十七話:スーパーについて
長らくお待たせしました。
夏休みだから時間たっぷりあるぜヒャホウ! とか叫んでたらですね、母に受験終わるまでパソコン禁止を言い渡されまして。
というわけで家族の目を盗んでの執筆、投稿になります。
でも、受験勉強もちゃんとやってるのでこの小説もキリのいいところまで書き終わったらストップさせときます。
品野「受験怖い……受験怖いよ! ……はっ! 今一瞬意識飛んでた!」
「ねえ、これどうしたらいいの?」
「この富裕層め!」
スーパーで、小暮さんがカゴとカートを指差して言った。
ここは近所のスーパー。
徒歩でだいたい五分弱。
俺はよくここでお世話になっている。
なんせ食材が安い安い。
「これは一体なんなのでしょうか」
「なんだ? ケイトはそんなことも知らないのか! 我が教えてやるのだ!」
向こうでは、ケイトがレジを指差している。
そして一緒にいたユリアがレジとは何かを教えている。
微笑ましい光景だ。
「ねえ、品野くん。これ、どうやって使うのかしら?」
「取扱説明書を購入してきてください――――ってわー! ストップ! 嘘だから! そんなのないから!」
「もう、なんなのよ!」
「あれだよ――――」
カゴを手に取る。
カートはいらないだろう。
「これはカゴ。買いたいものを手で持ってたら大変だろ? だからこれに入れて持つんだ」
「へー。持っていい?」
「どうぞどうぞ」
本日の荷物持ち係は小暮優子さんに決定いたしました!
☆☆☆
時を同じくして。
スーパーの入口では、美しい八重桜の花びらのような薄い桃色をした少女が、なぜかスーパーで漫才をしている(ように見える)少年と少女を見つめていた。
明らかに怪しい髪色に対して、ほかの客の反応は薄い。
そう、まるで見えていないかのように。
「あれが今代の調停者になり得るものであるな」
桃髪の少女は、少年から荷物持ちをさせられている少女を見てそう呟いた。
彼女の行動に目を向ける者はいない。
一般人はもちろん、魔王であり勇者でもある品野でさえも、少女には気づかない。
☆☆☆
「ねえ、これって豚肉じゃないわよね。でも、堂々と豚肉って書いてあるわ! 詐欺よ、品野くん!」
小暮さんが声を潜めて言う。
「いやいやいやいや、普通に豚肉だから。いつもイイ肉ばっか食ってるから知らねーんだろ、こっちが本物の豚肉だ」
「じゃあ、いままであたしが食べてた豚肉はなんなのよ!」
「いや、もういいや。それも豚肉だよ。切る薄さが違うの」
「へー。豚肉って薄く切れるのね」
もうやだ。
帰りたい。
小暮さん金持ちお嬢様すぎて怖い。
「あれ? 給食とか学食とかで食べたことないの?」
「あたし、中学まで俗に言うお嬢様学校だったし、高校に入ってからはずっとお弁当だし」
どうせそのお弁当もフルコースとかそんなんだろ。
「え? 違うわよ。そんなの持ってくるわけないじゃない。普通にお弁当よ、普通の」
「というか今どうなった? 心読まれた?」
「えーっと、普通に声出してたわよ」
俺としたことがっ!
さて次の投稿はいつになることやら。