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転生クーデター  作者: ねこなべ
第一章 転生したら死亡フラグ踏んでました。
14/45

第十四話 ナイトメアパニックパレード.4

前回のあらすじ

目をつけられました。

「それでも私は何もやってない!」

「れべっかぁあああ!れべっがぁぁぁぁあああああ!!」


 まるで暴風の様に触手が振り回される。


「出入り口を破壊して全部塞いで!『兵隊』が入って来ればこっちが押し切られるよ!」

「ホント無茶な指示ばっかりだな!クソ!」


 本来ならこんな場所で出会うモンスターなんかじゃなかった。本来ならレベッカルートのチュートリアルのボスキャラとして出てくるモンスターだ。『女王蟻』の攻撃を回避しつつ、《鑑定(アナライズ)》をかけステータスを確認する。


=============================


クィーン・コクーンアンテクト Lv20

HP:35847/5000

MP:724/800

STR 1250

VIT 700

INT 354

MID 157

TEC 347

弱点:火


使用スキル

《捕食《増殖》》

・スティングピアーズ命中後発動時即死。

・HP回復(小)

・MP回復(小)

・スキル発生後「マッドイーター」を生成。


《スティングピアーズ》

・ターゲット単体に防御力、防御スキル貫通大ダメージ。

・混乱系状態異常時必中。

・パリィ可。


《薙ぎ払い》

・範囲内の対象にダメージ。

・一定確率スタン付与。MID150以下時、レジスト不可。


《叩きつけ》

・ターゲットを対象に5〜7回エリア(小)攻撃。

・一定確率スタン付与。MID100以下時、レジスト不可。


咆哮(ハウリング)《混乱》》

・自分を中心にエリア(中)内の対象に混乱系状態異常付与。

・MID250以下時、レジスト不可。


=============================


「こんな厄介なスキル持ち、チュートリアルのボスじゃないわァァァ!」


 遺憾な事だが地響きが私の嘆きをかき消してくれる。必死に逃げて逃げて逃げまくる。伊達にTECスキルカンストしてませんわァァァァァァ!!!


「れべっかァァァ!!れべっかァァァァァァ!!」


 って言うかあの『兵隊』ってマッドイーターって言うのか。


「お嬢様!くっ!」

「いいから!コイツが私に気を取られてる内にさっさと倒してェェェ!!」


 他のみんなも何とか私を保護しようとするが、そんな事よりあっちにダメージを与えて欲しい!いくらTECスキルカンストしてたって無敵って訳じゃないんだからねっ!アレ一発でも貰ったら死ぬわ私ッ!

 しかもアイツ《スティングピアーズ》の方が当たらないからって《叩きつけ》のみで殺しに来たッ!数撃てば当たるって?当たるかもねッ!?本当にヤバいわああああ!!


「《咆哮(ハウリング)》!くっ!何であのバケモノこっちにヘイトを向けないんだ!」

「おかげでこっちは安全な所から攻撃できるけどねっ!

爆炎矢(フレアアロー)》!」

「《アローバルカン》!手持ちの属性矢も数が少なくなって来たな」

「お嬢ー、もうちっと頑張れるかー!?」

「レイ様っ!お嬢様今そちらに!はぁっ!」

「ひゃっふー」「いぇーい」


 ちくしょう!そっちは随分余裕だな!私の方は絶賛死にそうだってのに!

