表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/6

代案

新作始めました! 下記のURLをクリックすると読めます

「ち、父上。お耳に入れたい儀がございます。あの枯れ木村には、実は『黒いダイヤ』が眠っているという噂をご存じでしょうか?」


「黒いダイヤだと?」


 父上の太い眉がピクリと動いた。  俺は内心の震えを必死に抑え込み、さも自信ありげに、そして悪徳貴族の息子らしく卑しい笑みを浮かべてみせた。


「はい。とある古文書によれば、あの痩せた土地にしか育たぬ、王侯貴族も垂涎の『幻の珍味』があるとか。しかし、無知な村人たちはその価値を知らず、豚の餌にしているそうです」


「豚の餌だと……!?」


「もし、兵を送って村を荒らしてしまえば、その『黒いダイヤ』の自生地も踏み荒らされてしまうでしょう。それでは、父上の懐に入るはずだった莫大な利益が灰になってしまいます」


 俺は一歩前に進み出た。


「そこで、私に任せていただけないでしょうか。私ならば、村人たちを上手く騙し……いえ、管理し、その財宝を無傷で回収し、父上に献上してみせます。それは、はした金のような税収の十倍、いや百倍の価値になりましょう」


 父上は目を細め、俺を値踏みするようにジロジロと見た。  室内に張り詰めた空気が漂う。数秒が数時間にも感じられた。


「……百倍、か。大きく出たな、イリス」


 父上はニヤリと笑い、鞭を机に置いた。


「よかろう。その口車、乗ってやる。だが、期限は三日だ」


「み、三日ですか!?」


 往復するだけで一日潰れる距離だぞ。実質、現地での活動時間は一日半しかない。


「不服か? ならば今すぐ軍を出し、村を焼き払うが」


「い、いえ! 十分でございます! 三日後には、父上の目の前に山のような財宝を積んでみせましょう!」


《ピロリン♪》 『おめでとうございます! 一時的に【領民一揆フラグ】の進行が停止しました。  新ミッション発生:【三日以内に枯れ木村で「黒いダイヤ」を発見し、父を満足させる】  失敗時のペナルティ:勘当および鉱山奴隷への転落(危険度S)』


 ……結局、命がけなのは変わらないじゃないか!  だが、とりあえず今の危機は脱した。俺は滝のような冷や汗を隠しつつ、恭しく一礼して退室した。


新作始めました! 下記のURLをクリックすると読めます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「父は剣聖、母は大魔術師、生まれ変わった俺は!?」という作品をなろうに投稿しました。
面白いので是非、こちらも読んでくださると嬉しいです。

https://ncode.syosetu.com/n4072lk//

↑↑↑上記URLをクリックすると読むことができます。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