初陣、そして追放【1】
めちゃくちゃふざけました。
今日は少し肌寒い朝です。赤茶色のレンガ造りの家々が立ち並び、煙突からは白い煙が上がっています。ここの朝はいつもコーンスープの香りが街いっぱいに広がっています。きっとお母様がたやお嫁さんがたが、家族の為に早朝から朝ごはんを作っているのでしょう。この地域では朝ごはんにコーンスープを作る事が伝統なのです。
ここは普通の世界とは少し違うちょっとだけおかしなおかしな世界、名をキートークと呼びます。皆様の住む世界とは違う次元にある、パラレルワールドです。
ちょっと怖い魔物さんだったり、乱暴な魔族の人達だったりがいます。そしてそれを倒したり、捕まえたりするお仕事をしている人達がいます。勇者と呼ばれる人をリーダーにして、パーティと言うチームを作り、お仕事に向かうのです。
そして今日も戦士達は、怖い怖い奥さんの為、生活の為、自分の可愛い跡継ぎの為、命懸けのクエストに向かうのでした。
キートークの中の小さな小さな街トラベでは、この日3つのクエストが行われていたのです。3つと言っても内容はどれも一緒で、トラベの街の付近で盗賊行為を行っている、とっても怖い魔族を退治するという物です。
強いて言うならば、クエストを行う場所が少々異なる事でしょうか。
3つのパーティに別れ、彼らはクエスト内容が指し示すそれぞれの目的地に向かいました。実はこの3つのパーティにはそれぞれ仮パーティー加入と言う形で1人ずつ新人が入っていました。このクエストをそつ無くこなせば、彼らは正式にパーティに加入出来るのです。
その3チームの中の1つマボロシサンバは、トラベの北側に陣営を組み、魔族を待ち構えていました。
「よお新入りさん! 緊張してないか? 」
このパーティの勇者を務める黒いバスターソードを持つ細マッチョな金髪ナイスガイ系好青年のナッスーは、新入りの青年に柔らかく話しかけました。
「いえ、特にありません。ご気遣い感謝します」
新入りさんの口調はとても丁寧です。その容姿は少し癖毛がかった黒髪に、細長いフレームのメガネをかけた青年です。前髪は少し伸びていて、目にかかるかかからないかと言う所です。
「おい!来たぞ! 」
偵察をしていた勇者パーティの1人、サッシさんが敵を見つけ出しました。彼は索敵の天才です。
どどどどどどどど………………っと、草原を駆ける足音が前方から聞こえます。厚い砂煙が見えてきました。その砂煙の中に人影の様なものかま見えます。
「出やがりましたなあぁぁ勇者ぁ! 」
「ハハハハ、見ろ! 男だけのバーティーだ! 食べ頃のイケメン達が5人もいやがるぞ! いいじゃあーないか! あー美味しそ! ジュルジュル」
砂煙から現れたのは全身がミラーボールの様に光輝き、とっても声が大きい魔族の中でもとても迷惑なホモ族、
【パリピ・クロビカリ・ホモ・イヤ〜ン属】です。12人ほどいます。
「戦闘開始だ! 」
勇敢でカッコよくて、聞くだけでホモ族が妊娠してしまいそうな勇者のハンサム声と共に、戦いの火蓋が落とされました。
「喰らえーいホモ族! 貴様らに犯された俺の父さんのお尻の恨み! 今ここではらす! 」
勇者パーティの1人、アセロが前に出ました。右手で赤い魔法陣を作りだし、左手で詠唱の内容を書いていきます。
「シュクネツノー」
力を蓄えて、右手を前に突き出しました。そして魔法の名前を唱えるのです。
「アイヤァァァァ!! 」
炎の直径30センチの弾を打ち出す魔法、【アイヤー】をホモ族に繰り出しました。しかし、ホモ族も負けてません。
「無意味なりこのノンケめ! この男でも女食っちまう! いや、女はいいや。可哀想だわ。犯すなら男限定だな! えーーっと……あーめんどくちゃいわ!! 」
一体何を言いたかったのでしょうか? ホモ族は言葉を途中で止めて、右のお尻で魔法陣を作りだし、左のお尻で詠唱の内容を書いてイキッます。
「あーあーぁぁぁ! ふんぬ! ふっ! うっうっぅ! ん……、
んあぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァンンンンンン!! 」
右側のお尻を突き出し魔法の名を唱えます。
「スイッッッッッァァァーン! 」
野獣の雄叫びと共に、右のお尻から水を放水する魔法、
【スイアー】を繰り出しました。
2つ魔法は激しくぶつかり合い、最後に黒光りしながら双方塵に変わりました。
「行けるぞ! 」
アセロは今の攻防で自分の勝利を確信しました。
「いっイクノ!? 今ので!? 」
「そう言う意味じゃないんだよ! このホモ野郎! 」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! イケボの罵声! 効ッッッッッく! アッ-! 」
「ナントォォォ! 」
後ろに控えていた勇者はホモ族の実力を確認したのち、これは新入りさんを出してもいいと判断しました。
「行ってみるか? 新入り君! 」
「僕が出ても構わないのでしょうか? 」
「あー!イケるぞ! あの程度の強さなら、君でもイケるはずだ」
「了解しました」
新入りさんは前に出ます。風に揺れるくせっ毛ある黒髪と、黒いフレームのメガネ。表情が表に出にくいポーカーフェイス。そして、どこかクリクリとした瞳に、白い肌。身長は長身と呼べる程ではありませんが、手足が長くてスタイルが良く、女性受けとホモ受けのいい体をしていました。
彼の名は、カレンと言います。
「ん? 何このイケメン! ジュルジュル」
カレンさんはホモ族の前に立ち、目を合わせます。ホモ族はこの美青年と呼んでも恥ずかしくない、彼と目を合わせていると、胸が高鳴り、体温が上がり、下半身のイチモツが熱くなり、固くなって行くのが分かりました。
「ふふふ……そんなに……見つめないでよ!興奮するじゃぁーないか!
ギンギンギンギンギンギンギンギンギンギンギンギンになぁ! 」
ホモ族は圧倒的跳躍を見せ、ボディーブレス……いや、イチモツのパンドラボックスと呼ぶべき、白いブリーフに包まれた股間を前に突き出しながら必殺のエクスカリバースピアーを繰り出します。このエクスカリバースピアーは、ホモ族の奥義です。どんなノンケでも、一撃で絶頂させる事が出来るのです。
「まずいぞ! 新入り君! 絶対かわすんだ! 酷い場合は男でも妊娠してしまうんぞ! 」
「もう遅い! こいつは俺の子供を産むのだァァァ!! 」
勇者様は新入り君に呼びかけます。しかし間に合いません。エクスカリバースピアーはすぐそこまで迫っているのです。
しかし、カレンは冷静でした。ポケットから鎖に繋がれた小さな小さな棺桶のアクセサリーを取り出しそれを、握りつぶしました。
「ナントォォォ!!? 」
虹の光が乱反射し、辺りを包みました。その眩い光の中、勇者パーティー、一行はカレン少年のシルエットが異型に変わって行くのを見たのです。
性欲に勝てず、結局ホモを沢山出してしまいました。あーカレン君美味しそう。