第二話 人は無知程大騒ぎ
随分時間が空いてしまってスミマセン。
やっと纏まったので再開です。
【前回のあらすじ】
因縁つけられました。
「インチキだ!不正だ!この恥知らずが!!」
見れば何処ぞのお偉い貴族様なのだろう。私を指差して怒鳴り散らしている。そんな様子をニヤニヤしながら護衛すらしないで傍観するレイ。カタナを腰に構え、今にも斬りかかりそうな様子で暴言を吐く貴族を睨みつけるドロシー。頭を抱えながら少し離れた位置で様子を伺うアイン。そんなアインに抱きかかえられながら殺意を剥き出しにするトエ。
おっおぅー。どうしろって言うんだよコレ……。
そんな私の心情をガン無視するかの様にレベル測定値は77を弾き出していた。
数分前。
校長先生の長ーいスピーチが終わった後、各自のレベルやステータス毎にクラス分けをする為にレベル測定が行われていた。のは良いのだが……
「おお!レベル21とは素晴らしい!ランチェス・ドークマン。君はAクラスへ」
「フッ!当然の結果だな!」
え?マジで言ってんのコレ?レベル測定で21を叩き出した彼は意気揚々とエリート達の集まるAクラスへと歩き出していく。いや何をもってエリートクラスなのよ、コレ?
私もあの位にレベルを偽装して測定しようかなぁ。
『びーっ!びーっ!びーっ!』
「え?」
「いけませんね、レベッカさん。これは正確なレベル測定をする為に行うのです。いくらご自身のレベルが低くてもマジックアイテムを使ってまでも不正をしようとするのは(くどくど)」
「はい…すみません」
くっ!やっぱりダメか!どうやら私が《隠蔽》でレベルを誤魔化そうとしたので弾かれたらしい。
って、ちょっとレイ!そこで吹き出さないでよ!ドロシーやアインだって……アイン、ねぇこっちを見てよ?ねぇ?
当然ながらそんなマジックアイテムなんてものは……まぁあるにはある。一部スキルは高レベル過ぎて習得出来ないが、マジックアイテムの補助を持ってスキルを保有することが出来る。例を挙げれば今回の様に《隠蔽》等がそれに当たる。
もっともそう言うマジックアイテムは高額過ぎて貴族でもないと手に入れるのは困難だけど。参考までに現代換算すると《隠蔽》付きのマジックアイテム一個で新型のレク◯スを新車で買えます。イカれてるよね。まぁ、そんな余裕私には無いので自分で習得する必要があったんだけど。
「はぁ……仕方ない」
観念して《隠蔽》を解除して計測器に触れる。すると、測定器は警報を鳴らす事なく77を叩き出してしまうのだった。
「なっ!?な…ななじゅうなな!?」
「計測器の故障か!?」
「そんなに仰るならご自身のレベルを測ってみたら如何です、先生?」
私は若干イライラしながら提案すると、教師は自分のレベルを計測し故障でない事を確認すると、再び私を見て計測器を向けてくる。
「すまんがもう一度計測して貰えないだろうか?」
「そんなに疑いが?《隠蔽》を使ったのはこう言うトラブルを避ける為なんですが?」
再び計測器に手を触れると77を弾き出すのだった。
「ぐむ……申し訳ない。レベッカ・マグノリア。君はAクラスへの……」
教師が申し訳なさそうにクラス分けを行おうとした時だった。
「インチキだ!不正だ!この恥知らずが!!」
隣で計測していた生徒が声を荒げて私を指さして睨みつけてくる。
「見ていたぞ貴様!そんな不正をしてまでAクラスに入りたいのか!?」
「は?」
そろそろいい加減にしてほしい。ここまでセットのイベントか、コレは?
「マジックアイテムまで使って不正しようとは!貴様の様な婢女はこの学園に相応しくない!早々に失せろ!でなければこのオーネスト家嫡男イカオル・カルフォス・オーネストが成敗してくれる!」
まるで自分に酔ってるかの様な名乗りだなコイツ。めんどくさ過ぎてふとドロシー達の方に目をやると、そんな様子をニヤニヤしながら護衛すらしないで傍観するレイ。カタナを腰に構え、今にも斬りかかりそうな様子で暴言を吐く貴族を睨みつけるドロシー。頭を抱えながら少し離れた位置で様子を伺うアイン。そんなアインに抱きかかえられながら殺意を剥き出しにするトエ。
(いやアカンがな!?特にドロシー!!)