 とは言えこの状況はある意味最も好ましい。《パリィ》を持たないアタッカーが全員タンカーであるバルトに守られて攻撃を続けられる。しかも、一番厄介な《咆哮(ハウリング)》は、そもそも離れてさえいればただのタイムラグ。私がドロシー達に近付かず、かつ女王蟻の《咆哮(ハウリング)》の範囲から離れて逃げればノーダメージでコイツは倒せる。オマケにマッドイーターが侵入するのを防ぐための侵入口の破壊は女王蟻自ら叩き潰してくれたおかげで順調にダメージを与えられていた。


(ただ、なんか嫌な予感はするのよね……)


 鑑定したステータスはボスキャラとして考えたとするならばともかくとして、問題は()()である。ゲームではちゃんとナタリー・ダーニックとして登場している。ナタリー・ダーニックは確かにこんな感じの化け物に変質はする。だがそれは今の様な討伐隊で戦う相手ではなく、審査官の率いる騎士隊と共に行うレイド戦。それも強力なスポットキャラの保護者付きである。うん、やめよう。ゲーム知識を頭に持ってくると死ぬわ。

 問題にしないといけないのはナタリー・ダーニックと思わしき存在がここにいると言う事実。


ーーーどくんーー


ーーーーわたしはもうナタリーみたいな人をこれ以上ーーー


「ぎっ!?」


 突然集中力が掻き乱される様に何かの場面がフラッシュバックして体が硬直し、私は触手に薙ぎ飛ばされる。命中はしていない。掠っただけ。けれども、叩きつけられたダメージは思った以上に大きい。さっきまで余裕を見せていたみんなの表情が一変し、私に向かって走り出してくる。

 そんな彼らを目視した瞬間、更に嫌な予感が過ぎる。そうだ、なんでこんな異常に目を逸らしてた!?だってアイツ、限界値よりHPがめちゃくちゃ高かったじゃない!


「皆離れてええええ!!」


 私の声にみんな思わず立ち止まる。バケモノは捕食口をぐぱりと開くと大きく呼吸をし始め、突然膨張したかと思うと、あたり一面を吹き飛ばす程の自爆をしてしまうのだった。


☆☆☆☆☆


「っぶねぇ………」

「!?お嬢様!?お嬢様………!?」


 あたり一面の土煙が吹き飛ばされるとそこにレベッカの姿はない。レベッカの叫び声に反応してバルトが《バリアシールド》を発動しギリギリ耐え切った。


「大丈夫だ!ドロシーさん!お嬢様はまだ生きてる!」

「お嬢様ァァァッ!離してッ!バルト様!離してください!」

「落ち着け!ドロシーさん!そんな事よりアレ!」


 リットがドロシーを落ち着かせる様に肩を掴んで叫ぶ。


「今さっき《探索(サーチ)》をかけた!生きてるよ!お嬢様はあの谷底の先だ!けど、その前に……今俺たちは囲まれてる」


 丁度先程の化け物がいた辺りから吹き飛び大穴が空いている。リットが指をさした先はその奥の様だ。


「行け、ドロシー」

「レイ様?」

「お嬢が一人で落ちちまった。アレは俺達の判断ミスだ。いくらお嬢が出来るからって任せ過ぎた」

「ごめんなさい」「ごめんなさい」

「その代わりと言っちゃなんだがこいつらの相手は俺らがやる。アンタ、実際のとこ俺らの中で一番つえーだろ?」


 ドロシーはレイが突き出した拳を見るとため息を吐いてそれを無視する。


「とりあえず、死なないでくださいまし」

「はっ!言ってくれるねぇ!」


 ドロシーはそうやり取りを交わすと諦めた様に拳を突き返し、軽く当てると振り向かずに駆け抜ける。ドロシーが駆け抜けた後には遅れた様に何かが壁に激突する。


「おいおい、マジかアレ?」


 ドロシーは恐らくその存在を目視し、我慢ならなかったのだろう。レイもその気持ちはわかるとしながらも、わらわらと這い上がってくる白いクリーチャー達を見て吐き気を覚えた。その姿は『兵隊』達を無理矢理レベッカの形に作り替えた様な姿をしていてどれもこれも異形な形をしていたのだ。


「あんまり気分が良いもんでもねェが、コイツら外に出す訳にゃいかねぇわな。お嬢の評判の為にもよ」

「お嬢のにせものー」「しょす?しょす?」


 そんなレイ達の意見に乗っかる様にリットが装備を弓からライトボウガンへと変えながらカートリッジを装填する。バルトは破損した盾を捨て、新しく取りだしたタワーシールドを構える。ジーレは先程使用していた杖から支援魔法も使えるオーブに装備を切り替え、魔法陣を展開する。


