俺は彼らの気持ちが理解できない~なお、周りは同性同士のカップルだらけである~後編
後編です!
前中編を読んだ方には、ノリがわかって頂けたかと?!
ここで男主人公のターンは終了となります。
では、どうぞー
ある日、目を覚ました俺は、自分が見覚えのない部屋で寝ていることに気が付いた。
ベッドしかないシンプルな部屋。
ボーっとした頭で、何故こんな所にいるのか考えるが、思い出せない。
昨日はいつも通り、自室で休んだはずなのに・・・
霞のかかった頭を振って意識を覚醒させる。
俺は改めて、室内を見回してみた。
何故自分がこんな所に寝ているのか、何か情報がないかと。
すると、ベッドサイドのテーブルの上に紙が一枚置かれている事に気が付いた。
「・・・なんだ?何かのメモか?」
俺はその紙を手で持ち上げ、裏返してみる。
すると、そこには・・・
『この部屋は〝セックスしないと出られない部屋〟です』
と書かれていた。
意味がわからない。
だいたい、この部屋には自分一人だけしかいないのに、セックスも何もないだろうと思う。
誰もいないよな・・・?とトイレやシャワールームも確認してみたが、やはり俺一人だ。
俺は首を傾げ、その紙を元あった場所に戻した。
そして本当に部屋から出られないのか、試しに部屋の扉を開けてみることにする。
取っ手を握り、押したり引いたりしてみる。
確かに扉は開かない。
やはりセックスしないと出られないのか・・・いや、一人だぞ?どうやって?
眉間に皺を寄せ、「うーん・・・」と唸ってもどうにもならない。
鍵がかかっているようには見えないのだが・・・と扉をよく観察してみる。
「うん、わからないな。横に引いても開かないだろうし・・・」
どうしようもなくなり、何気なく扉を横に引いてみた。
『ガラリ』
すると、あっけなく扉は開いた。
「・・・・・・・・・は?」
思わず扉をマジマジと見てしまう。
いや、取っ手がついているし、横に引いて開くとは思わないだろう、普通。
俺は、揶揄われた気分になり、少しイラッとしてしまった。
まあ、何事もなく部屋から出られそうだと、そのまま部屋の外へ出る。
きっちり扉を閉めてから、左右を見る。
すると外には長い廊下が続いていた。
両壁には、自身が出てきたのと同じ扉がズラリと並んでいる。
どこかのホテルだろうか?
首を傾げながら、とりあえず右側の廊下を進んでみる。
歩いていると、各部屋からは人の気配がした。
俺と同じような人がいるのか?と思ったが、何やら様子がおかしい。
『あっ♡あっ♡』
『ダメ、イっちゃう♡』
『ひいいっ、そこらめぇぇぇ♡♡♡』
各部屋からは、それぞれ男性の喘ぎ声が聞こえてくる。
右の部屋からも
左の部屋からも
俺はその場で固まった。
そして先程部屋に置いてあった紙切れに書いてあった内容を思い出す。
『この部屋は〝セックスしないと出られない部屋〟です』
ぶわっと背中から冷や汗が出た。
もしかしなくても、この部屋1つ1つ扉の向こうでは、そういうことがおこなわれているのか?!!
してしまっているのか?!!
あんな紙きれ一枚の説明だけで?!!?!
扉は調べてみたのか?!!
あっけなく開いたぞ?!!
『ああ、君は運命の相手だ!』
『初めてなのに凄く気持ちいいよ』
『俺たち、付き合おう。嫌だなんて言わせないよ』
扉の向こうから聞こえてくる声が怖すぎる。
俺は手で両耳を塞ぐと、廊下を速足で歩きだした。
止まってはダメだ。
いつ扉が開くかもしれない恐怖に怯えながら、廊下を進む。
すると、突き当りにエレベーターホールを発見した。
俺は急いで呼び出しボタンを押す。
そんなに時間もかからず、エレベーターは到着してくれた。
俺はそれに急いで乗り込み、連打で『閉』ボタンを押す。
お願いだから、早く閉まってくれ!
