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彼は男爵家の後継者に成りたいだけだった  伯爵? 公爵? 無理無理無理!   続編も始まったよ  作者: お冨
第十章 新しい生活

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政略結婚に愛はあるか

 キャサリン義姉さんサイドで書こうか、オスカー君視点で書くか、迷いました。キャサリン義姉さんの人生も、結構な波乱万丈です。

 卒業式会場の講堂から出て、マークを待つ。

 卒業生は今日の主役だからな。級友と最後の別れを惜しんでいる邪魔はしたくない。


 マークは本当に良い子だ。良い子過ぎて心配になるくらいに。

 俺は父親役をちゃんと務められただろうか。軍務にかこつけてほとんど家に帰らなかったし、家のことはニーナとキャサリン義姉さんに任せっきりだったし。うう、考えれば考えるほどダメな父親だった。


 周囲からチラチラと視線が送られてくる。

 貴族学園だからな。集まった父兄は大半が貴族だ。聖女とお近付きになりたいんだろうが、ガッチリ近衛騎士がガードしてるもんで二の足を踏んでいるんだ。今に始まったことじゃないから、俺でも分かる。

 そんな中で、真っすぐこっちを目指してくる貴族が一人。堂々とした押し出しの人物に、伯爵位以下の父兄が、自然に道を譲っている。


「御意を得ます、聖女様。本日は兄君のご卒業、誠におめでとうございます」


 ブレませんね、デアモント公爵閣下。先ずはミリア優先ですか。


「ランドール伯爵、久しいな。領地は順調かね」

「お陰様をもちまして。公爵閣下におきましてはお変わりなく」


 一応敬語は使っているけど、公爵と伯爵の会話としてはかなり砕けた物言いだ。マークのことがあって、身内扱いしていただいてるからな。

 本来ならガチガチの形式ばった会話になるし、公式の場だと、そもそも声をおかけできない。会話など()っての(ほか)だ。




 俺が伯爵領に掛かりっきりになっている間、王都の伯爵邸はキャサリン義姉さんに任せていた。

 マークは貴族学園の寮住まい。平日はキャサリン義姉さん一人になる。そこに足しげく通ってたのが、目の前の公爵閣下。

 王都の貴族街だから、近所っちゃあ近所。十軒隣がデアモント公爵邸だった。侯爵邸以上は、一つ一つが馬鹿でかい敷地だから馬車が必須の距離だけど、一応、近所で間違いないよな。


 デアモント公爵は、次期当主としてマークを引き取りたい。ただし、マークが学園を卒業するまでは協議をしないと決められている。ならばと始めたのが顔見知りから始めましょう計画だったわけで。

 顔見知りからお友達、お友達から交際へと口説きに口説いて、とうとうプロポーズ大作戦決行まで二年と半年。これが長いのか短いのかは判断が分かれるところだ。


 キャサリン義姉さんは、形の上では俺の第一夫人だ。伯爵家の正妻を口説くのは不倫でしかない。そんなことになったら、上級使用人が不埒者の排除に動く。

 そこをねじ伏せたのが公爵家の権力のすごいところだ。


 もちろん、公爵は節度ある態度を崩さなかった。伯爵邸に訪問する際は、必ず複数の使用人の立ち合いを申し出た。交友から交際にランクアップする時は、わざわざ自身でランドール伯爵領まで出向いて、俺に許可を求めてきた。プロポーズする前には、改めてもう一度。


 てっきりマークを手に入れるために、キャサリン義姉さんとの政略結婚を狙っているのかと思ったんだが、公爵は否定した。

「結果的にそうなることは否定しないが、私は本気で惚れておるのだ。マーク卿を引き取るだけなら、ご夫人を口説く必要はあるまい」

 続けて告げられたのはキャサリン義姉さんへの惚気。どんなに素晴らしい女性かを、これでもかと俺に説明してくれた。


 俺、形だけとは言え、キャサリン義姉さんの夫なんだけど……。


 どう判断して良いか分からなくて、テイラムに相談した。テイラムはデアモント公爵と二人きりで長々と会談してきた。


「良いんじゃない。公爵、あれは本気だよ。キャサリン夫人次第だけど、悪い縁だとは思わないよ。むしろ政略としては上々じゃない。再婚相手の連れ子を跡継ぎにするなら、四代前の契約結婚の条件履行っていうより自然でしょ。マーク君と夫人を引き離さずに済むしさー」


 それはそうなんだけど。キャサリン義姉さんには幸せになって欲しいんだよ。条件が良すぎて、かえってキャサリン義姉さんに強要することになりそうで心配なんだよ。


 そのあたりのことを正直に全部手紙に書いて、キャサリン義姉さんへ送った。直接話すと忖度されそうで、そんな必要ないからって書き足しておいた。


 返事は、ちょうど長期休暇中だったマークが届けてくれた。

 思春期の息子に母親の再婚話って、お互い微妙だったんだけど、マークは母上次第で受け入れるつもりだと言った。

 マーク、本当に良い子に育ってくれた。良い子過ぎて、無理をしてないか父さん本当に心配だよ。


 キャサリン義姉さんの返事は、考える時間をくださいだった。俺は改めて義姉さんの幸せを第一に考えてくださいと書き送った。








 今日、マークは学園を卒業した。それに合わせて、キャサリン義姉さんの結論が出る。

 デアモント公爵は平静を装っているけど、これからプロポーズの返事を貰うんでしょ。いつまで余裕綽々でいられるかな。


 







 父兄のチラ見の原因、ミリアちゃんよりオスカー君だったりします。救国の英雄(笑)で、注目度ナンバーワンのランドール伯爵領の領主ですからね。滅多に領地から出てこないし。

 そこら辺の自覚皆無なのがオスカー君クオリティーです。


 お星さまとブックマーク、ありがとうございます。リアーチェ義姉様の子供の登場は、もう少し先です。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 [一言] なんだか登場人物が分からなくなってきまして。 主要な登場人物だけでも良いので軽くまとめていただけると助かります。
[良い点] 公爵が正攻法できたこと 養子の母親を蔑ろにしないこと [気になる点] 公爵とキャサリンさんの年齢 [一言] デアモント公爵の現状の奥方の存在 養子を取るくらいだから子供はいないんだろうけど…
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