表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/119

IF もしテイラム君が本物の王子様だったら 報告

 カーリング日本女子、ロコ・ソラーレが銀メダル取りました。ライブで見ながら書いてました(笑)

 ただいま帰還いたしました、国王陛下。御前にて御意を頂けますこと、恐悦至極に存じます。


 ああ、そんな顔をなさらないで下さい。かなり情けないですよ、兄上。


 いやだから、そんなにご自分を責めなくて良いんです。気に病まないで下さい。はっきり言って、鬱陶しいです。私は今の境遇に満足しています。自由を与えて下さったこと、感謝申し上げております。


 だーかーらぁ。

 過保護だって言ってるんです。何もキリー卿やゼルム卿を(よこ)さなくったって良いでしょう。どこの世界に近衛騎士に護衛される一般兵が居るんですか。オスカー隊長を誤魔化すためにどれだけ苦しい設定作ったと思ってるんです。




 もう良いです。報告しますよ。


 オスカー・ランドール少佐は、本当に野心がありません。ゼルム卿が水を向けたんですが、近衛兵になる気はゼロでした。王宮内に伺候する気は有りません。


 ついでにバルトコル伯爵家をどう思っているのか確かめたんですが。あれはねぇ。

 ランドール家が元々バルトコル家の分家だったことも知らなかったし、知ったところで遠い親戚あつかいでしたよ。

 デイネルス侯爵家を引き合いに出して、近い姻戚と遠い血縁呼びしたら、それで納得してました。

 自分がバルトコル伯爵の娘婿と知ってはいても、理解していないんでしょうね。義理の息子で、姻戚どころか家族枠になるって言うのに。

 あいつにとって、キャサリン夫人は未だに兄嫁のままなんですよ。


 ええ、あいつがバルトコル伯爵に取り入る可能性はゼロです。デイネルス侯爵を自分から利用することもないでしょう。

 放っておいたら、嬉々として城門警備中隊へ戻るでしょうね。



 指揮官としての資質は、天才級です。参謀陣がそろっていれば、百戦百勝も夢では無いレベルです。身贔屓でもほめ過ぎでもありませんよ。


 まず、あいつは優秀な部下に嫉妬しません。むしろ、仕事を丸投げできてラッキーと能天気に笑うやつです。部下の功績を横取りすることもない。それどころか、部下が気持ちよく働ける環境を作る手腕は見事の一言です。

 騎士団同士の競争意識が強すぎて、弊害が出ているのは御存じでしょう。末端兵士になると険悪を通り越して目の敵にしていますよ。三騎士団そろったら、乱闘騒ぎが起きかねないレベルです。なのにあいつは、初対面同士の負傷兵をまとめ上げて自主的に協力体制を取らせたんです。

 ご存じですか。王都警備隊内でも、下級貴族と平民の間に反目があるのに、そこにあいつが入ると、和気藹々(わきあいあい)とした仲間意識が生まれます。

 男爵家への婿入りで中隊長に昇進した時も、仲間内からは祝福とからかいがあっただけで、やっかみや嫉妬はありませんでした。

 あれは一種のカリスマですね。魅了魔法でも使ってるんじゃないかと思いますよ。


 それだけではありません。補給線に敵襲があると先読みして、負傷兵を原隊へ伝令に出して逆襲を依頼してました。護衛ではなく、逆襲です。補給部隊を囮に使ったんです。

 なのに「さすがは騎士団、助かった」の一言で済ませる奴です。参謀の才があると誇れば良いものを、それをしない。


 カスム渓谷、ドーテ山の夜襲、イワイナ隘路、タルブ盆地。敵の意図を看破しまくって、数え上げたらきりがない。にもかかわらず、どういう訳だか自分のことを才能の無い凡人だと思い込んでいて、自己評価が極端に低い。


 何より、天津箱舟のさわりを話したのに深入りしてこない。

 ああ、お叱りは後で受けますよ。大丈夫、オスカー・ランドール少佐は信頼に値します。キリー卿とゼルム卿も同意見です。


 ですから、多少強引にでも昇進させて、国家の中枢に引っ張って下さい。野放しにしておいたら、無自覚に何をやらかすか予測のつかないやつです。

 天津箱舟と近衛騎士の関係を承知している者を監視下に置くと言えば、反対は無いでしょう。

 

 そのためにわざと秘密を洩らしたのかと言われましても。

 さあ、どうでしょうかね。どう答えても深読みなさるでしょうに。





    ああ、監視役はこれからも私が勤めますから、ご心配なく。


 







 バルトコル伯爵家を遠縁呼ばわりしていたオスカー君。娘婿、義理の息子という立場を忘れていたのはお冨です。

 でも、どこからも突っ込みが無かったのは、オスカー君の納得が自然すぎたからでしょうか(笑)


 次回から、ようやくタイトルにある伯爵編に入ります。ですが、時間軸で悩んでいます。

 論功行賞直後の戦勝パーティーからにするか、まどろっこしいからさっさと数年スキップするか。どちらも一長一短です。


 お星さまとブックマーク、ありがとうございます。いいねの数が輝いて見えます(笑)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 奇襲防ぎまくってたんかいw そら「逃がさん…お前だけは…」になるわw
[良い点] 更新お疲れ様です。 [一言] 「おお、そうだったのか!」 と驚くべきか?それとも 「やはり、そうだったのか!」 と頷くべきか?
[一言] 本編が権謀術数に塗れてたのでオスカーの評価が見れて助かる。 オスカー本人の言だとちょっと運良く看破したくらいなのかなって思ってたらお前お仕事しまくってんじゃねーか!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