『ヤグされ』{超短編3×100}
初の短編なんで至らない点が多々あると思いますが、そこも含めて宜しくお願いします。批評も喜んで受け付けます。
感想まってます。
「オイ、今肩がぶつかって骨折れたんですけどぉ! どうしてくれるんですかぁ!」
俺は腰に付けたチェーンを鳴らしながら自分からぶつかったおばあさんを睨み付けた。
「病院行くんでお金くれません? 10万でいいから」
俺は構わずそう続けた。転んでいたおばあさんは立ち上がって言った。
「本当かい? そりゃ大変だ、今すぐ病院に行かないと」
「え?」
おばあさんは財布から札を出すと俺に握らせた。
「これで足りると思う。ホントに済まないね」
「あ……」
「あ……すみません!」
おばあさんは道路を通ってるタクシーを止めようと手を挙げた。
「ば、ばあさん」
「なんだい?」
「もう大丈夫だ」
俺は気付いた。俺はお金じゃなくて優しさが欲しかったんだ。