表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/194

第五十一話 返り血

「やっと起きやがったな?」


僕の目の前に僕が…

レイがいた。

そして何故か頬が痛い。


体を起こして周りを見る。

どこかの家…かな


「アキトッ!」


「うわッ!?」


いきなりシオリが飛び込んできて、倒れこんだ。


「…な、何?」


「…何じゃないわよ!やっぱり…貴方は馬鹿ねッ!」


しがみついているみたいで中々離れてくれない。


「そんなに言う事なっ…」


…シオリの肩が震えている。

…泣いてる…の?


「バカ……」


「なんか…ごめん」


こんなときどうしたらいいのだろうか?

僕は何も出来ないままその状態を維持するしかなかった。



「…それじゃあ…別行動させてもらうぞ」


シオリをなだめて、体から離した時に、いきなりレイが別行動を取ると言ってきた。


「…いきなりだね」


「お前らのが市民の避難進んでやりそうだからな」


そう言ってレイは僕に刀を返してくれた。


「っあ…」


おばさんにその息子さんっぽい人…

二人だけだけど、紛れもない市民なんだ。


「そう…だよね。ありがとう」


「…ふぅ…お前はよく礼が言えるよな…」


「…僕も前まで苦手だったよ」


なんでだろう…

この世界にきてから自分が変わったような…


「…じゃあな…!」


僕とレイは別れた。

レイは何をするのか…気になったけれど

今は自分のやるべき事に集中しようと思う。


「…すみません…避難場所とかってありますか?」


僕は市民の二人に聞いた。





「…こ、これだけの人数なら抑えられるぞ!」


二人の少女を十何人もの人が囲んでいる。


「囲まれた…」


幼い顔立ちをしていて、杖を持った少女が言った。

身長は120くらいあるだろうか

その身長と同じくらいの長いロングの髪は、地面につきそうだ。

フードつきの白いマントを装備しており、そのマントには赤いマークが施してある。


「どうする…の…?」


ゆっくりとした口調で少女はもう一人の少女、チカに話しかけた。


「…リリィはそこから動かないで」


リリィと言われた少女はコクっと頷いて、チカを見ている。


「…ごめんなさい…だけど…チカは…!」


レイピアを抜いて突進、一人を突き刺し、すぐに抜く。さらになぎはらい、すきをついてみだれづきを放ち、さらに呆然としている相手でさえもすぐさま突きを繰り出した。

ここまでが約10秒で行われ、残りが3人だけになった。


「…これでもまだチカに…国に歯向かうの?」


チカは残った人たちに言った。


「化け…物…!」


「焼きやがれ!火球フレイムボール!」


一人から火の玉が放たれたが、火の壁により、防がれる。


「…炎盾フレイムシールド…」


そう言ったのはリリィと言われた少女だった。


炎舞えんぶッ…!」


チカがそう言って、レイピアに炎を付与させる。

それでなぎはらいを入れ、突きをも入れ、最後の一人になっても躊躇せず、突き刺した。


「…血に…濡れてく…」


チカは自分の姿を見る。

返り血を浴び、手が真っ赤に染まっている。

その手は少しながら震えているように見える。


「反乱側の…住民…全員…倒す…」


「…」


(本当にチカは勇者なの…?)


疑問を持ちつつも、チカとリリィは歩き出した。





「ふぅーぃ…やっぱ城の方にいやがったか…」


先程の戦闘は城に入る手前の階段の下で行われていた。

それを物陰に隠れながらレイは見ていたのだった。


「しかし、アイツの強さはやばかったな…アイツ一人で兵士何千とか倒せんじゃね?」


独り言を言いながら俺は城へと向かう。

警備は厳重だが気にしない。

厳重といっても不死身のフルヘルム野郎がいるわけじゃないし、生身の人間が警備しているからだ。

こうなれば一回殺して終わりだ。


「俺の予想は当たるかねぇ…」


俺は正門から堂々と城へと入ることに決めたのであった。

リュウ「今日は三回しゃべると終わるぞ?」


一同「「「「「「えぇー」」」」」」


リュウ「上限解放!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