ミリアちゃんにお手紙着いた
ちょっと、別視点挟んでみました。ニーナさんはパワフルな癒し系(笑)
太平洋側は津波で大変でしたが、明日からは、日本海側の雪が大変な事に。日本って、本当に災害が多い国ですね。
「母さん、父さんからお手紙来たの」
ぱたぱたと部屋へ走って来たミリアに、キャサリンさんが声をかけた。
「はしたなくてよ。ミリア。ご挨拶は」
ミリアは悪戯が見つかった時の顔をして、立ち止まった。すっと背を伸ばして、淑女の礼をする。
「ごきげんよう、お母さま」
「ごきげんよう、ミリア。大変良く出来ました」
キャサリンさんが、お手本のような礼を返してから、とっても素敵な笑顔でミリアの頭を撫でた。
キャサリンさんはバルトコル伯爵の四女。
なかなか男子に恵まれない伯爵が今度こそと第三夫人を迎えて、生まれたのがキャサリンさん。ずっと要らない子扱いされていたと聞いて、私は素で怒り狂ってしまった。ちょっと、いや、随分はしたなかったと反省してます。
私のために怒ってくれてありがとうと涙ぐみながらお礼を言われて、私も泣いてしまった。
「正直に言って、私、子供とどう接して良いのか分からなかったの。私自身が乳母とメイドに育てられて、両親とは疎遠だったから。貴族の教養だけは家庭教師に習ったけれど、先生方とは授業以外の交流は無かったし」
だから、子供と一緒に泣いたり笑ったり、おやつを食べたり、取っ組み合って遊んだりすることを、ランドール家に来るまで知らなかったそうだ。
「そんな勿体ない。子供はすぐ大きくなってしまいますよ。抱っこもおんぶも、絵本を一緒に読むのも、小さい時にしかできないのに」
私は、キャサリンさんを巻き込んで、子供たちを思いっきり甘やかした。
子供たちと過ごすことで、キャサリンさんは疑似的にだけど、自分の子供時代をやり直すことができたんじゃないかな。大人しかったマーク君が、キャサリンさんに駆け寄って「ははうえ~」と抱き着いた時は、嬉しくてこっそりガッツポーズしてしまったほどだ。
もちろん、甘やかすだけでは子育てはできない。平民の常識や貧乏男爵家必須の畑仕事、料理に掃除に家事一般は教えられても、私に貴族の教養は手に余る。貴族学園で落第ギリギリだったのは伊達じゃない。自慢にならないけどね。
キャサリンさん、さすがは元伯爵令嬢、淑女の立ち振る舞いや礼儀作法は完璧で、ミリアのマナー教師を引き受けてくれた。ありがたくて、頭が下がります。
そんなこんなで、私とキャサリンさんは役割分担しながら、仲良く暮らしている。高位貴族の第一夫人と第二夫人では絶対に有り得ない関係ねって、お義母さんも笑ってる。
だからね、オスカー、旦那は元気で留守が良いんですよ。
実家の事は心配しないで。成るようにしか成らないから、今から気を揉んでも気にするだけ損よ。
伯父様が届けて下さったお手紙は、大好きな父さんからだった。
今度、子爵家当主になることになって、国軍の大事な任務があるから、しばらく帰れなくなったって。母さんとお母さまの言うことをよく聞いて、マーク兄さまと仲良くして良い子にしているんだよって。愛してるって。
長期出張、頑張って下さい。
物心ついたころから、父さんは単身赴任だった。この世界には単身赴任って言葉は無いけどね。たまに帰って来た時、父さんの軍服を見て、私は前世というものを思い出した。
だって、軍服の肩章、『大尉』って漢字で刺繍してあったんだよ。漢字で。
隣に座った父さんの肩章をじっと見ていたら、笑って教えてくれた。これは戦いの神「ミリオタ」様から授かった、大事な武人の文様なんだって。このシンボルマークにはちゃんと意味があって、決まった階級の者しか身に着けちゃダメなんだって。
いやそれ、階級章だから。ミリオタ様って、ミリタリーオタクの略だよね。それが通じるのは日本だけだよね。
私は慌てて神話を調べ始めた。まあ、絵本やお話をねだったんだけど。
昔々、この地に神様が空を飛ぶ船で降りてきた。神様の国は、天の上にあって、「アマノガワギンガ」という名前だった。色々な神様がいて、言葉や文字を教えてくれたり、作物や家畜を授けてくれたり、法律を作ったりして、新しい国を作った。
我が国の王家や高位貴族は、みんな神様の子孫で、「ジンルイソンゾク」という使命がある。「ジンルイソンゾク」がどういう意味かは、王家にしか伝わっていない秘義で、それを護っているから王家は貴い。
剣と魔法のファンタジーじゃ無かったんですね。異世界じゃなくて異銀河って、SFだったんですね。
ちなみに、スペース・ファンタジーとサイエンス・フィクション、どちらなんでしょうか。
なかなか話が進まないので、面倒になったわけではありません(笑)
今日、ガラケーからスマホに乗り換えました。初めてのスマホ割とか、一番安い機種とか、格安プランとか……新しい機種代込みで、ガラケーより若干安くなりました(笑)
お星さまとブックマーク、ありがとうございました。




