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「アルトゥール!」

「ああ、任された!」


私が撃ち漏らした魔物を、アルトゥールがすかさず魔法で拘束する。動きが止まったのを見計らい、私は弓から剣に持ち替え、首を斬り落とした。


私が魔物を見つけて弓を放ち、一撃で仕留められなかったり撃ち漏らしがあればアルトゥールと連携して倒す。というのが、山に入ってからの私とアルトゥールの動きだった。


アルトゥールなら、一人で全部倒せるはずだ。けれど、あえてしないのは、報酬の分配を考えてくれているからだろう。彼は攻撃しないことで、私の取り分が多くなるように立ち回っている。


「ティアーナは剣も上手いな」

「よくつかうものは、ならっています」

「他には何を?」

「やりとか……?」


弓、剣、槍、斧、鎌、棍……などなど。特別な力を必要としない、技術だけで扱えるものはだいたい習っている。それだけ教えられる両親は一体何者だったのだろうと不思議には思うので、帰ったら聞いてみよう。以前聞いた時は、内緒って言われてしまったけれど。


「なるほど。ぜひ一度、手合わせ願いたい」

「アルトゥールとくらべたら、ししとねこくらい、さがありますよ」


開始数秒で負けてしまう気がする。立ち姿だけで、彼が物凄く強い人であることは明白なのだ。私なんて一瞬でコテンパンにされてしまう。


「そうでもないよ。私は力押しなきらいがある。ティアーナは技術で戦うタイプだろう?」

「それは、そうですが……」


力押しができないから、技術で戦っているだけだ。私にもう少し力があればと、願わずにはいられない。


「先生にはよく、力で押すな加護を使うな頭を使えと言われていたよ」

「アルトゥールの先生……きになる……」

「これから会いに行く人だよ」

「えっ! そうなんですか!?」


そういう大事なことは、もっと早く教えて欲しかった!


「どんなかたなんですか?」

「剣神グラムルを知っているかい?」

「しりません!」


剣神グラムルとは、剣の腕で神を越えた人……らしい。それがアルトゥールに剣を教えた人だと言うのだから、驚きだ。


しかも、そんな人にこれから会えるなんて!


正直、剣には思い入れなどないけれど、強くなりたいとは思うし、剣が上手くなれば他にだって応用が利くだろう。ちょっとでいいから教わりたい。


「ある程度なら私も教えられるよ」

「アルトゥールが?」

「剣神とは比ぶべくもないが、剣聖の称号をいただいているんだ。それに、剣以外も扱えるから……」

「その……ひまなときに、ちょっとだけでも、おしえていただけたら……うれしいです」

「もちろん!」


普段の微笑みとは違う、嬉しそうな顔だ。


徐々にわかってきたけれど、アルトゥールはたぶん、人に頼られるのが好きなんだと思う。私はひとに頼るのが得意なタイプではないので、接し方が難しい。


「そういえば、まえからきになっていたのですが」


何でも聞いてと言いたげな顔。片手間で魔法を使い、魔石を回収している。器用だ。


「アルトゥールのカゲって、生きてるんですか?」


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