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正月特番Ⅱ 続編の予告編になれば良いな

 明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。

 僕はカーク・ランドール。元日本人の転生者だ。転生先はよく有る剣と魔法の世界かと思ったけど、残念、魔法は無かった。


 前世の記憶が戻ったのは二歳の時。戦争に出征していた父親が帰宅したんだ。よく生きて帰って来てくれたと歓喜、歓喜で、家族総出でお出迎えした。


 で、久々の再会にぎゅうっとハグして大号泣。

 そりゃもう、父さんは見事な泣きっぷりだった。母さんは嬉しそうに父さんの頭をナデナデしてたから、父さんが体の大きい子供に見えちゃったよ。


 僕の今世の母親は、赤毛と翠の目の肝っ玉母さん。さばさばしててパワフルで、竹を割った性格って言うの、姉御肌に見えた。

 これで威厳と男らしさが有ったら、どこぞの十二の国の女王様そっくり。あ、美貌が足りないか。


 その後、父さんは僕を抱きしめて号泣再び。父さんは体格の良い軍人だから、二歳の僕はそのまま潰されるかと思った。

 身動き取れないし、耳元で大音響で泣かれるし、走馬灯が見えそうだったんだけど、見えたのは前世の記憶だったわけ。



 

 国の名称がデルスパニア王国と聞いてもピンと来なかった。ゲームの中じゃ我が国って言うだけで、国名は出て来なかった、気がする。

 でも、父さんの出征していた戦争相手の隣国が、トマーニケ帝国と聞いて情報がヒットした。


 ここ、妹がやってた乙女ゲームの世界じゃないのか。


 タイトルは忘れた。思い出せない。ただ、ゲームの舞台になる学園に、隣国のトマーニケ帝国の皇子が留学してくるはずだった。

 

『この皇子様、私の一推しなんだ。前の皇太子の忘れ形見なんだけど、父親が謀殺されて、継承権争いで命を狙われてね、帝国の属国の学園に追いやられちゃうんだよ。皇子様ルートに入ると、帝国に凱旋して、将来は皇后陛下。バッドエンドだと、国に裏切られて、属国から帝国に差し出されて処刑されちゃうんだよね』


 戦略要素や戦闘シーンもあるから、お兄ちゃんでも楽しめると思うよって言われたけど、乙女ゲームにしちゃハードだろう。


 でもまあ、僕はモブ確定だと思う。

 ゲームには、ランドール子爵家なんて出てこなかった。


 そもそも我がデルスパニア王国は属国なんかじゃない。トマーニケ帝国よりずっと大国で、今回の戦争でも実質勝利だそうだ。

 帝国側は停戦に持ち込んで引き分けって主張してるらしいけど、勝利を主張できない時点でお(さっ)しだって。


 もしゲームの世界だとしても、他国が舞台か、年代が違うんだろう。僕の姉の名前はヒロインと同じミリアだけど、ありふれた名前だしな。


 ヒロイン、ミリア・ツオーネ男爵令嬢。一人娘で兄弟無し。

 裕福な商人上がりの家で、成り上がりっていじめられるんだ。テンプレ、テンプレ。

 女神様の啓示を受けて、国教の大司教様に聖女認定されるんだよな。攻略対象には、神聖教国元首の教皇猊下も居たっけ。


 宗教のトップがイケメンで恋愛に(うつつ)を抜かすって、ご都合主義だよな。妹にそう言ったら、だって乙女ゲームだもんと返された。

 良い歳してるんだから「もん」は無いだろ、「もん」は。






 母の実家がツオーネ男爵家だけど辺境の貧乏領主だったり、姉のミリアが聖女になったけど神聖教国なんて存在しなかったり。

 色々モヤモヤしたのは、記憶が戻ってから数年先のことだった。



 ニーナ母さんの容貌出ました。色味だけですけどね。


 続編と言うより、スピンオフのプロローグかな。これなら、異世界転生のジャンルで投稿できそうです。


 お星さまとブックマーク、ありがとうございます。今年中には完結まで持って行きたいな。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] >僕はカーク・ランドール。元日本人の転生者だ。 おいィィィ! これはもうNAISEIしてMUSOUするしかないじゃない!!
[良い点] 更新お疲れ様です。 [一言] 新年あけましておめでとうございます。 ん〜、するってえと。 姉弟揃って転生者だって事か。さすがに元の世界でも身内だったとはならないと思うけど。
[気になる点] 正月特番2ってことは1があったの?
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