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彼は男爵家の後継者に成りたいだけだった  伯爵? 公爵? 無理無理無理!   続編も始まったよ  作者: お冨
第七章 オスカー・ランドール伯爵

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ツオーネ男爵領へ

 昨日おとといの大雨で、被害が出てます。木曜日には自治体から避難指示が出て、職場のスマホが一斉に鳴り出しました。緊急連絡、あんな通知音なんですね。



 感想でご指摘いただいたので、ランドール子爵領の人口を五万人に訂正しました。確かに、三十万人だと、小規模ながら領軍編成出来ちゃいますもんね。

 ありがとうございます。



 雨の被害、JRと高速道路と国道、全滅って豪雪の時よりひどいです。北陸と関西が分断されてしまいました。

 一日も早い復旧を願ってます。

 とりあえず、実家で一泊して新しいランドール伯爵領へ向かうことにした。

 この目で見てみないことには何とも。ついでにツオーネ男爵家に挨拶しておかないと。

 俺からだけじゃなくてニーナにも手紙出してもらってるけど、何かなぁ。不義理ばかりしてるしなぁ。最後に顔出ししたの、何年前だろ。


 子爵領を通っている街道を一時間ほど進んで、右に曲がる。小さめの村に着いたらそこで左に曲がって、川を渡ったら今度は右。

  曲がるたびに道が細くなって、最後は馬車一台やっとの道幅になった。


 上の兄貴の葬式の後、この道をデイネルス侯爵家の馬車で爆走したんだよな。今思うと、良く脱輪しなかったものだ。さすがは侯爵家お抱えの御者、腕が半端ない。

 ウチの馬車の方が小型で幅も狭いけど、爆走は無理。ゆっくり走らせなきゃこの道は通れない。俺が保証する。

 まぁ、この道を普段使うのは行商人の荷馬車くらいだから、この道幅でも別に良いんだけどさ。ランドール伯爵領へ続く唯一のルートだと考えると、改修が必要になるかも知れない。


 馬を休めてテイラムとそんな雑談してたら、左手首に巻き付いているベルトが断続的に振動しだした。ミリアに渡された『スマホモドキ』だ。


『お話し中、失礼します。合流しても宜しいでしょうか』

「あ、はい、どうぞ」


 ここまで来ると人目なんて無いし、近衛騎士の皆様が御一緒してくださっても問題ない。


「離れてても直接話せるって、ホントに便利だよね。しっかり使いこなせるようになってねー」

 テイラムがケラケラ笑った。




 馬車には狭い道だが、騎馬なら余裕だ。平野から起伏のある台地に上って、山岳地帯手前の小さな村に到着した。ここがツオーネ男爵領唯一の村だ。

 男爵領に相応しいだけの広さは有るが、起伏のせいで(まと)まった耕作地が無い。麦を作るだけでは食料が足りず、放牧を主体とした牧畜でなんとか生計を立てている。

 運搬に難が有るので、生乳や精肉は行商人に引き取ってもらえない。チーズやソーセージのような加工品で、生活雑貨と物々交換しているのが実態だ。


 ランドール伯爵領はここより僻地なんだよな。伯爵家の体面、何とかできるんだろうか。

 ちょっと暗い気持ちになりそうな自分を叱咤して、村の中に馬を進めた。


 村人たちが、お帰りなさいと声を掛けてくれる。婿養子としてツオーネ家に居たころは休暇のたびに帰っていたから、みんな顔馴染みだ。すごく落ち着く。


 そうなんだよ。俺はツオーネ男爵に成りたかったんだよ。これくらいが分相応で居心地良いんだよ。子爵家当主でさえ持て余し気味なのに、伯爵家って、嫌がらせにしか思えないんだけど。


 俺の後ろから、きゃあきゃあ騒ぐ声があがった。

 そりゃそうだろ、近衛騎士のご一行なんだ。村ではちょっとお目にかかれない貴公子、それが五人。騒ぎになるに決まってる。

 娯楽の少ない田舎だからな。その内噂を聞きつけて、村人全員大集合だ。




 俺は別に着いて来てくれって頼んでませんからね。自業自得だと思って、村の一大イベントの主役を務めてくださいね。




 だんだん細くなる道。イメージはぽつんと一軒家のロケです(笑)


 お星さまとブックマーク、ありがとうございます。明日はツオーネ男爵との久々の対面かな。

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