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わたくしの誕生日パーティーで婚約破棄がおこなわれました~なお、婚約破棄をしたのは他国の客人です~中編


王女の独白、中編です!

楽しんで頂けますように!






(わたくし)が頻繁に遭遇するのは、婚約破棄だけではありません。


この世界には魔物が存在しているのですが・・・

そんな魔物を退治する為に、他国では冒険者の中から勇者を選別したりしております。

また隣国では、異世界より勇者や聖女となるような選ばれし少年少女を召喚していると聞き及んでおります。

それも私が調べた限り、隣国の勇者・聖女召喚はとっっっても頻繁におこなわれているようで・・・


もう一度言います。


とっっっても頻繁に!!


おこなわれて!!


いるようなのです!!



・・・隣国の王は頭の構造がおかしいのかしら?!

何故異世界の人間を頼りにし、ほいほい召喚しようとするのかしら?!!

自分たちでどうにかしようとは思わないの?!!

召喚されたお方の異世界での暮らしをめちゃくちゃにすることになるのよ?!!

それに!!!!

これはれっきとした人さらいでしょう?!!?!

国を挙げて人さらいに取り組んでいる国家だなんて、とち狂っているとしか思えませんわ!!


ちなみに・・・

この世界が魔物の被害で切羽詰まっているのかと聞かれたら、そうではありません。

魔物の被害といっても熊や猪などの害獣と同程度なのですよ?!!

つまり魔物の討伐は冒険者の方たちだけで事足りているのです。

それなのに・・・!

隣国の王は異世界の方の召還を続けているのです!

彼をもう、王座から引きずり下ろした方が良いのではなくて?!

これは、延々と続けますよ、きっと!

どのような方が召還されるのか、楽しんでいるとしか思えないのです。



そして召喚された方たちは当たり前のように、召喚された国の隣国である我が国にもやってまいります。

来なくてもよろしいのに・・・

たしかに・・・たしかに?!!

隣国より我が国の方が栄えているので、装備を揃えたりするのに都合が良いのはわかります!

我が国では人種問わず、人を受け入れておりますし。

訪ねて来やすい我が国を訪れるのは、仕方がないことだと思います・・!が!

けれど、その召喚者たちは・・・!

我が国でも隣国と同様に横暴にふるまおうとなさるのです・・・!!

それはもう傍若無人に・・・

隣国の方々は、召喚された方にいったいどのような教育をなされているのでしょう・・・?

平民の家を勝手に家探(やさが)ししてもよいと・・・?

我が国では、家から金銭や薬草や武器が盗まれたという国民からの相談が後を絶たないのです。

武器や防具屋から好き勝手に品物を持っていく方もいらっしゃいますし・・・

金銭を支払う召喚者がたまにいるかと思いきや、支払う金額は微々たるもので・・・

『5Gでいいよね?』と言って持っていかれる剣や盾や防具の類・・・

そんな金額で買えるはずがないでしょう?!

こうして、城には頻繁に被害の連絡が入るのです。



彼らは我が国と隣国が別の国だということを、理解して下さいません。

彼らにとってこの世界の国家とは、個々に存在する「国」としてではなく、一つの「世界」としてひとくくりに考えてられているようなのです。

なんと、はた迷惑な・・・



召喚者の間で特に多く見かけるのが、一人の男性(もしくは女性)の周りに複数の異性がはべっているお姿です。

見たくないのに、よく見かけます。

何故かって?

それは彼ら(彼女ら)が、我が国の王城に乗り込んでくるからです。

呼んでおりませんのに!

呼んでおりませんのに!!

しかも頭のおかしなことに、男性の場合、ほとんどの方が私を自身のハーレムの一員に加えようとなさるのです。

初対面の男性ですよ・・・?


『良かったら僕のことを助けてくれないか?』と爽やかな笑顔を振り撒きながらおっしゃったり。

『僕には君のような人が必要なんだ』と気弱なこと言い母性をくすぐってきたり。

なかには『俺様について来い!』と強気な言葉を言い放つお方もおられます。


当たり前のように勇者パーティーにお誘いしてくる男性のお姿に嫌悪感を感じます・・・

なんなのですか・・・その女性は自分についてくるのが当たり前だと思っている態度は。

私はこの国の王女なのですよ?

次代の女王なのですよ?

ハーレムの一員に加えようなど、言語道断!!


・・・と思っていたのですが、ハーレムの一員に他国の姫君や他国の貴族令嬢のお姿をチラホラと確認し、空いた口が塞がりません。

何度目を瞬きし、その光景を確かめてみても、変化はありません。

間違いなく他国の王族やご令嬢がいらっしゃいます。

ああ・・・なんてこと・・・ 

勇者が自信満々な筈です・・・

だって前例となる方が周りに大勢いらっしゃるのですもの・・・



女性の場合は、我が国が聖女を無条件で手助けすることを当たり前のように考えている方が大勢いらっしゃいます。

『あたし何もできないの!』『どうして戦わなきゃいけないの?!!』等とおっしゃる方も多いのですが、それでは何のために聖女として活動し、旅をしているのかわかりませんね・・・

とにかく、そのような暴言を吐かれる女性が聖女のなかに7割程いらっしゃいます・・・


残りの3割は・・・きちんと聖女として活動しようとなされておりますが、癖の強い方が多いといいますか・・・

下手したら、残り3割の女性のほうが厄介なこともあったりします・・・・・・

突飛な行動をとられたり、思い付きで行動して厄介ごとに巻き込まれていたり。

なんなのでしょうね、彼女たちのあの厄介ごとを引き寄せる吸引力は・・・

必ず騒動の中心にいらっしゃるのが聖女です。


そして彼女たちの周りには、たいてい顔の美醜の整った男性が蔓延はびこり、そのお方を手助けしているのです。

何故そんな男性ばかり・・・と疑問に感じますが。

たまに筋骨粒々なお方もいらっしゃいますが。

ほとんどの場合、細身でカラフルな髪色や瞳の色をした顔の良い男性が聖女のお供をなさっています。

聖女は彼らを、どこから連れて来たのかしら?