閉じていく扉にホッとしていると、廊下の向こうから・・・
『え、セックスしないと出られない部屋?俺一人しかいないんだけど、どういうこと?!!?』
・・・という叫び声が聞こえてきたが、動き出したエレベーターの中で『俺も同じ状況だった、頑張ってくれ!』と心の中で健闘を祈っておいた。
◇◇◇
この大陸には、問題が山積みしている。
それをいくつか語ろう。
『異世界召喚』
それはこの世界で度々おこなわれている、理不尽な人為的現象である。
他の大陸でも異世界召喚はおこなわれているらしいが、この大陸で召喚されてくるのは、100%の確率で男性だ。
その異世界から召喚された──少年から青年にかけての年齢の男性をかけて、頻繁に召喚者の取り合いがおこなわれている。
何故だ!!!!
男と男が、男を取り合うって!
女性もいるんだぞ?!!?!
人類の半分は女性だぞ?!!
あ、昨今ではオメガバースがいるから違うのか・・・?
いやいやいや、それでも異世界から呼ばれた平凡そうな少年(たまに美少年もいる)が、同性の毒牙にかかるのはいかがな物か?!
しかも、2~3人で召喚者を仲良くシェアしている奴らもいるとか・・・
何故そんな状態で血をみない?
独占欲というものが彼らにはないのだろうか?
俺だったら一人の人を大切にしたい。
誰とも共有したくはない。
もちろん、俺の様に・・・いや、俺以上に独占欲の強い奴らもいるが。
そんな男性に掴まった異世界召喚主は、お気の毒だが、抱きつぶされている者が多いと聞く。
聞きたくないのに、自慢されるのだ。
ひと様の閨事情程聞きたくないものはないのに。
まあ、そんな恋人たちはお互い幸せそうなので良いのではないかと思う。
俺を巻き込まないでくれればいい。
間違っても俺に嫉妬してくれるな。
俺は略奪愛は好まない。
ちなみに幼子に手を出すのはもちろん犯罪である。
いかなる理由があっても許されない行為なので、その場合は命をかけて全力で止めに行く。
◇◇◇
この国にはやたらと記憶喪失になる男が多い。
馬車の前に突然飛び出してきたかと思ったら、次に目覚めた時には記憶を無くしているのだ。
馬車の御者にも、馬車の客にも迷惑をかける非道の行為であるが、誰も咎めないので俺が自ら王に進言した。
今後、馬車で人を引いたものは罪には問われない。
(もちろん、飲酒運転はもってのほかで罰するが)
むしろ、馬車に引かれたものを厳罰に処すとした。
でなければ、あまりにも飛び込んでくるヤツが多いのである。
たまに子供の事故もないわけではないので、幼子には当てはめないような法律にしてもらったのだが、それでもまだ馬車の前に飛び出し記憶喪失になる男がいる。
幼子を庇って・・・というパターンもあるので、臨機応変に対処しなければならず、頭の痛い問題だ。
馬車飛び出し男は記憶を失っているので、何故そんなことをしたのかも記憶になく本当に厄介な存在だ。
病院で眠っている馬車飛び出し男には、誰にも合わせないよう病院関係者には言い含めている。
何故かというと、馬車飛び出し男を心配した親しい友人を名乗る者が後から後からやってくるからだ。
どこから話を聞きつけるのやら・・・
その後目覚めた馬車飛び出し男(記憶喪失)に友人なる者は、「俺たちは恋人同士だ!」と告げ、二人の話し合いが進んでいくのが常なのだが。
中には穏やかな話し合いにならず、怒鳴り、泣き、喚く者もいるのだ。
病院側も迷惑している。
なので馬車飛び出し男は、目覚めるまで面会謝絶のうえ、目覚めた後は体調次第で牢屋直行である。
当たり屋の可能性もあるからな。
馬車の前に飛び出してくるなど、よっぽどのことだ。
大勢の者が迷惑しているのだ。
牢屋行きに文句は言わせない。
◇◇◇
これは俺が個人的にどうにかならないかと思っていることだ。
大変な思いをしているのは本人達だけなのだが、目の前でそれをされてしまうと俺も気になってしまう。
彼らの奇声含めて・・・
人間の上げる悲鳴には色々な叫び声がある。
なかには男女関わらず、やたらと可愛らしい叫び声をあげる者や、雄々しい叫び声をあげる者がいる。
だが、可愛らしい悲鳴を上げる男が頻発するのは流石におかしいのではないかと思うのだが・・・
目の前で雷を怖がる男が、「ひゃあっ!」と叫んで身を縮こまらせている。
これ、さっき数分前にも違う男性が同じ行動をとっていたのだが、流行りなのだろうか?
