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IF もしテイラム君が本物の王子様だったら 報告 その二

 おまけです。オスカー君、行政官としての手腕も注目されそう。


 今回、テイラム君あんまり活躍しなかったけど、どこで何してたのかな(笑)

 御報告申し上げます。タムルク王国との講和は、無事に成立いたしました。これも国王陛下の御威光の賜物と存じます。

 はいはい、分かっていますよ兄上。それでも、一応は形から入るべきです。


 相互不可侵条約を盾に、デパ軍の完全撤退を飲ませました。まあ、駐留を長引かせて反乱鎮圧に利用したがってましたけどね。迷惑かけられたのは我が国なんですから、付き合う義理はありませんよ。

 賠償金を請求しないだけ有難く思って欲しいですね。


 通商条約は、ちゃんと関税自決権を渡しときました。これで他国から不平等条約と非難されることは無いでしょう。詳細はもうお手元に届いてる筈です。大丈夫ですよ、我が国の権益は確保しときましたから。


 我が国の身分証を持った商人は、タムルク王国内を自由に通行できます。関税と通行税を徴収できるのは国だけ。各貴族領はフリーパスです。これでかなり有利に立てます。

 ええ、その内、貴族の通行税の徴収権は廃止されるでしょうね。でないと、我が国の商人が流通を牛耳ることになりますから。痛みは伴いますが、流通がかなり改善されるはずです。




 オスカー・ランドール大将は、ですねぇ。

 まさか、あそこまで動くとは予想外でした。占領地が想定以上に安定したと言うか、安定し過ぎたと言うか。

 五州に属する村落全てへ食料を配布するなんて、彼でなければ不可能ですよ。本人は、仕組みを作っただけで実務は任せきりだったなんてほざいてましたけどね。

 各騎士団から派遣された工兵を仲違いさせることなく組織して、補給道を作り上げただけでも勲章物です。その上、公共事業に仕立て上げて退役兵の雇用確保まで成功させました。


 覚悟していてください。占領していた地域から、我が国へ編入して欲しいという要望が事あるごとに()がってきますから。


 移住希望者については、我が国が完全に主導権を握りましたよ。タムルク国は口を挟めませんから。

 受け入れは、ランドール伯爵領が一手に引き受けます。あの立地なら隔離場所として有効でしょう。すぐに伯爵領に相応しい人口に届くと思われます。


 ええ、ええ、五千年間停滞していた惑星開発プログラムが本格始動するんです。どれだけの成果が実現するか。ワクワクが止まりませんよ。


 期待していてください。





 オスカー君の懐柔力、モデルがあります。

 昔々のアメリカのビジネススクールの一コマ。実際に起きたビジネストラブルをモデルにしたロールプレイの授業があったそうな。

 当時開発競争のさなか、新しい半導体を開発した設計者と、現場の工場長の二人。製造開始前に他社がより高性能で安価な製品を販売するとの情報が入りまして。


 設計者は製造中止を上から目線で命令するし、工場長は自分の責任じゃないから予定通り製造するの一点張り。責任の押し付け合いでどうやっても交渉決裂。


 そこで日本人生徒が設計者役をやったら、円満解決してしまって、教授は絶賛、工場長役の生徒はキツネに化かされた有様でなぜこうなると頭をひねったそうな。


 そりゃあね、マウント取りあって言うことを聞かせようとするアメリカ流と、相手に感謝と尊敬を示して協力を求める日本流じゃね。結果が違って当たり前でしょう。


 世間の常識はどんどん変化していきますが、代わって欲しくない物だって有ると思います。



 お星さまとブックマーク、ありがとうございます。楽しんでいただければ嬉しいな。


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[気になる点] たびたびIF話が入りますが、IFってことは作者様的には読み飛ばしても大丈夫だという認識でしょうか? 読んだ感じ、思いっきり本編に食い込んでいて読まなかったらわからなくなる点が多々あると…
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