「確かにあの子の偽物は俺も許せないね」

「おいおい、リット。お前ロリコン趣味だったのか?」

「あんまりそう言う冗談言ってると真っ先に死ぬぞバルト」

「そりゃ失敬。そうだな、俺も雇い主の偽者が出てくるとあっちゃあ流石に思うところがあるわ」

「馬鹿言ってないで私達も出来ればあの子の救助に行ける様にこいつら押し切るわよ。レイ君援護は任せて。お嬢様程じゃないけど回復魔法も使えるわ」

「助かるわ。んじゃ、行くぜ」


 ぞろぞろとギチギチと口を鳴らしながら谷底から這い出てくるクリーチャー達を前にして、レイ達三人と『紅蓮の牙』たった六人による無尽蔵に続く前代未聞の防衛戦が始まる。


☆☆☆☆☆


「げほっ!げほっ!はぁっはぁっ!」


 あの自爆攻撃の際、間に合わないと踏んだ私はすぐさまたった一度のみあらゆる攻撃を防御するレベッカの固有スキル《絶対障壁》を発動し身をかがめていた。万が一に備えて覚えといて良かったぁー。まさか、自爆するなんて。

 しかし、爆発の衝撃は私が想定していたものより凄まじかった様で、どうやら谷底に落ちてしまってたらしい。下が川でよかった。上の方はレイとドロシーがギリギリ抑えて止まってくれた様だ。先ずは一安心する。


 それにしても頭痛が酷い。何もこんな時に……

───私は聖女なんかになんてなりたくなかった!───

ッ!?


「は、ははっ……かんべんしてよ」


 まだ始まってすらいないレベッ(わたし)カの物語。その根幹がこんな非常時に脳内で再生されてしまう。


「あああアアアアアアア!!」

「そんなに聖女になりたかったの?あなた」


 まだ私が生きていた事に対する憤りだったのだろうか?()()は暗い洞窟の奥底からまるで怨念の様な叫び声を響かせる。


「いいえ、違うわね」


 あの時の嫌な感覚はこれだ。嫌な予感の正体はさっきの化け物からではない。そこにある()()()()()()()()()()()の頂点に立つ()()


「あなたが本当になりたいのは聖女じゃなくて私自身(主人公)かしらね?」


 紅い瞳を除けば全ての色素が抜け落ちてしまったかの様な純白の少女はレベッカ・マグノリアと()()()()()姿()で月明かりに照らされて姿を現した。


「初めまして、シロガミの女王様(ナタリー・ダーニック)?」

「レベッカ・マグノリアァァッ!!」


 私は自らに《治癒(ヒール)》をかけ、彼女は憎悪を込めて私達は同じ貌同士でもって破顔(わら)い合うのだった。もっとも、私の方は単なる強がりですが。

本章ラスボス登場です。


「私、いきなりこんな苦境に立たされるの早すぎない!?」


実質まだプロローグ部分なのにね。


「………え?」


補足


《絶対障壁》

固有スキル

使用可能者:レベッカ・マグノリア

消費MP:200

対象:自身

・一度だけあらゆるダメージを完全無効化する。防御スキル貫通等のスキルも無効化するが再使用には1時間のリチャージ時間が必要となる。


《バリアシールド》

クラススキル

使用可能職:タンカー

消費MP:100

対象:自身を含めた範囲小

・一時的に装備している盾の耐久度を最大10倍にして範囲内の味方の全てダメージを盾で肩代わりするスキル。耐久度の倍率は使用者のVITスキル Lvによって変動。盾の耐久で耐えきれなかった場合は残りのダメージを使用者のHPで肩代わりし、その際被ダメージは総残ダメージの1/10に減少する。



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