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転生クーデター  作者: ねこなべ
第一章 転生したら死亡フラグ踏んでました。
4/45

第四話 おっおぅー♪

前回のあらすじ

おさらいしました。

 今日も今日とて退屈な日常。

まぁ、つい先日まで寝込んでた少女がいきなり盗んだ短剣片手に走り出したりしたらそれはそれで騒動になってしまうだろう。

 やってないよ?ちょっと荷車借りてゴブさんに向かって走り出そうとか考えてないよ?ちょっとお馬にまたがってダイレクトアタックとか考えてないよ?ちょっとそこら辺に落ちてる石を細長い袋に詰めてゴブさんの頭めがけて振り回しながらダイレクトアタックとか考えてないよ?あっ、ドロシー、せっかくいい感じの靴下にいい感じに尖った小石を集めたのに小石を捨てないでくだ……あっハイ。お仕事の邪魔してごめんなさい。


「レベリングの方法をどうにかして考えないとなぁ……」


 聖女としての選定はもう受けてしまったものの、最終選定は15歳になる年。と言うのも最初の選定はいわば発芽の選定であり、花の色は成長して見ないことには分からないのだ。

 つまり、今現在では誰も私の事は『癒しの聖女』である事までは理解していない。

 ならば、私はゲームの知識として『レベッカが癒しの聖女である事を知っている』のだから、これからのやり方次第で変えられるかもしれない。

 ………そう思ってた時期が私にもありました。


 そもそもがレベッカが『癒しの聖女』であるのは確定事項である。でなければ姉が死亡する程の事故に自分も巻き込まれてるのに、当の私は五日程寝込んでほぼ無傷で居られるわけがない。医者は奇跡だなんだと騒ぎ立てていたが、真実はそれである。


 つまりは高確率で私はあの悪夢を現実にしてしまう可能性が非常に高いのである。マリア・クルスを蹴落とし、カインと結ばれると言う悪夢を………。


「馬鹿言ってんじゃないわよ……」


 私はそもそもレベッカの事があまり好きではない。誰からも好かれる聖女。クラスのカースト最上位。(私にとって)歯の浮くようなキャラ。それがレベッカだった。現にクーデタールートをやる時にはカインの相手はレベッカになる様に仕向け、全員でフルボッコにしてやった程だ。


「………でも、言われてみれば私。レベッカのことあんましよく知らないのよね」


 レベッカルートは元々未来に目を向ける事に重点を置いたストーリーとなっている。辛い過去があるからこそ他者の痛みが分かる彼女は、余りにも無茶をする。他人の事パーソナルスペースなどお構い無し。他者の触れたくない部分に自ら突っ込み、力技で解決に導くのが彼女だ。

 その為なのかハーレムルートを作りやすいのも特徴で、クーデタールートをやる時は爆発物を取り扱う様に慎重にやったもんです。ほっとくとレベッカに味方を全部奪われて私の味方マリア様しか居なくなっちゃってたし。

 そんな一癖も二癖もあるレベッカ嬢だけど、何故か彼女のルートでは過去に触れるシーンは驚く程少ない。過去については一切捨て去ってんじゃないかと思うほど明るく振る舞う彼女はむしろフロハー最強のサイコなんじゃないだろうか?

 彼女の過去について明かされるのは、バックグラウンドが公開されてからだった。

 バックグラウンドとはメインキャラの幼少期の主だった話を体験形式で進めるストーリーモードの事で、メインストーリーでは描かれなかったメインキャラやその関係者との関わりについて詳しく描かれていた。


「考えれば考えるほど私とは真逆の人間よねー」


 私も僅かではあったがレベッカの人となりについて少しは分かった気がした。尤もそれでもやっぱり偽善者と言うレッテルはあまり剥がれなかったけど。


 ただ私にとって最も度し難いのは……


「私はあのカインのクソヤロウが大っ嫌いなんじゃァァァァァァ!!」

 何で私があの(以下余りの酷さに自主規制


「何事だレベッカ!?」

「どうしたのレベッカ!?」

「お嬢様!?」


 おっおぅー♪


「何でもありませんわ(ニッコリ)」


 満面の笑顔で何事もない様に佇みました。


 ☆☆☆☆☆


 改めて、今現在やれる事を考える。と言うかタイムリミットを想定する。そもそも何故私がこんなに急いでいるのかと言うと、このままでは後二年以内に私が『癒しの聖女』である事が完全にバレてしまうからである。そうなると必然的にレベッカルートがほぼ確定してしまう。

 比較的クリアがしやすいはずのレベッカルートだが、死亡フラグの地雷原を目隠しでスキップさせられる気分で第二の人生を送ることになってる状況なので、いくらレベッカルートでも危険過ぎる。

 私は確かにリアルの世界でフライアウェイしちゃったけど本当のところはそんな度胸だって無かったのだ。本当の私は戦う勇気も気力も、何もない。


 私は……あの世界から追い出されたのだ。


 おっと、まただ。つい最近の出来事なだけにどうも私はどうもあっちの出来事に引っ張られるクセがあるな。もう私は吉原マヤじゃないんだ。

 何はともかく私は今度こそ、私の好きな様に生きていく!誰にも私の邪魔はさせ……ない………うん。

さすがにそればっかりは無理ありそうだなー。ここがフロハーの世界なら尚のこと無理だなー。


☆☆☆☆☆


 久しぶりに夢を見た。

夢ならここ最近見てるだろって?違うよ。アレは悪夢だよ?話が脱線したじゃないか。

 フロハーのヒロインや仲間達がみんなで笑い合いながら皆で遊んでる夢だ。もう何も心配する様な事もなく、平和で、明るい未来を祝福してる様な夢だ。私を呼ぶ声がする。


…………ッカ、レベッカ


 こんな夢にまで見た未来がやっと来たんだと。差し伸べられた手を取り駆け出す。


 私、やっと幸せに………


「レベッカお嬢様ァァァ!!」


…………

……



「レベッカお嬢様ァァァッ!賊です!お逃げください!お嬢様ァァァ!」

「ヒャッハー!」


 がきーんがきーんとぶつかりあうー。

 ぼうーぼうーともーえてーるー。

 おうーちがーもーえーてーるーよー。


「…………………おっおぅー♪」


 あ、変な声出た。

 信じられないかもしれないけど一応設定上フロンティア・ハーツは乙女ゲームです。え?何処に乙女ゲームの要素が?

………あると思います。多分。


追記)

一部追加変更記入しました。

申し訳ないです。


ほっとくと私の味方マリア様しか居なくなっちゃってたし。

ほっとくとレベッカに味方を全部奪われて私の味方マリア様しか居なくなっちゃってたし。


タイトルと一部セリフを統一するために変更しました。

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