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017 引き継ぎ?

 十八日目の朝だ。

 雨は止んだようで、ホッとする。


 腹が減ったので、急いで磯に向かう。

 まだ波が少しあったが。釣りポイントまでは問題なく来れた。


 手早く一匹釣り上げる。

 キタマクラに似た魚で無駄にカラフル、かつ複雑な模様がある。カワハギっぽくもあるので食べれるかも知れないが、警戒してしまう。

 空腹で一刻も早く何か食べたいが、結論は保留とし、下顎に糸を通すと海に戻し、とりあえずキープ。


 直ぐに二匹目がかかり、三十センチくらいのオジサンに似た魚が釣れた。


 これは数日前に食べて問題なかったので、手早く締めてエラを取る。

 あの危なそうな一匹目をリリースしようと思ったが、糸の先に手ごたえがない。引き上げると糸は噛み切られていた。

 針を作る時みたいに、入念に硬度と太さを意識しないと嘴のある魚にはあっさり切られてしまうようだ。フグなんか針を噛み切るから、当たり前か。


 そんな事より、とにかく腹が減っている。

 シェルター下に戻り、三枚に下ろしていく。

 本当は焼き魚が良かったが、残り少ない薪木を節約するため、刺身で食べる。

 小ぶりだったので、食べ足りない。


 もう何匹か釣っておけば良かったと後悔した。

 そもそも、刺身で食べるなら、磯で調理してその場で食べれば良かったのに、なぜ気付かなかったんだろうと自分に嫌気がさす。

 昔から、思いつきで行動するので、こういう失敗ばかりだ。


 釣りに戻るのもなんか悔しいので、腹が減ったまま、今日の作業をこなす事にした。


 崖上を見れば、樹木が密に生えている。

 崖を登りさえすれば、薪は直ぐに手に入りそうだ。

 少しでも崖を登る準備を進めたいが、今日は濡れてるのでクライミング の練習すら出来ない。


 仕方なくナイフになりそうな石を探す。

 前回、海岸で見つける事が出来なかったので、今日は雑木林の中を探してみる。


 下草が濡れており、下半身は腰蓑しかつけていないので、冷たい草が大事な部分にダイレクトタッチしてビクッとなる。

 ちょっと腰砕けになりながら、爪先立ちで雑木林の中へ分け入っていく。


 石を探そうと、下ばかり見ていたら、目線くらいの所に、子蜘蛛がいた。

 子蜘蛛といっても十センチはあるので、十分にデカイ。


 こいつら雨が降ると出てくるのか?

 刺激しないように後ずさって、雑木林を出る。


 子蜘蛛を殺すと、また親蜘蛛が出てくるかも知れない。偶然かも知れないが、左手を子蜘蛛に噛まれて、親蜘蛛も同じ左手に噛みついてきた。


 毒の臭いでもあって、それを辿って襲ってきたのかも知れない。


 とにかく、相手にしたく無いので、子蜘蛛から離れる。


 下がりながら雑木林の中をよく見てみれば、木の上や根本に何匹かウロウロしてる。


 雑木林から出てきて、さらに海岸近くまで離れる。


 ようやく一安心した。


 操糸スキルがあるので、正直、親蜘蛛にも負ける気はしないが、もう噛まれたく無い。


 いや待てよ。本当に勝てるかな?


 瞬間移動みたいに槍を避けてたんで、操糸グルグルとか縫針アタックとか全部避けられそうだな。


 予め沢山糸出しておいて投網みたいに一気に被せて、グルグル巻きにすれば行けるかな?って、それが親蜘蛛が使ってたヴェールか!


 頭良いな。獲物を逃がさないように、糸を使った範囲攻撃だったんだ。


 そしてギプスのように固まったのも、網がかかった瞬間に硬度を変えたんだと思う。


 うーん、さすが操糸スキルに関しては大先輩の親蜘蛛さんだ。


 あとは、あの木工用ボンドみたいなネチョネチョはなんだろう。本体が死ぬと、操糸スキルで生み出した糸はネチョネチョになるのか?


 親蜘蛛が死んだ後はあっさり外せたしな。

 時間が経ったから外れたくらいに考えてたけど、自分で出した糸は数日経っても全然丈夫なままだし。


 ネチョネチョになる原因が死ぬ事だったらまだ良いんだけど、気絶とかでもなるんだったら、命綱にするのは怖いな。


 登ってる途中で、急に切れる事も想定しておくべきか。なまじ強度があるので、過信してた。


 蜘蛛から得たスキルだけど、その仕様は蜘蛛とは違うと思っていた。

 普通の蜘蛛が出す粘着性の糸が自分では出せないから、蜘蛛の糸とは違うと思い込んでたが、思い返せば、あの親蜘蛛は粘着性の糸は使って無かった。

 少なくとも、あの戦いの中では出して無かった


 可能性としては、魔石を持っていた蜘蛛と操糸スキルは全く同じ能力。つまり、あの蜘蛛の能力を受け継いだのが今の俺。

 という事は、何らかの理由で糸がネチョネチョになる事は当然俺もある。という訳か。


 うーん、わからない事だらけで、また不安の種が出来てしまった。

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