第九十一話 ネズミ焼き肉
料理を人並みに作りたいまっつーです。
「…携帯用にライターありゃ良かったが…」
流石にそりゃ贅沢言い過ぎか…
「らいたー?」
「あー…火が出るヤツ」
「ふぅん…」
俺らは今、ヴァルガンノの道具屋へと来ている。
「…フレイムボール…?…ウォーターボール…ミストボール…サンダーボール……」
「…色々なのあるんだね」
フィリアは並んでいた商品を見ながらそう言う。
…ネームプレートの下に使い方が書いてあるのか…
…フレイムボールは役に立ちそうだな。
使い捨てみたいだが野宿とかだと便利だろう。
値段は…100シルドと、て手軽な値段だ。
6つ買うことにした。
…足りなければまた足せばいいだろう。
…後は…
松明。
重要だな。
…何回も使えると書かれているからこれにするか。
550シルド…
たけぇ…
一回買えばもうこれを使い回せばいけるか…
「これで安心だね」
「そうだといいけどな」
…鎧くらいは買いたかったが仕方ないな。
何せもう金がない。
…はぁ…稼がねぇと…
お会計を済ませ、店を出た俺たちは宿へと向かった。
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「いらっしゃい。一人100シルドだ。ただし、飯はつかないからな。外食するなり絶食するなりしろよ」
…はぁ…
なんでこんな手入れのなってない宿に泊まらないといけないんだか…
いや、金がないから仕方ないけどよ…
「二へ…」
「一部屋で!」
「あいよ。代金は今払えよ」
「はぁ…」
なんで一緒なんだ…?
俺はそんな事を思いながら代金を払い、案内された部屋へと行った。
………
「…中はまぁ、マシだな」
「リュウどこで寝る?」
「…このベッ…」
選んだ矢先に座るなおい…
「…仕方ない…こっ…」
いや、一緒に寝ない。
「…どこ?」
「…床でいいわ」
「分かったよ。わたしも…」
「お前はベッドでいいから!」
すかさず床に座ろうとしたのを止める。
…ったく何でだ…
「…リュウも一緒に寝よー!」
「嫌だ。一人で寝ろよ…」
「ぶー…」
…頬を膨らませてなにしてんだ…
「俺は一人でいいんだよ」
「じゃあ…隣で」
「それ一緒と大差ねぇだろ!」
「いいじゃん!リュウのケチッ!」
「あのなぁ…」
はぁ…なんでこうなんだよ…
俺もベッドで寝れるようになったが、フィリアが一々隣に来ようとするからうっとおしい。
…そういや飯は出されないんだよな…
…金がピンチだからな…
「…飯はどうする?」
「なんでもいいよー」
「…狩りでもするか」
「何倒すの?」
流石に雷の国は嫌だな。
蛙とかだったし。
…そうなると水の国もか?
火の国は論外だな。
砂漠で食卓はある意味危険だからな。
…消去法で風の国か…
「風の国で食べられそうなヤツ食うか」
「うん、分かった。じゃあ出発の準備するね」
「…すぐ行くのか?」
「やることなくて…」
ああ…なるほどな。
…ならレベル上げも兼ねて食材調達がいいか。
「…なら行くか。」
「…うん!」
俺らは少ない荷物を持ち、宿の店員に鍵を預け、風の国へと向かった…
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「…いい風ー!」
「確かにな」
人にとって丁度いいような気温だな。
…微風が気持ちいい。
「…敵だ!」
…大きな鳥だな…
巨体を翼で浮かせてんだからかなり力いるんだろうな…
それはともかく、俺は槍を構える。
「ハイ…スロォーッ!」
フィリアが叫び、ブーメランが飛んで行く。
鳥の翼に当たり、その鳥は落下し、無防備になる。
そのスキをついて俺が思い切り槍を頭に突き刺した。
プシュッという音と共にその鳥は絶命した。
「…」
…殺したな。
…思ったんだが、どう調理すればいいんだ?
