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死んだら…異世界に逝ってました(笑)  作者: まっつー
五章 生き抜く覚悟
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第百三十話 質問

「なんであんなに人間を憎んでいたの?」


もっと遠回しに言えれば良かったのかもしれないけれど…そんな事言っても仕方無いか。

僕は思ったように口に出した。


「それは憎むしかないだろうが!」

「うーん…」

「それはお前も同じだろ!?なぁ!?」


同じじゃないんだけどな…

まぁ、いいか。


「そうだけど…君は特にって感じがして…」


憎んでるということにしておいた。

そうした方が質問を聞きやすいかもしれない。

…この世界に来てから嘘ばかりついてる気がする。

気のせいであってくれればいいんだけれど。


「…俺は、元々クロイ村に住んでいたんだ」

「クロイ村…?」


どこだろう…

もしかしてあの村かな…

僕が守った…


「お前が邪魔した先にある村だ!そんなのも知らないのか…?」


呆れた表情をしてカイムが言う。


「はは…それで?」

「その村は元々魔物と人間が共存していたんだ。」


…あそこに魔物が…

僕が行ったときは魔物はいなかったけど…


「だけどよ!村長が死んじまった後、オイラたちは追い出されたんだぜ!?あげく住んでた仲間は殺されちまう!」

「どうして?」

「…お前らゴミに生きる資格はない。この村は人間のものだ…って」


…その人ってもしかして…


「不良っぽい人?」

「…知ってるのか?」


あっ…しくじっちゃった…

会った事ない設定だったのにこれはない。


「当たった…!」

「あてずっぽうかこのやろー!」


いえ、違います。

だけど、僕が依頼を受けた人で間違いなさそうだ。

…見かけ通りひどい人のようだ。


「…確かに不良っぽいヤツだ。ソイツ、無茶苦茶強くて、それでオイラは魔物を従えてあの村に攻めこもうとしたけど…」


カイムは、僕を睨み付けるように怒って言う。


「そこでお前だ!オイラの邪魔をして!人間かと思ったら魔物ってどういうことだよ!」


どう誤魔化そう…

僕は腕を組んで考える。


「…おい!なんとかいえ!」


…うやむやにしよう。

それより、あの不良…許せないな…

こんな事情があるなら、攻めこまれてもしょうがないじゃん。


「…一人だけ。」

「…あ?」

「その、不良っぽいヤツ一人だけ倒そう。僕も力を貸すよ。」


僕の言葉を聞いてカイムは唖然としている。

確かに計画を邪魔した人が何言ってるって思うけどさ。


「…ホントかよ…?」

「うん、ホントだよ。」


勝てるかは分からないけれどね…


「…分かった…!じゃあ…」


そうカイムが言ったところでドゴォォッ!と爆音が聞こえた。

それと同時に地響きまで起こる。


「なっ…なんだぁ!?」

「にゃっ…にゃにがおきたぁ!?」


奥の廊下から猛ダッシュでにゃん婆が走ってきた。


「はやく外へ行かねぇと、確認も出来ねぇ!」

「そうだにゃ!いくにゃ!」


カイムとにゃん婆はドドドと走って外へと行ってしまった。


「一体…何が…」


僕も急いであとを追いかける。





「カハッ…」

「うぅ…」


音がする方向へと走っていくと、街の入り口付近で血生臭さが香ってきた。

これは…何が…


「そこらへんに経験値がゴロゴロ転がってる…ケケケ…」


…前に一度だけ聞いた声がする…

確か…あの村の不良…!


「てめぇ…一度ならず二度までも…!」


カイムがオノを構えながら対峙している…

にゃん婆は、近くで倒れている魔物を助けている。

あんな軽々と…凄いなぁ…キャットドッグっていう種の魔物を片手で…


「やっぱりあの小汚い冒険者のあとをつけて正解だった。こんなボーナスエリアがあるなんてなぁ!」


不良はそう言いながら無差別に爆発を起こしてる。

…詠唱しないの!?


「うぉぉお!」


カイムが雄叫びをあげながら、オノを振るうが、不良はひらりとかわし、余裕の表情を見せている。


「おらよ」


ボンッとカイムの目の前に爆発が起き、カイムが吹っ飛ばされる。


「いっっ…」


見てるだけじゃ駄目だよね…

勝てるか分からないけど出るしかないか…


「お、あの時の冒険者。報酬は払わないぜ?コイツが生きてるんだからよ。」

「…」


なんだろう…

やっぱり嫌いなタイプだ。


「ま、感謝くらいはしておくけど。ケケケ!」


そう言いながら不良は歩き始める。

僕はカイムの目の前に立つようにして、白樹刀を掴む。


「…あ?冒険者風情(ふぜい)が魔物の味方すんのか?」

「…!なにして…んだお前…!」


不良もカイムも何言ってるんだ…

そういうのは僕の勝手だよ…


「魔物の味方…それもいいかもね。でも、魔物の味方だから対峙するんじゃない…」


カッコつけて、白樹刀を降り下ろす。

こういうのやる性格じゃないんだけれど、士気が上がるかもだし…

ってカイムしかいないか。


「僕は、君が許せなくなっただけだ。」


経験値?

そんなの知らないよ…

ボーナスエリア?

勝手に思ってるといいよ…


「カイム、一緒に戦うよ」

「お、おう!」


カイムは再度、オノを構えた。


「ほー…対人戦か。ま、オメーらはどっちみち詰みな。」


不良は杖のような、長い棒をどこからともなく取り出してそう言った…

…あれ?

不良が何故こちらに来たんだ…?w

ま、いいか!w

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