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第七話 結末

この話どこへ向かってるんでしょうねーw

「うぉぉぉぉ!!」


僕は刀を持っている盗賊に突っ込む。


魔法と言われても、僕はそんなものをやったことすらない。


ならば、相手から武器を奪って戦ったほうがいいと思ったからだ。


…だけど


「…!」


甘かった


武器を奪うだって…?


素手で?


相手は刀を持っているのに?


僕は何考えてるんだ…


「…やっぱり…無理…か…」


どうすればいいんだ…!


「遊びは終わりだ…お前を殺す…」


どうする…


「ぎゃはははっ!大丈夫だ…お前を殺した後はあいつらも連れてってやるよ…?安心しなぁっ!」



「…アキト」


考え込んでいる時にヨルから話しかけられる。


「大事な事は覚えてるものだ」


覚えてる…か


昨日の出来事を思い出してみる…



牢…


長…


勇者…


シオリ…


いじめ…


炎…


男…


叫べ…


…はは…不思議だな…


夢の中で聞き取れなかったハズの言葉が…


鮮明に覚えてるなんて…


「…あ?何笑ってんだ…?」


「この状況を打開出来るかもしれないからだよ」


「…っへ…おもしれぇ!じゃあやってみろよ!」


その言葉と同時に盗賊達がこちらへと向かってくる。


「我、契約す…炎の精霊!力を与えたまえ!」






あれ…


ここ…


どこだっけ…


「…君の…頭の中…」


「…へぇ…って、え?」


振り返ると小さな男の子がいた。


髪が赤く目は隠れているが、髪の間から片方だけ見えるその目は暗くそれでいて赤く染まっていた。


「…まさか君が炎の精霊?」


そう僕が言うと男の子はコクっと頷いた。


「僕…精霊…だから…力…貸したい…」


「…いいの?」


「…契約だから…」


「僕はアキト…君は?」


僕はそう言って手を差し伸べる。


「あ…え………リート」


そして手を取った。


「これから…よろしく」


「うん…!」





視点が戻る。


盗賊達が声を上げてこちらへ突っ込んでくる。


あれ…なにも変化なしっぽい…


っと思った瞬間


僕の胸の中から光輝く者が出てきた。


それはさっきよりうんと小さくなったリートだった。


次の瞬間、体の中に熱いなにかが流れ出している事に気づく。


そして前を見ると盗賊達がこちらへ向かってきていた。


「敵…来る…手に…意識…集中…」


「や、やってみる…」


リートに言われるがまま、僕は両手を前に出し、手に意識を集中させた。


「頭に浮かんでる言葉…言って…」


「…ん…炎よ…焼け…火球フレイムボール?」


…そう唱えた瞬間、自分の手のひらから炎の玉が飛び、ゴゥという音を立てて盗賊の前に燃え出した。


「…へ?」


僕は呆気にとられる。


「っはぁ!?」


盗賊は立ち止まり理解のできないような声を発する。


「それが…魔法…経験積んで…新しい魔法…出来る…」


「初めての魔法…」


「これで…倒せる…」


「…ありがとう…でも…」


僕は一瞬で人の命を奪う能力を持ったのではないのか…


「打開出来ると思うよ…これで」


僕は盗賊に向けて話す。


「…っく…」


「えっとだから…刀を返して手を退いてもらっていい…ですか…?」


「…は?」


「やっぱり…人を殺めるのって…気分が悪いんです…」


「…てめぇ…」


「気分じゃないか…殺したくないんです…」


僕の手は震えている。


魔法を使った時から震えが止まらない。


「…なんで殺さない…?」


「僕は…分からないんです…人を殺めて人を守るのが正しいのかって…殺す理由はあるのかって…」


「…とんだ甘ちゃんだな…こっちは殺していいのか?お前は殺されていいのか?」


「いえ…えっと…」


「お前は戦いを知らない!知らなすぎる!だからそんな事を言えるんだ!」


「…」


「俺らはみんな…!そんな中で生きてきた!どんな事でもやった!人を殺す事に理由がいる!?違う!殺らなきゃ死ぬだけだ!そうやって食い物を金を手に入れてきたんだ!それでしか生活出来ないからだ!」


「…他の方法もあったんじゃないんですか…」


「ない!俺らも好きで盗賊なんてやってんじゃねぇ!なれるなら普通に働いて!普通に食べて!普通に寝て!そんな生活がしたかった!でも出来ないんだ!」


「どういう事ですか…?」


「俺ら盗賊…みんな…!捨て子だったからだ!」


「…」


「…俺らの家族は…こいつらしかもういねぇ!俺ら全員兄弟だ…家族だ!死ぬときも一緒だ…仇は討つ…討てないなら死ぬのみだ…」


「っな!?」


「忘れるな…お前は俺ら全員を殺した…その全員の死を背負うんだ!野郎共ぉ!!」


そういって全員が短剣を自分の腹部に突き立て…


「もう少し早く、あんたと会っていたら…今ではそう思うよ…」


「やめ…!」



…切腹


全員が自害をした。

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