「どう食べるの?」
「…どう食べるんだろうな」
シルドを回収しつつ俺が言った。
ホント、どうすりゃいいんだ?
とりあえず焼くか?
「フレイムボールってヤツも試したいし、焼くな。」
「う、うん…?」
俺は袋からフレイムボールを取りだし、ダイレクトに鳥に当てた。
ゴォッと物凄い音がして、後退りしてしまった。
「すげぇな…」
「うわぁ…」
…消すときどうすんだ?
「…そろそろいいんじゃない?」
「…消しかた分からん」
「…」
…火葬に変えるかと開き直り、その燃え上がる炎をじっと見つめていた。
………
「…んなもん食えるワケないだろ…」
「あむ………苦い……」
「完全にコゲてるからな…」
鎮火したと思ったらご覧の有り様だよ…
…もう一匹探すか…
…今度はでっかいネズミだった。
まぁ、コイツでも食えればマシか。
そう思い、槍で一突きしたら、あっさり倒せた。
「今度は…」
近くの木の下の枝を拾い、同じ所に起き、フレイムボールを優しくそこに落とす。
ボッとガスコンロが点火したような音がし、今度は普通の大きさの炎で薪を焼いていく。
…後は火が消えないように…だな…
…あ…このまま焼いても毛が邪魔だな…
「リュウ?何するの?」
「ちょっとな…ん?解体用に前買ったナイフ知らないか?」
「こっちの袋に…あった。はい」
「さんきゅ」
俺はナイフを持ち、大雑把に皮を削いでいく。
…やり方知らないんだよ…
そしてネズミの胴だけにし、ナイフで刺して火にかざし、焼いていく。
…料理っつってもあんまやったことねぇんだよな…
…ってあっ!
直ぐ様火から遠ざけ、また解体を始める。
「…焼かないの?」
「少しな…やったことねぇけど…」
…ゲッ…
内蔵類…潰しちまってる…
はぁ…これ食えるのか…?
とりあえず無事なヤツだけでも取り出しておく。
…これ、どう処理すんだろうな…焼くか
…こっちの肉焼いてからでいいか
今度はナイフで四等分に切り、別々に焼くことにした。
…水洗いくらいしたいが…
あっ
袋はいくつかあるから一つくらいいいよな
俺は一つの袋の中に水鉄砲を超加減して水をいれ、肉を水洗いする。
そしたら袋を洗い直し、次は違う方の肉を洗う。
全ての肉を洗い終わり、やっと焼く作業に入る。
「…もう暗いね」
「…そうだなぁ…」
料理ってかなり手間かかるのな…
ちゃんと火が通ってないと嫌なので十分過ぎるほど焼いた。
…少しコゲたか?
「リュウって料理出来るんだねー」
「これが出来る分類に入るワケねぇだろ」
初めてだからこそ苦戦してるんだ…
はぁ…
こんなんなら調理実習の内容覚えてって…
素材からなんて分かるかぁっ!!
「い、いきなりでビックリしたよ」
「わ、悪い…」
声に出てたんだな…
気を付けよう…
さて、ようやく焼けたか
「…よし、じゃ…」
…フィリアがこっち見てるな…
「…フィリア、食うか?」
「うん…うん!」
「熱いからな」
そう言ってナイフから外し、比較的大きい葉っぱを持ってきてもらい、その上に置いた。
その肉をフィリアは手づかみで口に入れた。
「あっ…はふ…むぐ…ほふ……おいひぃ…!」
「…よく直ぐに口に入れられたなぁ…」
ある意味尊敬できるぞ…
あんな熱いのに
「…あと3つか…」
それから肉を全部焼き、俺も食事を堪能した。
…やっぱり店で食うのより味は悪いが、これはこれで悪くないかもな…
そう思いながら俺らは食事を終えて宿へと戻ったのだった…




