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彼は男爵家の後継者に成りたいだけだった  伯爵? 公爵? 無理無理無理!   続編も始まったよ  作者: お冨
第十章 新しい生活

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休暇旅行は王都へ

 来年開業の新幹線、新しい駅舎が完成したと、ローカルニュースで盛んに取り上げてます。


 新幹線は良いけど、今走っている大阪や名古屋直通の特急はどうなるんだろう。廃止になったら不便どころじゃ無いんですけど。

 ごたごたが続く毎日に、ニーナが休暇を勧めてきた。

「一日で良いから、完全休養日作りなさいよ。ここのところ働きづめでしょ」


 確かに。自覚は有る。


 俺が司令長官を務める海軍は、既存の国軍全てが所属する陸軍と肩を並べるんだよな。組織図上は。

 船員、艦船の整備士、軍港職員、後方支援部隊、全部合わせてようやく騎士団一つ分の規模しかないけど、総司令官の職務ってやつは、部下の人数に関係なく発生する。普通の騎士団長よりずっと忙しい。


 加えて、ランドール家当主としての務めがある。

 領政は担当の部下たちに丸投げしてるけど、報告を受けて最終決裁できるのは俺だけだ。

 一応、休日は有るが、何やかやと細かい仕事の連絡が入って来て、結局、働きづめになってしまってる。


「ウォーター・リニア新幹線に乗れば、王都まで半日かからないんだから。でもそうねぇ、家に帰っても煩わしい仕事が追っかけて来るし、いっそエザール義兄様の所へ避難させていただいたらどうかしら。あそこなら、面会謝絶できるわよ」


 面会謝絶。なんて魅惑的な言葉だろう。


 そうだよな、過労は良くないよな。

 リアーチェ義姉様だったら、王家や他家のご当主連中だって撃退していただけるよな。

 怖いけど頼りになるよな、義姉様。


 多分、疲れが溜まり過ぎて、正常な判断が出来てなかったんだ。

 まさか自分からデイネルス侯爵邸に行きたがる日が来るなんて、我ながらどうかしてたよ。




 デアモント公爵家が国家プロジェクトとして推進している新幹線は、キョウトと王都を直線で結ぶことから始まった。

 新幹線専用の車体? 船体? ミリアは列車とか客車、貨車なんて呼んでたビートバン仕様の乗り物が、余裕を持ってすれ違えるだけの幅で造られた運河。

 その上を猛スピードで駆け抜ける、いくつも連結された車体。

 確かに列車って名前がしっくりするな。


 ランドール公爵領の領都キョウトに建築された巨大ステーション。ウォーター・リニア新幹線専用の駅だ。

 ここで目的地ごとの料金を先払いして、搭乗許可証を購入する。許可証は到着した駅で回収される。料金の過不足が有ったらそこで清算することになる。

 なかなか先進的な仕組みだけど、ミリアの前世、神代ニホンにも有ったそうだ。


 搭乗許可証は結構な値段だ。それでも、乗合馬車の料金と途中の宿泊代を合わせたよりも安く済む。

 何より王都までたったの三時間。素晴らしく便利だ。

 貴族仕様の豪華な馬車を連ねての移動になんて、もう戻れないよ。



 終点、王都駅に到着。

 と言っても、王都を囲む城壁の外だ。新幹線用の運河を通す必要が有るんだから、城壁壊して王都の中まで引き込むのは無理ってものだ。


 王都駅の玄関を出たところに、乗合馬車の停留所が有る。そこで貴族街経由の馬車に乗った。

 ニーナと二人、久々の庶民旅行、満喫中。


 良いじゃないか、休暇中なんだし。使いを出して迎えを呼びつけるのだって手間だし。

 ランドール公爵家の紋章付きの馬車なんて、公式行事の時でもなけりゃ、乗りたくないです。









 たまの息抜きは必要ですよ。新幹線の施設内なら治安の心配は無いですし、護衛も付けております。スマホモドキで王都には連絡済。警備体制は万全ですのでご安心ください。

 ああ、ご本人には報告しておりません。お忍びを邪魔するのは野暮と言うものですよ。

 では、よろしくお願いいたします。



 最後の連絡、誰から誰に宛ててのものかな(笑)


 お星さまとブックマーク、ありがとうございます。王都に着いたら、いよいよデイネルス侯爵邸訪問イベントです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 新進気鋭の公爵様なのに庶民気質が抜けてないwww まぁ、元々田舎男爵の入婿で満足してた人だからなぁ [一言] 通話の主は代官から副官へかな
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