日常から
その日は一日中雨が降っていた
私はただ呆然と空を見ていた
─傘………、持ってきてないな
そう思っていただけだった
「だからこのルートは…」
と先生が話す
「何にもわからなくね?」
と話す男子
手紙をやり取りする女子
いつもの風景
─…これがゲームやファンタジーだったらな
そう呆然と考える
いつもの風景に
「ただいま」
というにも誰も答えない
それはそうだ
私は独り暮らしに近い
両親は海外で仕事だからだ
いつものようにご飯を作り
いつものように一人で食べる
いつものように風呂に入り
いつものように勉強して
いつものように寝る
毎日毎日同じこと
「…この世界がファンタジーだったらな」
もう一度同じことをいう
「ファンタジー…ね」
そんなところありますよ?
と誰かが言った
…誰か?
「はぁぁぁあ!?」
この家には私しかいないはずなのに!
「あ、失礼しました。私はレイルと言います
エルフという種族であなた様を探しました」
「け、け、警察!警察!」
パニックな私はそんなことはお構いなしだった
「落ち着いてください!」
「無理無理無理!」
近づかないでぇ~!という悲鳴が響く
「もう一度説明させていただきます。
私はレイルです。エルフという種族で
あなた様を探していました」
「なんで?」
ようやく落ち着いた私は少し耳の尖った
少女を上から下までじっくりと見る
よく見れば見るほど人じゃない
「あなた様は我が国の女王、ティアル様の
第一王女フォレル様です」
「頭大丈夫?」
色々失礼だが言ってしまった
だが、私のお母さんは一人だ
おまけでれっきとした日本人
「そこまでいうなら無理矢理でも我が国へ連れてきます!」
バンッと下に何かの紋様がでる
「!!!?」
「ループ!」
私はこれからどうなるんだ?
この変な生物と