確かに自分でもこのままではよくないとは思っていたけれど、こんな唐突に言われるとは思ってもみなかった。

そんなこともあってか俺は働くことになった。確かに最初は迷った。働かないという道を選ぼうともした。けれど、働かないということはお金が入らない。つまり飯を食うこともままならない状態になってしまう。自分の好きなことをやるためにも親父の紹介する会社で働くしかなかった。


冬の寒い夜。仕事を終えて帰っている途中ある現場に出くわした。それが人生を変えると出来事とも知らずに俺は首を突っ込んしまった。


「それでね………あははは」

視界に入ったのは一組のカップル。仲良く手をつないで歩いていた。

(チッ、リア充か。まぁ所詮俺には彼女なんでできないだろうな)

そんなことを思いつつ歩いていた。

「じゃあね」

「また明日」

「うん」

横断歩道でカップルが別れを惜しんでキスをしていた。そんな時、前からトラックが来ていた。普段なら気には留めだろう。だが、なにかがおかしかった。そう俺は気づいてしまった。あのトラックが減速をしてない事に。カップルは気づいてない。

(叫ぶか。いや、気づいたところですぐに避けられるとは限らない。それにここはT字路だ。避けたところでフェンスにぶつかり事故に巻き込まれるだけだ。どうすればいいんだ)

俺の中には選択肢があった。


1 声を出して危険をしらせる

2 見て見ぬふりをする

3 今すぐ走って飛び込んで助ける


一番楽なのは2だろう。事故が起きた消防やら警察やらに電話するだけだから。だが俺の体は動いた。

(どうせ今更命が惜しいとは思わない。それに、もう生きたいとは思わない)

俺はカップルを飛ばしながらトラックに当たっていた。


ドォン


鈍い音が鳴り響いた。


キャァァア


悲鳴が聞こえている。あたりは炎に包まれていた。痛みに悶え苦しみながら意識が遠のいていく。(あーあ。ざまぁねぇな。これが今まで自由に生きてきた仕打ちか。親父とお袋、俺のために泣いてくれっかな)


色々な考えが頭をよぎっていたが、もう目を開く気力すらない。

(俺、死ぬのかな。もう考えれねえや。…………)






感想等くれれば幸いです

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