十三話:部屋割りについて
東大生さん、感想ありがとうございました!
☆☆☆
なんで部屋割りについてこれだけもめることが可能なのか。それは神のみぞ知る。
品野「あれじゃね? エレベーターへの近さじゃね?」
霧島総理は用事がある、とかで帰ってしまった。
「なあ、ショウ。この女は誰なのだ?」
「ん? ああ、あれだよ。勇者」
「敵襲か!?」
「いや、味方。俺さ、なんか魔王だけじゃなくて勇者にも選ばれたみたいで」
「あの、翔様。そちらの女の子は誰なのですか?」
ユリアとケイトをお互いに紹介する。
「それで、小暮さんも家に住むことになった」
「は? どうして我とショウの間にほかの女が入るのだ!? というかその言い方だとケイトも家に住むのか!?」
「ケイトは契約した以上追い出すわけには行かないし、小暮さんにいたっては俺が家壊しちゃったし。うちは結構スペースがあるだろ? ならうちに住んだらいけない理由がない」
「あるだろ……! 我とショウの愛の巣が、ほかの女に踏みにじられるというのだぞ……!?」
「ああああああああ愛の巣って品野くん、ゆゆゆゆゆゆゆユリアちゃんに何やったわけ?」
「いや、まだなにもやってないけど」
「まだって何! 今度何かやるつもり!?」
「はいはいステイステイ。伏せ。待て。よくできました」
「ちょっと! 字面だけ見てるとあたしが本当に命令をきいてるみたいじゃない!」
あー、話が進まない。
「要約するとあれだ。今日からうちの家族はユリアと俺だけじゃなく、そこにプラスされて小暮さんとケイトも入ります。今日から家族。みんなか~ぞ~く~」
「む。ショウがそう言うならわかったのだ」
「私は翔様の決定に従います」
「えーっと? つまりあれかしら。あたしの言ったことは基本無視されるわけかしら」
「よし、じゃあ、部屋割りを決めよう」
ハイ! と、ユリアとケイトの手が挙げられ、それを見て小暮さんも手を挙げた。
「はい! 我はショウと同じ部屋がいいのだ!」
「私も、翔様と同室でお願いします」
「うん、いいんじゃない?」
「良くないわよ!」
「なんで?」
「だってほら、年頃の男女が同じ部屋でねねねねねねね寝泊まりするってのもあああああれだし!」
顔を真っ赤にさせながら小暮さんが言う。
この人、どんだけ純情なの?
もっとからかって欲しいの?
「まあ、それもそうかもしれんな」
「でも! どうしてもって言うならあたしも一緒に品野くんと一緒の部屋で――――」
「よし、それなら寝室は別々にするか。……あれ? 小暮さんなんて言った?」
「……う゛ー! なんでもないわよ」
「翔様。もう少し乙女心というものを知ろうとしたほうがいいのではないでしょうか」
「けけけケイトちゃん!? 余計なこと言わないでよ!?」
「でも、ショウはこれだけ言ってても馬鹿だから気づかないのだ!」
「お前ら、何の話してるかはわからんが、馬鹿にされてるみたいだから追い出していい?」
「「「ごめんなさい」」」
あれ? 家主って最強っぽくね?