だが、男がやっても可愛くないぞ?
俺は怯えている男を横目に眺めながら、小走りで建物の下へ向かっていた。
今にも雨が降りそうなのだ。
降られる前に移動したい・・・・・・
『ピカッ!』
また雷が光った。
ゴロゴロという大きな音が光に追いつく。
空を眺めながら走るスピードを上げると、目の前にまたもや雷に恐怖し、涙目で頭を抱えている男がいた。
可哀想だとは思うが、俺にはどうしてやることもできない。
そこら中に雷を怖がっている男がいるのだ・・・
あまりにも雷に怯えている男性が多く、とても一人一人に声をかけられない。
怖がっている男性同士で徒党を組み、屋内に逃げるなりなんなりしてほしいのだが。
そこまで考えが及ばないのだろうか・・・
すまない。
俺は雷を怖いと思ったことがないから、根本的に彼らの恐怖を理解してやることができないのだ。
なので彼らの心理が現在どうなっているのか理解できない。
動けなくなるほど恐怖しているのか?
雷が鳴る度に大変だろうに。
彼らにとってこの世は生きづらいな・・・
だが、彼らは何か対策を考えた方がいいのではないかと思うのだが。
雷が鳴る度にこれでは困るだろう。
俺は空を眺める。
天気といえば・・・
少し前まで、雨の日に捨てられいる犬や猫の数がやたらと多かった時期があったことを思い出した。
そこらじゅうに、箱に入れられ道に捨てられる動物が溢れ、一時期社会問題となった。
なかでも素行があまりよくないという噂の少年が、捨てられていた動物を拾い、後に多頭飼育崩壊をひきおこすという事件が頻発し、動物を捨てるもの・世話が出来ないのに拾うものに対して刑罰を与えることとなった。
愛らしい動物を捨てる等、あまりにも酷い所業だ!
だが愛らしいからといって、無責任に数を増やし、結局世話が出来ず動物を死に追いやる行為は決して許されることではない。
そのような者は、最初から動物を拾うべきではないのだ。
王家は動物を捨てた業者を特定し、厳罰に処した。
そして二度とこのようなことが起こらないよう、長く長く人々の記憶に残す為、死んでいった動物たちを供養する石碑が城下の広場に立てられた。
この事件のことを人々は決して忘れてはならない。
俺も積極的に動いた甲斐があり、今では捨てられる動物はほぼ見かけられない。
うん、いいことだ。
雨に降られる前に、校舎に辿り着き、俺はホッとした。
教室に向かっていると、突然「ひあっ!」という叫び声が聞こえて眉をひそめる。
またか・・・
今度は何がおきたのかと前方を見ると、数人の男子生徒がふざけあっていた。
「くすぐったいだろ!止めろよ!」
「ククッ!可愛い声で啼くなあ!」
「なっ・・・!可愛くなんかない!ふざけるなよ、ちょっ・・・変なトコ触るな!」
ただ単にふざけあっているだけ。
ふざけあっているだけだ。
けっしてイチャついている訳ではあるまい。
公衆の面前だぞ。
擽られている男子生徒が頬を染めているのを見ようが、どこを触られているんだと疑問に思おうが俺は手出しをしない。してはならない。
だが俺は虚無顔になるのを止められなかった。
『ひあっ!』や『ひゃっ!』と叫ぶ男がそれはそれは大勢いる。
ありとあらゆる場面で、そいつらはいる。
男でも、とっさに『きゃあ!』と叫んでしまうことは、まああるだろう。
だが、叫び声を上げている殆どの男が『ひあっ!』や『ひゃっ!』や『きゃあ!』といった叫び声を上げるのは、さすがに違和感を覚えてしまうのだ。
感じないか・・・?