「何処を見ている、貴様ァッ!」
「はぁ……。で、どうしろって言うのです?」
バッ、と手袋を取ると此方に向けて投げつけてくる。そして思わず避ける私。
「避けるなァッ!」
「嫌ですよ。女の私にそんな汚いモノ投げつけて何のつもりです?イカ臭い」
「臭ないわ!?ええい、拾え!貴様に決闘を申しつける!」
さっきから何を喚いてたと思ったら。それで、なんとかさんのレベルは……どうやら16のようだ。それでクラスはAクラスと。なるほどね。
「名乗れ女!」
「はぁ、一応同じクラスみたいですからね。レベッカ・マグノリアですよ。これで満足ですか?」
「マグノリアだと?ああ、そうか。貴様があのマグノリアか」
「はい?」
ニヤニヤとこちらを値踏みする様に見下してくるイカナントカさん。
「フリード家に尻尾を振る寄生虫の如き売女とはお前のことだろう?ああ、分かっているとも。そうでもしなければ生きていけなかったのだものなぁ?」
ビキッ!
「所詮は辺境貴族と言うもの。たかが魔物の襲撃に滅ぶ程度の底辺だったか。まったく、田舎の成り上がりもおぶっ!?」
イカナントカの顔面に計測器の水晶を投げつける。誠に遺憾ながら手加減はしてやった。反省はしない。
「それ以上喋らないで下さいませ。イカ臭さで空気が汚染されます」
「何だと貴様!?」
全く絡み方までイカ臭いのかコイツは。
「手袋は拾いませんが、決闘は受けて差し上げますよ。先生、立会人になっていただけますでしょうか?」
「え?ちょっ!?」
この場に居合わせてしまった教員の方には悪いことをしてしまった。見た目まだ20代半ばと言った所だろうその人の肩を私はがっしりと掴んで離さない。ふふふ、逃がさないぞぉ〜。
「時間はそうですわね…?善は急げと言いますし」
邪悪な笑みを浮かべながらカタナを抜き身で床に突き立てながら仁王立ちするドロシー。こんな事態になるまでほっといてしまいバツが悪そうにしているレイ。ついには胃薬を服用し始めるアイン。なにが起こったのかさっぱり分からずキョトンとしているトエ。
「始業式終了一時間後、訓練場にてと言うのはどうでしょう?」
私はそんな彼らを横目にニタリと口の端を釣り上げながら提案するのだった。
☆☆☆☆☆
講堂から出ると早速決闘騒ぎだと聞きつけたのか賭け会場が設置されるなどイベント騒ぎになっていた。はえーよホセ。
「あら、主の危機に何もしないで放ったらかしで傍観してた役立たずが何のようかしら?」
頭を掻きながらこちらに近いてきたレイに私は睨みつけながら悪態をつく。
「スマン。正直こんなバカ騒ぎになるとは思わなかった」
「危機管理がなってないわね。決闘中に観覧席から命を狙われたら護ってくれるのかしら?いえ、それとも代理人として戦ってくれるの?楽で良いわね?」
「……返す言葉もありません」
珍しく落ち込んだレイを嗜めるような引っ叩くと、ため息をついてゲートに向き直る。
「しっかりしなさい。アンタは私の従者でしょ?とりあえず後3年はしっかり護ってもらうつもりなんだから。とりあえずアイツは死なない程度にボコって来るわ」
「ちょっ!?お前何を!?」
「安心して。殺しはしないし、一切怪我もさせないわ。ただまぁ……そうね」
まるで死神の様に私は訓練用のウッドメイスを肩に掛け、レイに笑みを浮かべながら振り返る。
「二度と私の前に立てなくなる様なトラウマを植え付けてくるわ」
どうもねこなべです。
最初の導入でどうしても詰まって時間かかりました:
次回決闘編です。
追伸:一部修正しました
イカオル・クッフォス・ネーオスト(誤
↓
イカオル・カルフォス・オーネスト(正




