第九十話 探知
「お帰りなさいませ」
「依頼終わらしてきた」
俺らはギルドへと帰り、受付の人に依頼を完了した事を報告した。
受付の人は前とは違う人らしい。
着いた時間は昼前だった。
「…解毒草5本ですね。1本は納品で500シルド、残りの4本はギルドでの買い取りで1000シルドです。合計で1500シルド。お受け取り下さい。」
俺はその金を受け取って金銭用袋にいれる。
「申し遅れましたが、私、受付嬢のヒカリ・ヒカルと申します。よろしくお願い致します。」
「よろしくな」
「よろしくー」
挨拶をし、俺らは昼食をとるために外へと出た。
…チラっと緊急用の依頼板を見たら、シャドーピープルとか書いてあるものがあった。
もしかしたら俺らが対峙したヤツもそう言う名前なのかもな。
そんな事を考えながらギルドを後にし、軽い昼食を店でとったのだった。
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ユウトは神の所から丸一日かけてヴァルガンノの元へと来た。
「…さぁて…アキトはどこだ?」
俺はヴァルガンノに来て早々、アキトを探すことにする。
しかし、いつも神のとこと、ここに魔法なしで移動は一日かかるのは不便だ。
…まぁ…大抵の場所へは行けるから仕方ねぇが
神の言うことによればヴァルガンノのどこかのギルドに入ったそうだが、何のギルドかは不明の様だった。
しかしこんな人ごみの中で探すのは容易じゃねぇ。
なら…
「…探知…」
特殊術技の探知を使う。
これを使えば近くにいる目的のものがあれば大方居場所が分かるという便利な技だ。
難点はずっと使い続けると体力が削られていくことだろう。
毎秒1は少し辛い。
「……いねぇな…」
っち…
範囲を広げると範囲に応じて体力の消費もでかくなるのが厄介だな
仕方ないが範囲を広げる。
…ヴァルガンノ全土を確認したが、発見出来ない。
…他国へ行ったなら手当たり次第にやってやるさ…!
俺はまず、風の国から探す事にする。
一度その領土に入ればその領土全部を範囲にすることが出来るので、違ったらすぐに場所を移ればいいだろう。
………
関所を通り過ぎ、探知を使う。
体力が少し心もと無くなってきたが、そうも言ってられない。
…アイツをすぐにでも殺したいからな…
そう思ってやっていると探知に反応があった。
…村か?
…となると入っているギルドは少なくとも鍛冶とかでは…
いや、断言出来ないな。
もしかしたら鉱石を集めたりや、魔物から素材を採ったりなのかもしれない。
そこはまぁいいか。
どのみち殺せば悩むもんじゃねぇし。
そう考え、自分の状態を確認する。
レベル10
体力95/174
魔力170/170
筋力50/50
守力60/50
瞬力121/120
次のレベルまで1984p
魔法
スコール 魔力5~
クイックモーション 魔力毎秒2
ウィンドエッジ 魔力20~
二刀流
乱舞 体力12~
十字閃 体力20~
特殊術技
探知 体力毎秒1~
パッシブ
神の加護 レベル1
脳内地図 レベル1
…体力の消耗が激しすぎるな…
アキトの場所はまだまだ離れた所にある。
…なら一晩は野宿で過ごすか。
それなら体力も万全の状態で戦えるな。
そう考えて俺は歩きながらアキトの元へと行くのだった。




