そくひティツィアーナ
全文かな文字表記で書いております
読みにくいことを覚悟の上でお読み下さい
あるところに、それはそれはかわいらしい、おんなのこがおりました。
おんなのこは、なまえを、ティツィアーナといい、ティアとよばれていました。
ティアはみんなにあいされてそだち、とてもうつくしく、かしこいむすめになりました。
ティアならば、おうひさまにもなれるだろう。
ティアのおとうさまは、はなたかだかです。
ティアほどうつくしいむすめは、みたことがない。
ティアのおかあさまは、じまんします。
ティアのうつくしさは、まわりにもひょうばんになり、ついにはおしろのだいじんの、みみにとまりました。
そんなにうつくしいむすめならば、ひとめみてみたい。
だいじんは、ひとめでティアにほれこんでしまいました。
ティツィアーナいじょうに、おうひにふさわしいむすめはいない。
だいじんは、ティアをおうひにきめ、ティアにおきさききょういくをほどこします。
じまんのむすめをみとめられたティアのりょうしんは、それはそれはよろこび、だいじんといっしょになって、ティアにきょういくをほどこしました。
おまえはおうひになるのです。じひぶかく、ただしく、きよらかでいなさい。
かしこくやさしいむすめであるティアは、みなのきたいをいっしんにうけ、だれからもみとめられる、すばらしいむすめになりました。
わしのめはまちがっていなかった。
だいじんはおおでをふって、ティアをおうきゅうにむかえいれました。
ところが。
ティアをきさきにむかえるはずのおうじさまには、すでにあいするひとがいたのです。
ぼくはこのひといがいを、おうひにむかえるつもりはない。
おうじさまのあいするひとは、とてもかわいらしいひとでしたが、ティアほどには、じひぶかくも、ただしくも、きよらかでもありませんでした。
このむすめにおうひはつとまらない。
だいじんもおうさまもおうひさまも、みな、ティアをきさきにすべきだとせっとくしましたが、おうじさまはくびをたてにはふりませんでした。
こまっただいじんは、ひとつ、おうじさまにていあんをします。
このままでは、あなたはあいするひととむすばれない。だが、ティツィアーナをそくひにすることをみとめるならば、あなたのあいするひとを、きさきにむかえることをみとめよう。
そうでなければ、そのむすめとあうことは、にどとゆるさない。
だいじんにおどされて、おうじさまはしぶしぶ、だいじんのていあんをうけいれました。
おどろいたのはティアです。
のぞまれてきさきになるはずだったのに、じっさいはそくひで、しかも、あいてであるおうじさまは、おやのかたきでもみるように、じぶんをみるのですから。
それでもティアは、だいじんとりょうしんのきたいをうらぎらず、そくひになりました。
ティアはひとりぼっち。まえにたつのは、おうじさまとおうじひさまです。
はなやかなこと、めだつこと、ほめそやされることしかしない、おうじさまとおうじひさまにかわって、ティアはかげではたらきます。
おうさまやおうひさまのほさをし、くにじゅうから、おうじさまによせられるたんがんしょに、めをとおし、ちょうぎにでて、ぐんぎにでて、りょうちをまもり……やすむひまもありません。
そうしてみをけずってはたらいても、それがティアのしごととはおもわれず、おうじさまとおうじひさまがたたえられるのです。
それでもティアは、もんくもいわず、もくもくとやくめを、はたしつづけました。
じひぶかく、ただしく、きよらかでいなさい。
ティアがうけたおしえは、そうだったからです。
だいじんはティアをあわれにおもいましたが、ティアはもう、おうじひさまのそくひ。どうすることもできません。
このままではいけない。
だいじんが、おうさまが、おうひさまがいさめても、おうじさまとおうじひさまはかわりませんでした。
せめて、いきぬきを。
だいじんは、しゅうにいちど、ティアをふかいもりへとつれだすようになり、そこでティアは、ひとりのせいねんとであいました。
拙いお話をお読み頂きありがとうございます。
かな文字書きのなにが辛いって
予測変換が役に立たないことと
文節がわかりにくいことですね!
文節を示すために打ちたくない句点を打つはめになって
ぐぬぅ……となりながら書きました
なぜかな文字書きにしようと思った
読みにくいことこの上ない文ですが
続きも読んで頂けると嬉しいです