第十話 真実は小説よりモンスター
前回のあらすじ
悪役令嬢疑惑が発覚?
「お嬢、アンタに聞きたい事がある」
「な、なにをだい?」
突然話があると言う事で私はとある秘密の一室に彼を案内する。二人きりになるのは危険かもしれないが、家族にも聞かれる可能性を考えるとそこら辺でと言うわけには行かなかった。
「アンタ……」
『ちょい待って。ここからはエイ語で』
私はそうエイ語にて書かれた紙をレイに見せ、紙とペンを手渡す。
エイ語とは私とレイ間で交わされた隠語である。エルフ語は法則性が難しくエルフ文字もまた奇怪で聖王国も匙を投げていた。そもそもハーフエルフですらエルフ語を理解している人間はほぼ居ない。だが、どう言う訳かハーフエルフのレイはエルフ語を操る事ができる為に、とある人物を救出する為に彼を巻き込んだミッションが全主人公キャラクター共通で発生する。とりあえずその事は今関係ないので割愛しよう。
そんな訳で私はレイからこの半年間みっちり叩き込んで貰っていたのが、それはレベリングだけではなくエルフ語も叩き込んでもらっていたのだ。こう言う秘密の会話もこれならしやすいしね。
そこから更に世界共通語であるアルテナ語とエルフ語を混ぜ合わせ、解読難解なものになっている上に定期的にその法則も入れ替えて使っているのが私達専用の共有の言語であるエイ語である。
何度も聞いてればいつか法則に気付かれるだろうがあいにく2人の時にしか使わない。
おかげでこの半年ちょいの中で私はレイがこう言う風になる時は何か真剣な話がある時だと理解できる様になって来た。これが恋愛フラグ的なものだったら胸キュンものなんだけど残念ながらこの関係は全く変わってなかった。恋愛フラグ?知らない子ですね。
と言うわけでわかりやすくエイ語を解読した会話になります。
『オマエ、一体あのファロス・フリードのクソ野郎とどんな繋がりがある?』
『何のことかしら?おじ様とは初対面だけど?』
『とぼけんな!なら何でレベリングを要求した!?いや、それだけじゃねぇ。何故1年後に奴が来ることまで知ってやがった!?』
『詳しくはいえない。けれど選抜の時期はおおよその時期は目安をつけていた。半年になったのは完全に私の予想外だったし、フリード卿が来ることなんて全くの予想外だったけど』
『選抜の内容については?』
『まさか。知るわけないじゃない。あれはアドリブよ』
『末恐ろしいガキだわ、ったく。んじゃあ、何でお嬢のLvが55になってるんだ?』
『あらホント。どうしてこうなったのかしら?』
『今すぐ殺すか?』
『サーセン。調子乗りました。どうしても不安だったんで隠れてドーラ洞窟に入り浸ってました。ついでだから早熟の腕輪借りて深夜に狩りを』
『おまっ!?何やってんだ!?』
『どうせ何もしなかったら殺されてたでしょ?もしくはお家取り潰し。まぁ、結果的には、私は聖女として確定したみたいだけど』
『はぁ、わーった。もう良い。降参だ』
それでもTECスキルのレベルがカンストしただけである。それでもってカンストしたら最後に習得するスキルが、言語理解・精密操作・限界速度突破の三種で、思わず此処でかよっ!?って思わず取ってしまったのが言語理解だった。今では非常に後悔している。
同じくカンストしてるレイと同じになったかと思えば全然である。そもそもLv差がありすぎる上にレイの天命がそもそもTEC系である為、私が彼に届く事など絶対にあり得ない。
それでも戦い様はあるだろうが、それはそもそも彼と同じLvまで届いて初めて言える話だ。
『じゃあ私からも聞いて良い?』
『何だよ?』
『何故、フリード卿に攻撃を仕掛けたの?』
それを見たレイは苦虫を噛み潰したような顔をして睨みつけてくる。
『言っとくけど、今回の一件はヘタしたら最悪国家叛逆罪にまでなりかねない事態だった。今はまだウチの家臣としてここに居るんだからその説明はして貰うわよ?いくら契約の件が私達の間にあろうともね?』
「黙れ……殺すぞ……」
レイは筆談を無視して恫喝してくる。
『あの人が烙印に関わる関係者が何かだから?』
もうそれ以外考えられない。
「五月蝿えッ!本当にブチ殺すぞ!クソガキがッ!!」
レイの手が私の襟を掴む。
「《空間音響遮断》を予めかけといて正解だったわね」
その言葉に冷静になったのかレイは私の襟を離しソファーにもたれ掛かる。
「………初めっからそうしろっつーんだ」
そんなスキルないけどね。この室内を予め防音加工にして置いて正解だった。そして、本当にポーカーフェイス様々だわー。私の心情はさっきからギャン泣きです。
『冷静に会話出来ないでしょう?』
『………そうだな。悪かった、お嬢』
レイは大きく深呼吸をすると疲れ切った様に顔を手で覆い覚悟を決めると言うより諦めた様子でこう告げたのだった。
『奴は……『道化師』は……ファロス・フリードは……俺らに烙印を刻んだ憎っくき仇敵さ。奴が俺達から至宝を奪い、俺達をこんな立場に追い込んだ張本人なんだよ……』
私はその事実に言葉を失った。
☆☆☆☆☆
とりあえずレイとの会合は終わった。何故フリード伯爵に斬りかかったのか、今後フリード伯爵に対し敵対行動をしない事、今後の生活についての事。それらについて話し合った。……気がする。
お互い話に気が入らなかった。それはそうだ。まさかあの二人にそんな関係があったとは思わなかったのだ。
「そんなこと言われたってねぇ」
正直に言って私はフリード伯爵を自分の味方になるべくならつけたいと思ってる。むしろどちらかと対立するならレイを捨ててでもフリード伯爵を自分の味方にすべきだろう。現実的に考えればそんなものなのだけど……。
「私にそんな事出来るわけないしなぁ……」
なんだかんだで私はレイ達の事を信頼してるし、愛着もある。問題があるとしたら私の方だけどね。そんな問題だらけの私の面倒もちゃんと見てくれるレイ様マジアニキ。約束破ったらフットサルだけど。って言うかさぁ………。
まだフロハーで言うところのレベッカの入学イベントすらすら始まってないのにヤバいフラグ立ちすぎじゃない?色々と私と性格が違うからあまり好きになれなかったケド……結構苦労してたんだなぁ〜。
レベッカ、あの時は好きになれなかったけど今なら好きになれそうよ。もっとも、レベッカ本人になりたいとは言ってなかったけどね。
自分の部屋に戻り、そろそろ寝ようかと思ってパジャマを取る為クローゼットを開けると……
「GYSUBURUAHAAAAAAAA………」
なんか居ました。
死亡フラグが終わったと思った?
死亡フラグまだ終わらねーからー!
補足としてTECスキルMAX時に習得出来る
コモンスキル三種について
・言語理解
あらゆる言語に関するものを理解するスキル。
・精密操作
使用してから後に使用するスキルに対し、消費MPを2倍にする代わりに命中率、クリティカル率、攻撃レンジを3倍にする。効果時間は時間経過で120秒。
・限界速度突破
効果時間中スキルが使用出来なくなる代わりに総合TEC値が10倍になる。効果時間は30秒。消費MPは全MP、要60秒間リチャージ(デメリット)。




