二話:クラスメイトについて
二話です。
全然話が進みません。
黒いっぽい女の子が出てきます。
女の子「ちょっと! その扱いはあんま(ry」
ドン
翌日、高校へ行き教室を開けて中に入ろうとしたらクラスの女子とぶつかった。
名前はえーっと、そうだ、小林さんだ。
「あ、ごめんね、品野くん」
品野というのは俺の名前だ。
品野翔。
16年間付き合い続けてきた俺の名前。
小林(?)さんは俺の落としたカバンを拾ってくれた――――のだが。
バラバラバラ
どうやら、家からカバンを開けっ放しで来たようだ。
中身がぶちまけられた。
「あ、ご、ごめん!」
「あー、いいっていいって。カバン開けっ放しで来た俺も悪いし」
しゃがんで、落としたものをひろう。
まだ早いとはいえ、入口を塞いでいたら登校してくるクラスメイトに邪魔になる。
小林(決)さんも手伝ってくれた。
「そこの財布とってくれない?」
「あ、うん」
財布だけ俺から遠いところに落ちていたようだ。
小林さんに拾って――――――――
チャリンチャリンチャリン
えーっと。
どうやら、財布の口も落ちた衝撃で開いていたようだ。
俺の今月の全財産一万二千四百五十円がぶちまけられた。
あとカード類も。
カード類も!?
「ストップストップ! 動くな!」
一応、静止を促してみたけども。
「品野くん、コレ」
そういって小林さんが手渡してきたのカードには。
俺の目が急におかしくなったんでなければ、日本政府発行:魔王のライセンスと書いてあるように見えた。
どうしよう。
せっかく今まで俺が魔王であることを隠し続けたのに、バレちまった。
「あーっと、これは、その、魔王に憧れて、俺が手作りしたやつで、」
「でもこの政府の認証の印、確か偽造できないようになってるんじゃなかったっけ?」
「えーっと、大丈夫? 小林さん。最近ちゃんと寝てる?」
「いやいやいや。ちゃんと寝てるし小林じゃねーし。小暮だし」
「あ、ごめん、小暮さん。で? 何の用? こんなところで急に俺を呼び止めたりして」
「なかったことにする気だ! こいつなかったことにする気だ!」
「え? 何それ、魔王のライセンス? 小暮さん、魔王だったの?」
「ここにちゃんと品野翔と書いてあるのが目に入らぬか!」
「あ、俺昨日それに納豆こぼしたんだった。臭いよ? 多分」
「大丈夫、あたし、納豆好きだし」
「ちがった、シュールストレミング(世界一臭い缶詰)だった」
「あたし、前にあれ食べたことあるけど、そんなに臭いと感じなかったかな?」
「えーっと、ホンオフェ(エイを発酵させたもの。臭さ納豆の14倍)こぼした気もする」
「その前に品野くんはそれ食べられるの?」
「あ! あっちでミ○キーがデイジ○と浮気してる」
「今日び小学生でも引っかからないし!」
「大丈夫? 小暮さん。俺にぶつかって結構吹き飛んだようだけど……」
「おのれ今までの流れを全部無視するつもりだな?」
「よし、こうしよう。小暮さんはそれを俺に渡して席に戻る。俺はそれを財布に直して自分の席に行く」
「一瞬名案が浮かんだかと期待した自分にサヨナラ?」
「あの、返してください、俺の偽造ライセンス」
「まだ言うか」
「あの、それ、本当にアレなんで。アレだからほら、早く返してください」
小暮さんは、はあ、とため息をついた。
「もう、なんかどうでも良くなったよ。別に品野くんが魔王でもいいや。はいこれ。返すよ」
「ありがとう」
「でも、魔王であるという秘密をあたしに握られていることを忘れないでね?」
小暮さん、黒い……。