表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/55

011 焼き魚

 前に魚を見た磯に向かい早速、海面に向かって糸を出していく。

 魚を糸で追っかけるが、魚を捕まえ程のスピードはでず、逃げられてしまう。

 うーん、そう簡単にはいかないか。


 次に、めっちゃ硬いイメージで、釣り針の形を作る。出来た針にその辺りから取ってきた貝を潰して身をつける。


 釣り針の先端は細くしてみたけど、本物の針の様な鋭さは無い。けどまぁ刺さるには十分そう。


 フラフラ〜と糸を操作して、水中に投入。

 魚目がけて操作する。

 脱力して、潮の動きに任せていると、早速ヒット!

 糸を収納していくが、糸にも何となく感覚があるので手釣り以上に魚の挙動が把握できる。

 切れそうな気配は全く感じなかったので、ゴリ巻きの如く、ドンドン糸を収納。


 あっさりと六十センチくらいのブダイに似た魚を釣り上げることが出来た。


 魚が擦れてないのもあるけど、簡単すぎる。


 左手の指先から、硬い針金の様な太めの糸を出し、魚を絞めておく。ついでにエラに糸を絡ませて引きちぎり血抜きをしておいた。


 早速、シェルター下に持ち帰り、貝殻ナイフで鱗を落とし、内臓を取り三枚に下ろしていく。


 貝殻ナイフは切れ味が悪すぎるので、身がボロボロになってしまったが関係ない。

 我慢できずに、身を皮から削ぎ落とし、刺身で食べる。腹が減っていたので、それなりに量を食べてしまった。


 お腹が落ち着くと、焼いて食べたくなった。


 前回失敗した火おこし道具を持ってくる。

 糸を適当に二十メートルくらい出しっぱなしにして、指先側を軸棒に数回巻きつけた。

 後は軸棒を押さえつけ、糸にテンションがかかる様に操作しながら収納すると、電動かと思うくらいの高速回転を軸棒が始めた。

「圧倒的ではないか!」


 あっという間に火種が出来、鳥の巣状の火口で包み、フーフーと息をかける。モクモクと目に煙が染みる頃、ボッという音と共に火が起きた。

 ようやく、生じゃ無いものが食える。


 焼き魚が涙が出るほど美味い。

 なんなんだ。油がこんなに美味いなんて。甘い。とにかく甘い。油最高。


 水の入った貝殻を焚き火の近くに置き白湯を作る。

 食後にお茶がわりに、冷ました白湯を啜る。

 口から喉へ、そして胃へ。内臓に沁み渡っていくのが分かる。心底ホッとする。

 この世界に来る前は食後のお茶など特に気にした事も無かったが、これは生活に必要な物だと実感する。


 辺りは真っ暗になっていたが、今は焚き火の灯りがある。


 この世界に来て初めて、眠くなるまで夜を堪能し、シェルターに戻って眠りについた。


◇ ◇ ◇


 朝になった。

 途中、蜘蛛の毒で気を失っていたため、ハッキリとした日付がわからなくなってしまったが、恐らく

十二日目だろう。

 今日からはやる事が多い。


 まずはシェルターの修理に、靴も作りたい。

 糸の能力、安直だが操糸スキルと名付けたが、これの検証もしたい。

 日焼けが地味に痛いので、上着も作りたいかな。


 シェルターを出ると蜘蛛の死骸が目に入る。

 今となっては、食べたいとは全く思わない。誰が好き好んで、あの毒状態の苦しさを味わうのか。食べようと思った自分を本当に馬鹿だと思うが、糸が出せるようになった事には感謝する。


 きちんと弔ってあげようと、崖下へ下ろし、砂浜に埋めると、いくつかの石と貝殻を糸で固定し小さなタワーにして、上に置いた。


 朝の水汲みを済ませ、昨日の魚の残りを焼いて食べる。

 昨日の焚き火は完全に消えてしまっていたため、火種から起こす必要があったが、特に問題はない。

 圧倒的火起こしでさっさと火をつけた。


 食後は白湯。焼いた中骨と少しの海水を入れて沸かすと、出汁が出てスープになった。

 あぁ、暖かい飲み物最高。


 一息ついたところで、物作りを始める。

 まずは上着から。と言っても、やっぱり蓑。これくらいしか思いつかない。

 首周りの長さくらいに糸を出し、延々と糸を結っていく。サラサラの真っ白な蓑が出来上がった。

 羽織ってみると、やけにスカスカで、地肌が見える。糸の量が少なかった様なので、気持ち太めの糸を出し、これでもかっていうくらい結衣つけてやった。

 とりあえず、直射日光からは守ってくれるだろうと思えるものができた。

 しかしこれ、誰かに見られるとイエティみたいな見た目なんで襲われそうだな。


 まぁ気にせず、どんどん作業を進める。


 靴は厚手の硬い葉?樹皮?みたいなのが漂着物にあったので、適当な大きさに貝殻ナイフで切り出そうとするが歯が立たないので、仕方なく石で叩き切っていく。

 切り出した後は、先端を針状にした糸で縫い穴を開けておき、足を包む様にガンガン縫い合わせていく。脱げるように、足首付近を緩め、一番太い糸で紐ぐつのように締めれるようにしておいた。

 ソール部分はさらに同じ素材を三重に縫い合わせておいた。

 履きごごちは最悪だが、ガビガビの剣山みたいな上を歩いても大丈夫になった。

 ただ滑るので、今後改良が必要だな。


 ここまでやって、すでに砂浜は日陰になっていた。


 日が暮れる前に魚を釣りに行く。

 靴のおかげで、足が痛く無いのは素晴らしい。


 四十センチくらいのカラフルな魚が釣れた。

 沖縄のオジサンに似てるかな。ヒゲあるし。

 正式名称なんだったかな。


 オジサンに似た魚も、滅茶苦茶美味かった。


 焼き魚最高!というか油最高!


 シェルターで横になり、フヨフヨと糸を出し、手探りならぬ糸探りでその辺にある物を持ち上げてみる。

 槍くらいなら持ち上げれたが、大きめの石とかは無理だった。


 持ち上げる力自体はそんなに無いようだ。


 そんな事をしながら眠りについた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 読み始めですがまるでスパイダーマンを 彷彿させますね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