第七十一話 お礼
見事に火の国を救ったアキトたち…
さぁ…次はどんな冒険になるのでしょうか!
「…馬車が…狭いっ…」
流通都市へ向かう途中の砂漠で馬車に乗りながら僕が口に出す。
仕方ないっちゃ仕方ないけどさ!
「…ちょっとぼぅ…っとしてきちゃった…」
シオリが元気なしに言う。
僕も少しだけボーッとして来たよ…
「仕方ないですよ…あっと…魔物ですね」
フロウが馬車の先頭で手綱を掴みながら言う。
「おう…じゃあ行ってくるわ」
そう言って狭いなか立ち上がったのはアスタだ。
「ギルドマスターが?」
僕が口に出す。
「…なぁ?ギルドマスターって言うの面倒だろ?」
「…はい?」
僕はもう一度聞き返した。
「俺の事はアスタって呼んでくれ?堅いのはどうもな」
「えっ…はい…アスタさん…」
いいのかな…これで?
「お前らもな!じゃあ…行ってくるわ!」
そう言ってアスタは馬車の外へ飛び出して、魔物と戦闘になった。
「…アスタさん大丈夫かなぁ?」
「確かに、心配…」
そう言ったのはココロとアイレンだ。
ちなみに二人は冒険者になるために馬車に乗っている。
「心配ありませんよ。仮にもギルドマスターなんですから」
フロウがそう言った。
僕らはそっと馬車から外の戦闘を観てみる。
「おっ…お前ら、ここを通してくれねぇか?」
アスタはデザートアント数匹に言っている。
無理に決まってるでしょ…
するとデザートアントが口を開けてアスタを捕食しようとしている。
「無理か…なら…」
アスタは拳をきつく握りしめ、デザートアントの噛みつきをジャンプでかわすと、自分の全体重を乗せて拳を落とした。
ドンッ!
その音が鳴った瞬間、風が僕らを襲った。
「皆さん、しっかり捕まってないと飛ばされますよー」
「は、はやく言ってよッ!」
「と、飛ばされるっ!」
僕とココロが騒ぐ。
「落ち着いてよアキト」
「そうだよ?ココロくん」
「「なんで平然としてんの!?」」
女子軍動じてないよ!
なんなの!?
しばらくすると風が収まりアスタが帰ってくる。
「ただいまな」
「おかえり、マスター」
アスタの言葉にフロウはそう言って馬車を進めた。
だけど拳一発って…
やっぱ凄いな…
・
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「…何事もなく到着したな!おつかれ!」
僕らは冒険者ギルドの手前まで来た。
久しぶりに見た冒険者ギルド…
っていっても帰ってきた感じは余りないわけだけど…
「はやく冒険者になる!」
そう言ってココロはすぐに建物の中に駆けていった。
「あ、待ってよ!ココロくん!」
それに続いてアイレンも行ってしまう。
「ははっ!元気がいいな!」
「マスターはもう少し声量落として下さい」
「いいんだよ俺は!さぁ!俺たちも行くぞ!」
「はいはい…」
僕らはアスタとフロウのやり取りを最後まで見ていて結局馬車に取り残されてしまった。
「…私たちも行きましょうか?」
「…そうだね」
僕らも馬車を降りて冒険者ギルドに入っていった。
「はい、ココロ様もアイレン様も登録が終わりました!」
「やったぁ!」
「私たちも依頼受けましょ!」
こんなやり取りが受付で起きていた。
…うん、順調みたいだね
「あ、兄ちゃん!姉ちゃん!」
「アキ…いえ、アキさん、シオさん」
二人が後ろにいた僕に話しかけてくる。
アイレンが僕の名前をいいかけて止めたのは気を使ってくれてるからだと思う。
「何?」
「…ありがとう!僕ら、兄ちゃんを越えてみせる!」
「私たち!負けないよ!」
「…うん、楽しみにしてるね」
「ふふ…私たちも負けないからね!」
ココロとアイレン、シオリと僕がそう言った。
ここで僕らが組むのは終わりかな…
ココロとアイレンはきっと組んで依頼を受けるだろうな…
…うん、息ピッタリだから大丈夫だね
「行こう!アイレンちゃん!」
「うん!」
そう言ってココロとアイレンは依頼板へと駆けていった。
僕らは受付の人に依頼について話をしようとした。
「あ、お二人とも、お帰りなさい!」
「あ、ただいまです」
「ただいま、アカリさん!」
受付の人はアカリ・ヒカル
僕らが初めてギルドに来たときも受付にいた人だ。
「報酬ですね?こちらです!」
「…はい?」
「…へ?」
僕らはキョトンとした顔でアカリを見る。
「…どうしましたー?ゴウカ・ハーツ様からですよ!」
…なんで?
「報酬の50000シルドです!」
「はい!?」
まって!?
なんで報酬4倍近くなってるの!?
それ以前に失敗したってば!
「あ、ゴウカ様から伝言です。国を救ってくれてありがとう。これは我からの感謝の印だ。この様なもので恩を返せるとは思えないが受け取ってほしい…だそうです!はい!」
そう言って半ば強引に袋を押し付けてきた。
銀というか白いっぽい硬貨が入ってる。
もしかして1000シルドかな?
って違う!!
「僕らは依頼を失敗し…!」
途中まで言った所でシオリが止める。
そしてこう耳元で呟いた。
「…お礼の気持ちは素直に受けとりましょ?貴方が…アキトがいなかったらこの事件、解決出来てないわ」
う…ん……
お礼の気持ちは素直に……かぁ…
それで…いいのかな……
「…分かった、ありがとうって伝えられ…ないよね?」
「出来ますよー?」
「いけたの!?…ありがとう、これからももっと良い国になることを願っています…かな」
「分かりました!お伝えしておきますね」
「お願いします」
「あっそれとお疲れでしたらアキト…いえアキ様とシオ様のお部屋が用意できてますのでそちらもご利用下さいね!」
部屋!?
ギルドに部屋!?
しかも一人一人!?
「ありがとうございます!…アキ?どうする?」
…少し、ゆっくりしようかな
「…今日はもう休もう?最近ドタバタしちゃって…」
「そうね…そうしましょう!」
「ではアキ様が302、シオ様が303の部屋をお使い下さい!ギルドカードがカギ変わりになります!」
便利だね…
というかギルドにそんなに部屋あるの!?
「とりあえず、行ってみようか」
「ええ!そうね!」
そういえば…若干シオリがテンション高いね
…何か良いことあったのかな?
そんな事を考えつつ、僕らは用意されている部屋へと向かった。
そしてアキト様とシオリ様って言ってたねw
修正いれましたw
教えてもらったんだけどw




