表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/119

伯爵のお願い

 pixivの銀英伝の二次創作に、むかーし昔出した同人誌が投稿してあります。興味のある方はどうぞ。タイトルは「皇帝ヤン」です。

 今とあんまり変わらない粗だらけの文章で申し訳ございません。我ながら進歩が無い(;^_^A

 王弟殿下の指示で、軽食が用意された。王の御前扱いなのではとお聞きしたが、休憩中だから問題なしと太鼓判を押していただいた。

「さすがに退出は許可できないが、なあに、腹ごしらえぐらい構わんさ。茶菓子がサンドウィッチになっただけだし、大して変わらん」

 すっかり冷めてしまったお茶を入れ替えて、侍女の皆様方が退出していく。

 ありがたく一息入れさせてもらった。後ろで立ちんぼのテイラムには悪いが、軍人は護衛中の飲食不可だから、我慢してくれ。



 改めて、伯爵からの説明の続きを聞く。

 膝を突き合わせての長話、さすがに王族の御前ならではの緊張感だって薄れてくる。相手が王弟殿下だしな。伯爵の口調も砕けてきた。


 伯爵家の長女は女伯爵の嫡子で、侯爵家の嫡男に第二夫人として嫁いだ。その後代替わりして、現在は侯爵家当主第二夫人。 

「侯爵家は男系家族でな。第一夫人が男子二人を(もう)けていたこともあって、我が娘の産む子は男女関わらず、伯爵家の後継として引き取る約束になっていた」

 成人まで生きられるか分からないと言われていた長女だけど、無事、男子を出産、将来のバルトコル伯爵に確定した。めでたし、めでたしだ。

 ところが。


「第一夫人の産んだ次男は、サリテムル騎士団の中隊長だった。トマーニケ帝国との戦役の折には、オスカー卿、貴殿と同じ戦場に立っていたそうだ」

 そうなんだ。うーん、覚えがない。面識が無かったか、すぐ忘れる程度だったとしか……。


「残念ながら、去年、戦死された」

 去年サリテムル騎士団が動いたのは北方だったか。中隊長の戦死とは、厳しい戦闘があったんだな。


「それは、お悔やみ申し上げます」

「感謝する。侯爵家に成り代わり、悔やみを受けよう。それで、実は侯爵の第一夫人は元公爵令嬢でな。その長男は公爵の甥にあたる」


 ん? 何でここで公爵家が出て来るんだ。


「長男は、子宝に恵まれなかった公爵家の後継として指名を受けてしまった。侯爵家から公爵家、家格は相手が上、断ることは出来ぬ。さいわい、侯爵家には第二夫人の産んだ男子が残っている」


 それって、まさか。


「我が長女の産んだ男子は、侯爵家の後継になった。バルトコル伯爵家の後継には()れぬ」 


 伯爵家の二女と三女は、第二夫人の娘。それぞれ別々の伯爵家当主に嫁いでいる。残念ながら、子供は生まれていない。

 四女がキャサリン義姉さん。母親は元平民の第三夫人。一番格下の子爵家に嫁いだ。そして、男子を産んでいる。大事な大事なランドール子爵家の跡取り、マーク・ランドールだ。


「虫のいい話だとは、解っている。どうか、どうか、バルトコル伯爵家を助けてはくれまいか。この通りだ」

 伯爵はテーブルに両手をついて、勢いよく頭を下げた。




 バルトコル伯爵が、押しつけがましく上から目線で、

『兄の忘れ形見など邪魔だろう。引き取ってやるから自分の息子を子爵にできること、感謝するがいい』

なんてふざけたことを言ってきたなら、俺はきっぱり断っていた。

 いや、今だって、突っぱねたい気持ちでいっぱいだ。


 だけど、な。話してみて分かったけど、バルトコル伯爵自身は、悪い人じゃないんだよ。不器用だし、要領悪いし、元々が男爵家次男で伯爵家に婿養子なんて無茶振りされたもんだから、いっぱいいっぱいだったんだろうなって解っちゃうし。


 陛下、伯爵の話を聞いた上でどう判断するかは俺の自由だっておっしゃってたけど、これ、選択の余地ってあるんですか。

 第一夫人の子が格上の家の跡取りになったから第二夫人の子を自家の跡取りにするって、そりゃ、一番(おさ)まりが良いでしょうよ。侯爵家がそうするなら文句は無い。

 だけどランドール家が同じことする義理があるか。マークは俺の大事な長男なんだ。差し出したりしたくないんだよ。


「どうか、どうかお願いする。我が娘キャサリンは、平民を母としている。だが、正式な伯爵家第三夫人の産んだれっきとした伯爵令嬢。庶子を挟んではいるが、先代伯爵の直系。分家の出の私よりよほど正しい血筋なのだ。女伯爵として、バルトコル家に戻ってもらえないだろうか」


 え、マークじゃなくて、キャサリン義姉さんなの。


「オスカー卿は、押しも押されもせぬ救国の英雄、バルトコル伯爵として申し分なし。ランドール子爵家当主に対して言うべきではないと承知しておるが、そこを曲げてお聞き届け願いたい。この通りだ」


 え、俺が伯爵って、えええええっ。






 今日、原稿書いてたら、突然ネットと繋がらなくなりました。設定見てもトラブルシューティングしても、ネットに接続されていませんと出るばかり。

 結局、ルーターのコンセント引っこ抜いて数分後に差し直すという、アナログな方法で復旧しました(笑) 一応、マニュアルに従った処置なので、ご安心を。


お星さまとブックマーク、ありがとうございます。いいねが励みです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] >ルーターのコンセント引っこ抜いて数分後に差し直すという、アナログな方法で復旧しました 二週間くらい前のことですが、ウチもネットが固まりました。 パソコンの再起動にルーターのリセット(コン…
[一言] ( ゜Д゜)こいつらマンドクセー
[良い点] 更新お疲れ様です。 [一言] 何が何だか…。 一度頭の中で話を整理する、みたいな展開を希望します。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