そして叫び声を上げている相手に、頬を染めながら『可愛い』という男が必ず近くにいるのはどういうことなのか。
そんなヤツの友人は速攻止めた方が良いと思う。
突然冷たい飲み物を相手の身体に触れさせ驚かせ悲鳴を上げさせるヤツ。
理由もなく突然相手の体に触れたり、擽ったりするヤツ。
こんな奴らが学園内にいるのだ。
人を驚かせて喜んでいるなんて、性質が悪い輩があまりにも多い。
俺は、そんなヤツとはお近づきになりたくはないし、友人関係も築きたくない。
叫び声をあげている生徒を憐憫の眼差しで眺めながら、俺は彼らの横を猛スピードで通り過ぎるのだった。
学園内で気になるのはそれだけではない。
学生の喋り方がとにかく気になる。
生徒の中には、やけに「ため口」にこだわるヤツがいるのだ。
時と場所を考え、親しい間柄ならばため口でもいいと思うのだが・・・
いくら目上のものから、ため口で良いと言われても、本当にそれを実行に移したらダメだと思うんだ・・・
今まで、「はい、わかりました!」と敬語を話していたヤツが、許可を得た途端突然「うん、わかった!」と話し出すのは、『え、なに、この変わり身の早さ?怖い・・・』と思わないか・・・?
俺だけなのだろうか。
何がどうして、そんなに素早く切り替えられる?
今まで敬語を使えていたじゃないか・・・
ため口の方が楽なんだよねー!と突然ため口で接せられても困惑するだけだ。
最初から、ため口のヤツよりかはマシなのだろうか・・・
いや、どっちもどっちだな。
それとも俺が王子だからそう思うのだろうか?
周りにため口で喋る者がほとんどいなかったから。
それが、学園に入学してからは頻繁に「ため口」にこだわる者に出会うようになった。
それだと咄嗟に対応できないのではないか?と諭したのだが、理解してもらえることはほとんどない。
どうしてなのだろう・・・
俺の威厳がないからなのか?
舐められているから俺の話しを聞いてくれないのだろうか。
俺はそんなに難しいことを言っているわけではないのに。
ため口は止めた方が良いということをどうしてわかってもらえないのだろう。
ああ、あと『ケタケタ!』と笑う男がたまにいる。
ケタケタ・・・?
どうやったら、そんな面白い笑い方が出来るんだ。
いや、その人の個性なのだから否定してはいけない。
否定してはいけないのだが・・・
何故かその笑い声が文字となって、笑っている者の背後に大きく見える気がするのだ。
どういう現象なのだろう。
目を擦ったり、凝視したりしても、その文字は消えない。
『タタッ!』といった人が走るような音や、『?』マークが見えることもある。
俺はノイローゼになっているのだろうか・・・?
