十二話:グダグダなネーミングについて
そういえば、今の総理大臣て誰なんですかね?
小泉総理大臣からはしょっちゅう変わりすぎて覚えられません。
まあ、今の総理大臣様は頑張ってくれてるみたいです。
途中で投げ出しませんし。
霧島「別に私も途中で放り出したりしませんよ?」
霧島総理に中に入ってもらい、手提げかばんに入った怪しげな機械を取り出す。
「で、本日はどのような要件でしょうか?」
「ああ、勇者の免許証? 認定証? の発行して欲しくて」
「勇者? そこのお嬢様にでしょうか」
「いや、俺に」
「…………………………………………」
固まる霧島総理。
そのまま思考停止。
じー。
お、動いた。
「…………ハァ?」
総理大臣とは思えないようなハーフクエスチョン。
そういえばこの人、元ヤンだったって言ってた気がする。
世も末だねぇ。
「コホン。えーっと、私の記憶が確かならば、品野様、あなたは魔王であらせられたはずでは?」
彼――いや彼女? あれ? どっちだっけ?――は、元ヤンである。微妙に言葉遣いが変なのもまあ、愛嬌だろう。
「そうだけどさ、なんか勇者にも選ばれたみたいで。ほら、ケイト、何か言ってくれ」
「というかその前に、翔様が魔王であったなど、初耳なのですが」
「だって聞かれなかったし?」
「確かにそうですが……」
「それに、拒否権はない、といったのも、ケイトだろ? なら文句はなしだ」
「そう、ですね。はい」
「というわけです。ようはまあ、彼女の勘違いです。よくあることです」
「よくあってたまるかあぁぁぁぁあああああ!」
霧島総理、本日一度目。魂のシャウト。
☆☆☆
霧島総理の持ち込んだ怪しげな機械――正式名称は――――――
「えーっと、なんだっけ? 『なんかあのっ、あれ、ここに手を触れた人間ともう一人が三役である調停者、勇者、魔王であるかどうかをはかるための機械』だっけ?」
「そんなグダグダなネーミングセンスを持つ部下は私にはいません」
あ、タグ見っけ。
何?
正式名称は――
『三役測定器』
「この上なくシンプルだな、オイ!」
「……さて、測定を始めましょうか」
俺の発言は何事もなかったかのようにスルー。
慣れないツッコミはするもんじゃないということか……!
「はいはい。ここに手を置けばいいんだっけ?」
ちょうどアメリカ式のバーベキューをやるときの鉄板(?)に似ているそれのなかに手を載せる。
ケイトも同様に。
☆☆☆
「まさか、本当に勇者にも選ばれるとは」
「なんていうか? 俺から滲み出るカリスマのオーラをみんながほっとかないっていうか? そんな感じ? みたいな」
「今思い出したけど、そういえばケイトちゃんが太刀の状態で届けられたとき、差出人はあたしになってたような……?」
「ちょっと何を言っているのか俺にはわからないので小暮さんシャラップ!」
「あー! ちょっと自分の立場が悪くなったからってそんなこと言う!」
ちょうど三十分後、ユリアが帰ってくるころに、霧島総理の俺と小暮さんの喧嘩への介入が行われた。
「そういえば、なんで怪我してんの?」
「ええ、これは元からですとも!」
「ふーん? 大丈夫?」
何故か霧島総理に殴られた。
グーで。
はい、次は明日か明後日に……。
投稿できたらいいなー、と控えめに思っております。
頑張ります。