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領地経営発表会 王宮へ行こう

 娘が帰省しました。もういくつ寝るとお正月(笑)

 グレーン・スミス騎士爵は、ランドール伯爵家の家臣である。

 当然、報告をする相手は伯爵家当主。オスカー・ランドール伯爵の頭越しに王家へ報告などできるはずがない。


「いや、分かりますけどね。グレーン卿は元々近衛騎士だったじゃないですか。俺よりよっぽど……」

「伯爵閣下。私はランドール伯爵家の家臣。私に対して敬語はお控えください」


 ぴしゃりと言われて、口をつぐんだ。

 でもなぁ、グレーン卿は腐っても公爵家嫡男。家督を妹君に譲ったとはいえ、国王陛下の側近を務めてらした超エリートだぞ。

 実力もオーラも、新米伯爵の俺より、ずうーっと上。我が家の代官務めてらっしゃるのは天津箱舟の職責のためなんだし、家臣扱いなんて、恐れ多くて。


「慣れていただけなければ困ります。とりあえず、領地の現状と今後の計画について、王城へ報告いたしましょう。国からの予算と援助を取り付けます。詳細につきましては、私が追加説明させていただきますので、お任せください」

「あの、全部任せちゃうのは……」

「駄目です」

「ですよねー」


 思い出すのは、トマーニケ帝国との紛争で補給部隊を率いた時。

 お膳立ては全部完了していて、お飾りの隊長やったなぁ。あれが無かったら、今も東城門の中隊長してられたんじゃないかな。

 兄貴とミリアのことは別にしてさ。


 王城の行政区画で国軍総司令部に顔を出して、国土保全省へ回ったら、王宮へ伺候せよと指示された。そのまま国王執務室に連行されて、大臣閣下が何人も招集されて、流れるように閣議が始まって。


 はい、分かります。大臣閣下は、公爵家と侯爵家の御当主ばかりでいらっしゃいます。さらに言えば、天津箱舟の職責を担っていらっしゃる皆様です。惑星開発プログラムとやらを、推進していらっしゃるんですよね。




 具体的な話には全く付いて行けないけど、ランドール伯爵領に関係する点だけは、グレーン卿が隣で注釈してくれた。


 王都から港町マイヅルまで直通の街道を整備すること。直通街道から領都キョウトまでの街道を合わせて整備すること。二つの街道は国が管理する国道になること。

 ありがたいけど、位置的にツオーネ男爵領は取り残されそうだ。ランドール伯爵家として私道を整備しなきゃ。


 トマーニケ帝国とタムルク王国が、自国の国境に一番近い海岸線で港湾開発するために、我が国に協力を求めて来たこと。将来、マイヅルとの交易拠点になるらしい。


 海峡までの広大な無人地帯の領有権、はっきり言って新しい国境線をどう引くかは、国際連携機構にぶん投げる方針。領有権争いなんて、一番戦争の原因になりそうだけど、現状では心配いらないとのこと。どこの国も開戦する意思は皆無。

 まあ、そうだろうな。『神の恩寵の運河』だもんな。ミリアが脅し、じゃなくて、忠告してたしな。


 あと、ダンジョンの利益の課税については、他の領地収入と同じ扱いで良いことになった。ランドール伯爵家が徴収して、一部を国税として上納する形だ。


 良いよ良いよ、全部グレーン卿に丸投げだから。実質、国営だしな。




「オスカー卿、領地開発はこれからが本番であろう。マイヅルの国軍駐屯地を発展させて海軍を創立する準備も有る。改めて海軍の役職に就くまで、領地に戻ることを許す」


「畏まりまし、た」




 国王陛下のお言葉に、反射的に承っちゃったけど、あの、海軍って何ですか。







 いままで、デパ国には陸軍しか有りませんでした。

 海軍と言うよりは、沿岸警備隊ですかね。仮想敵国が存在しないんだし。

 オスカー君、しばらくはランドール伯爵領に腰を落ち着けられそう。ニーナさんと子供たちは付いて行くのかな。


 これからどこへ話が転がって行くのか。お冨もワクワクしています。


 お星さまとブックマーク、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 海軍って言うより水軍か運河警備隊が妥当やろ 今まで【海】なんて有って無いようなもんやったし(棒 いやまあ、湖や川しか無いのに海軍名乗らせてる国も無くは無いが・・・ モンゴルもそうだったらしい…
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