いや、だがその文字が人々の背後にぼんやり見える事実は変わらない。
なので、俺が他人を見る時に不思議そうな表情をしている時があることを・・・
どうか許してほしい。
◇◇◇
雲一つなく心地よい風が吹くとある日。
今日は兄の結婚式だ。
国を挙げてのお祝いが、盛大におこなわれている。
兄にはこのまま何事もなく義姉になる女性と幸せになってほしい。
この国では珍しいことに、兄は幼き日に決められた婚約者の女性に惚れ込み、ずっと溺愛してきたのだ。
結婚式を心待ちにしていた二人が、今日やっと結ばれる。
これから王太子と王太子妃となる二人の門出に相応しい一日だった。
──そう思っていた。
それが起こるまでは・・・
「メルティー・シシリア公爵令嬢!君との婚約は解消させてもらう!」
「・・・はい?」
メルティー嬢の素っ頓狂な声が式場に木霊する。
教会で兄であるシリウスと並び立っている、花嫁のメルティー嬢は瞳をパチパチ瞬きさせ、首を捻っている。
「あ、あの・・・貴方はどこのどちら様・・・?」
可愛らしい声で困惑し、オロオロしているメルティー嬢を、教会入口で睨みつけている男は、鬼のような形相で彼女を罵倒し始めた。
「何をふざけたことを言っている!リリエンハイム王国侯爵家嫡子、クリス・アルフォードのことを忘れたとは言わせないぞ!」
「え・・・ええ・・・?リリエンハイム王国のアルフォード侯爵家・・・?わたくし貴方とお会いしたことがないと思うのですが・・・」
「知っているのに知らないふりをするとは!この性悪め!」
その男の強い言葉に涙目になり肩を震わせるメルティー嬢を、兄は背に庇い、その侯爵家嫡子を名乗る男を睨みつける。
「無礼者!!我が妻になんたる非礼!」
「はぁぁ?!!そいつがあんたの妻?!何を言っているんだ、あり得ない!メルティーは俺の婚約者だ!」
「あり得ないのは君の態度だ!彼女は幼い頃より俺の婚約者だ!彼女はこの国から出たこともないし、第一王子の婚約者なのだからその行動を日々監視され守られていた!お前と知り合う機会などない!」
「そんなことあるわけがない!そいつは俺の婚約者だ!」
兄がきっぱり言い切るが、相手の男の態度は改まらない。
「貴方のことなど、知りません!わたくしの婚約者は幼き日より、シリウス・リオノール様ただ御一人!何故そのような嘘をおっしゃるの?!!」
メルティー嬢は大粒の涙を溢しながら、その男に言い募る。
しかし彼女の言葉に男は激高した。
「貴様っっ!!俺にそんな生意気な口を聞いていいと思っているのか!」
「メルティー・・・下がって!大丈夫だ、私が守る・・・!」
「シリウス様・・・!!」
緊迫した空気に結婚式場の空気は張りつめている。
たまに結婚式に花婿の相手の男が乗り込んでくることはあるが、花嫁の婚約者を名乗る男が乗り込んできた話は聞いたことがない。
しかも、メルティー嬢は兄の言う通り、幼き頃より妃教育を施され、国から出たこともないし、その身は常に監視され守られてきている。
しかも相手は別の大陸の人間だ。
兄と一緒に参加することのある大きなパーティーでぐらいしか知り合うことがないだろうが、その場合彼女の近くには必ず兄か護衛の者がいる。
お互い相思相愛で浮気をするはずもないのに、どういうことだ、これは。
俺は、茫然としながらその光景を眺めていた。
すると、近くで「あんのバカ・・・!」と怨嗟の声は吐き出す人がいた。
その人の声が気になり、顔を向ける。
するとそこには、金髪にエメラルド色の瞳をした美しい少女が佇んでいた。
柳眉を逆立てている姿も美しい。
思わずポーッと見惚れてしまっていたが、少女がサッとその身を翻すのを見て慌ててしまう。
このまま彼女を行かせたくない。
そう思った俺は彼女に「あのっ!」と声をかけた。
彼女は立ち止まってゆっくりと振り返り、俺を見上げる。
彼女のエメラルド色の瞳が光に照らされて宝石のように美しく輝いていた。
ああ、胸がドキドキして苦しい。
「・・・貴方は・・・?」
「俺はこの国の第二王子、エリオス・リオノールと申します。貴女のお名前を伺っても・・・?」
「・・・私は、エレオノーラ・リリエンハイム。リリエンハイム王国の第一王女ですわ」
と、いうわけで役者が揃いました。
あと1話ぐらいで終われると思います。
続きはもうしばらくお待ち下さい。
次はまた女主人公視点に戻ります!