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彼は男爵家の後継者に成りたいだけだった  伯爵? 公爵? 無理無理無理!   続編も始まったよ  作者: お冨
第五章 オスカー卿 困惑す

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ミリアちゃん 試合を見る

なんだか雑談回になりました。王太子殿下と打ち解けています。

「ふうん。目的と手段は、ちゃんと意識してるのね」

「勿論です。人類存続のためには、天津箱舟が存在しなくても問題ない文明を確立しなければなりません。いずれ、天津箱舟は次の植民惑星を探して旅立つことになるのですから」


 娘のミリアと王太子殿下の会話が、問答じみてきた。

 なんだか二人の世界を作ってないか。内容は甘酸っぱさとは程遠いけど、見た目だけなら爽やか貴公子と愛らしい貴族令嬢になってて、なんだか危険な気がする。


「この地のために天津箱舟を使うとしたら、緊急避難としてですね。大陸移動、氷河期に太陽活動の激変、小惑星の衝突、地軸の転倒、人類滅亡の危機はいくらでも有りますから」

「それって、万年単位の話じゃない。随分気が長いのね」

「四季が有れば必ず冬が来るし、晴れた日が有れば雨の日もある。嵐だって来ますよ。昼がどんなに明るくても夜は来る。気候は変動するのが当たり前、その前提で動いて何が悪いんです」

「うわ、反論できない」


 話のスケールがおかしい。ミリア、どうして殿下の話についていけるんだ。


「まあ、天津箱舟に保存されている(いにしえ)の文化を再現するのは、問題ないと思いますが。直接、人類存続に係わることは無いですし」

「あら、そうでもないわよ。文化は社会意識に影響を及ぼすわ。競争意識が暴走して戦争が当たり前の社会になったら、武器の開発競争の果てに人類滅亡につながる大量破壊兵器が出現するわよ。争いを避けるのんびりした文化が当たり前なら、そんな事にならないでしょ」

「そうなんですか」

「そうよ」

「では、戦争を起こすような国家は消滅させるべきでしょうか。あるいは統一国家を作って平和のもとに支配するか」


 王太子殿下、なに物騒な事言ってるんですか。後ろの近衛騎士の皆様、そんなやる気に満ちた顔しないで下さい。


「あのね、社会から競争意識を奪ってどうするの。そんなの、停滞じゃない。平和で支配って、それ、デストピア一直線よ。要は競争意識を暴走させなきゃ良いの。いろんなコンテストを開いたり、プロスポーツ振興したりして、優勝者に名誉を与えれば良いのよ」


 ぷろすぽーつ? 何だそれ。


「ルールに(のっと)った非殺傷の競技。それがスポーツだから。国際大会なんて、国の威信を背負って激突するから。映像データ残ってない、見たいんだけど。サッカーのワールドカップとか有ったら見せて」


『データリストを表示します。再生データ指定願います』


 天井から声が降って来た。これ、説明にあった御神託か。何を言っているか分からん。これって、神代古語なのか。

 気が付いたら、目の前のテーブルが光っていた。四角く縁どられた光の中で、小人が踊っていた。なんだこれ。


「すごーい、3Dアニメーションだ。うわあ、カッコイイ」


 ミリアが大はしゃぎして、これがすぽーつだと力説していた。






 ミリア、父さんは精神的にいっぱいいっぱいだよ。頼むから一休みさせてくれ。 











 うう、短い。でも、人間関係って、雑談も必要ですよね。オスカー父さん、王太子殿下相手に不敬だとミリアちゃんを諭したいんですが、口を挟めません。


 お星さまとブックマーク、ありがとうございます。次こそ、表の話に行きたいな。

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