隣国の民は茶色い髪をした人が多いというのに。

赤・青・金・紫・オレンジに・・・

ピンク色の髪の男性までいらっしゃいます。

そんな聖女ご一行が、一組や二組どころではないのです。

髪色がカラフルなので、彼女たちが訪れると、遠くからでも聖女ご一行だということが一目でわかります。

彼女たちが城下から城に向かってきていると、すぐにわかるので、城の者も「また聖女一行が来ました・・・」と頬をひきつらせながら、私に報告してきます。

その気持ちは痛いほどよくわかるわ・・・


彼女たちが城に来る理由。

それは当たり前のごとく、我が国での衣食住を要求する為です。

また彼女たちの中には、『日本人にはお風呂が必須!』だとおっしゃられて、突然私有地に大穴を開け、温泉を作る方もいらっしゃいます。

城内には広い湯殿がありますのに・・・

『シャンプー・リンスや石鹸は必須だよね!』と手作りの品を作り、湯を汚す方も一定数いらっしゃいます。

その汚れたお湯をどこに捨てますの・・・

そう思っていると、たいていの方は汚れた水を垂れ流して、地を汚していくのです。

そんな勝手ばかりされてはたまったものではありません!

それに、我が国にも石鹸くらいあります!

調香師が日々研究を重ね、環境にも良く香りの良い石鹸を作り出しているのですよ?!

聖女の方はあまりにも、失礼ではなくて?!

思わず涙目になってしまいます。

わたくし、くさくないもの!!!!



話は逸れましたが・・・

そんなことが度々あり、我が国では召喚者ご一同には城で一泊だけして頂き、すぐにお帰り頂いております。

本当は追い返したいのですが・・・

日が沈むギリギリに城を訪ねて来られる方が多いので、私共はそんな方々を無理矢理追い返すわけにもいかず、晩餐ばんさん)を用意し、勇者や聖女、そのお供がお泊まりになるお部屋の準備をしなければいけません。

正直そんなことに国民の税を使用したくはありません。

本音を言うと、城にも国にも来ないで頂きたいのです。

そうは言っても召還者は問答無用に我が国を訪れるのですが。


それにしても、何故そんなに城での宿泊にこだわるのかしら・・・

無理矢理追い返したら、隣国との関係が悪化してしまいますし・・・

彼らには本当に困っております。


自分勝手なお方があまりにも多く、悩みの種が付きません。





また、俺は(私は)チートな力を持っている!と大々的に誇張してお話されている十代の少年少女がそこら中にいることも問題なのです・・・

自身がチート持ちだと叫んでいるのは、異世界召喚をされている国とはまた別の方角に位置している国からいらっしゃる方が多いでしょうか。

ええ、また隣国です。

我が国のお方ではありません。

隣国の方なのに・・・我が国を少し歩くだけで、自身をチート持ちだとおっしゃる方と頻繁に出くわします。


もう一度言います。

彼らは我が国の国民ではないのです!

それなのに!!何故こんなにもチートな力を持っている方が溢れているのかしら?!!!!

チートな能力持ちが世間にそんなにいらっしゃるものなのかしら?!・・・と思わなくもないのですが、彼らが自身でそうおっしゃっているのでしたら、きっとそうなのでしょう。

否定は致しません。

ええ、自称チートでも。

否定は致しませんよ。

そんな方は、語るだけで実害がないので良いのです。

実害を出された方は、我が国を出禁にするだけですので。

しかし、最初は自信なさ気にしているお方も、自身のチートと呼ばれるお力を使っていると、気が大きくなってしまわれるのかしらね。

そんな方は、たいてい問題を起こし我が国から出禁にされます。






私は声を(だい)にして叫びたいのです。


『召喚された方やチートを叫ばれる方は、召喚された御国や自国でのみ、その主張をしてください!』と。

『他国を巻き込まないで頂きたい!』と。


実際に両隣国に抗議を出しているのですが、一向に改善されません。

我が国は、異世界からの勇者・聖女召喚はおこなっておりません!

自身のお力を過信しすぎて迷惑をかける方も(そんなに)いないと思っております!

何故!他国からやってきた者が、我が国を我が物顔で闊歩なさっていらっしゃるのかしら?!!

貴方がたは一体どこのどちら様なのですか?!!

我が国の王族も貴族も見下すその態度に、我が国の国民たみは皆、頭を抱えております。

我が国以外、常識のある国はないのですか?!






引き続き、後編に続きます。

中編が短く、申し訳ありません。

切りがいいところで区切りました。

明日の更新も、宜しくお願い致します。


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