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わかってた

わかってたよ。俺とあいつの関係は、すでに修復不可能なものになってたことくらい。

「りーん。お前最近あの子と話してなくない？」

その一言は、俺ができるかぎり考えないようにしてたことを思い出させるには充分すぎた。考えないようにしてんのに、ピンポイントでそんなとこついてくんなばか。

「そ？べつにそんなことないと思うけど」

「そか。俺の気のせいかー」なんて言いながら離れてくばか。普段はそういうの気づかないくせに、こういうときばっか鋭くて困る。人一倍おせっかいな幼なじみにはこんな嘘ばれてんだろうけど、深く突っ込んでこなくて助かった。

俺こと凛には付き合ってもうすぐ3年になる彼女がいる。名前は美優。高校2年で付き合い始めた。教室で席が前後になって、なんとなく話すようになった。そんなありきたりな経緯で仲良くなって、付き合い始めた。

あの頃は毎日が楽しかったな。べつに今が楽しくないわけじゃない。ただ、今の俺の隣に美優はいない、それだけの話で。