表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Proof Blue  作者: 菅原やくも


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/11

6.コンビニエンスストア

通路だ。ずっと続いている。とりあえず一本道だけど、右へ左へと曲がったり、直角のコーナーだったり、斜めに進んだり……


いかにも地下通路です、っていう感じの通路が続いている。初見でドキッとさせられた赤いカラーコーンは途中から無くなっていた。


そして今、目に付くことは壁にポスターが貼ってあること。


でも意味のないものばかりだ。どれも単色で塗られただけのポスター……赤とか青、黄、緑、ピンク、白や黒もある。というかポスターとすら言えないだろう。文字もイラストも、なんにも描かれてないんだから。


そしてまたコンコースのようなところの空間に出た。でも壁がレンガ造りで、天井の照明は電球みたいに黄色い明かりを放っている。床はきれいに磨かれていて、多分、大理石みたいな? なんとなく古臭いというか、なにか歴史を感じるような雰囲気って感じだ。


右を見ても左を見ても、ゆるくカーブを描いて続いて、先が全部は見通せない。


とりあえず右のほうに進んでみる。もしかすると、ずっとカーブした道が続いているなら、一周して戻ってくるかもしれない。


スマホを取りだして時間を見ると、時刻は19時30分から31分に変わったところだった。もちろんというか当然というのか、圏外だ。どうやらWi‐Fiとかもないみたいだな。


進んでいると、なにやらガラス張りで白い光を放っている場所が現れた。


近づいて見るとそれはコンビニだった。駅ナカにあるような雰囲気のコンビニ。店内には煌々と明かりがついている。


入り口のドアは開いていて、それに中には棚には商品が並んでいるのがみえた。


やった! なにか食べ物や飲み物が手に入るかもしれない。そう思って中へ入り、棚の間を進んでみてまわった。


だけれど、がっかりだ。手に取ってみればすぐに偽物とわかる……どれもちゃちな模造品みたいなものだった。


食料品や飲み物だけじゃない、商品だけじゃなくて、置かれているもの全てが、まるでバルサ材や紙で出来ているみたいな感じだった。


ここに居ると、実寸大になったミニチュアセットのなかにいるような気分がした。


それでコンビニから出た。まったく、ため息が出る。疲れた。向かいの壁にもたれて座る。しばらく夕飯にはありつけないかもな。


あ、そうだ! ペットボトルのコーラがまだ残っている。カバンから出してキャップをひねると、プシュッと音を立てて、炭酸ガスが逃げていった。


ほとんど気の抜けたコーラ、冷たくもない甘ったるいだけの液体。それがとてつもなく美味く感じる。


ああ、なんだか、カレーとかラーメンとか唐揚げとか、そういうのが食べたくなってきた。


ふと視線を向けると、道の先に緑色のランプが付いているのが見えた。


立ち上がって、また進む。それで近づいていくと、緑の光の正体がなにか分かった。非常口のマークだ。そしてそのマークの下には灰色のドアがある。


ドアを開け先には階段があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