第35話「日常の中とバトル」
最近こいつらがよく俺の家に居座っている気がする。
現に今だってリビングでくつろいでやがる!
「てか何ちゃっかり一明までいるんだ?」
「いやいやなんだっていいじゃん?」
「そうだぜ!いつき」
ナギのおっさんはおかしくはないか?こいついい年してんだろ!
「そんなことより知ってる?」
おいおいレインもくつろいでるじゃないか!もう反応するのに疲れた。
「近頃またイベントが行われるらいしわよ?」
「最近多いな」
一明ががっかりした様子で言う。俺は1つ疑問があった。それはティナのことだ。あの11区襲撃から5日だったが一回も連絡が取れていない。前もレインがキレてあやふやになってしまい結局聞けずじまいだったが今なら聞けそうだ。
「そういえばティナはどこに行ったんだ?」
「俺もそれは気がかりだったんだ。ここ最近連絡が取れなくてな」
一明も俺と同じ事を思っていたらしい。だがこの場にいる誰もがティナの行方が分からなかったのだ。
「なんかのイベントに巻き込まれたのかしら?」
「確かにありえそうだけど…」
「まぁティナならそう簡単に死なないから安心しろ!」
一明がそう言うのだから間違いはないのであろうが少し不安な部分もある。しかしそれよりも世間は11区で大騒ぎだ。謎の集団に襲われたと思ったらいつのまにか気を失っていたと訳の分からないことだらけでパニクっていた。
「結衣ちゃんも何も覚えてないの?」
レインが結衣に11区のことを聞くが結衣はほとんど記憶がないらしい。
「覚えているのはあのバカみたいな集団かな?」
「ハハハハハ結衣ちゃん毒舌だね〜」
ナギのおっさんが面白がっていた。全員がほんのりと笑っている。俺はこの瞬間が好きだ。いつまでもこの時間が続けばいいとつくづく思うがそうもいかないらしい。
ピロロン♪
メールの音が鳴った。これは嫌な予感のやつだ。俺は恐る恐るメールを見る。
『残念!俺でした〜』
一明からのメールだった。おい!ビビらせやがって!
俺はこの時間違いなくビビっていた。絶対にReaperゲームの内容だと思っていたからだ。
一明の奴め緊張がないぞぉ!
「お前なめてんのか!?」
「悪かったよ」
無駄な緊張をしたためReaperゲームのメールではないと分かった時点で安心していた。なんせ次はどんなゲームになるか分からないからな。
「いつき、通常バトルはしないの?」
レインから驚く質問が俺に飛んできた。
「お前としたはずだろ?」
「いや、そうだけど…そろそろヤバいよ?」
そろそろヤバい?俺はこの言葉の意味を理解していなかった。いや、通常バトルがどれだけ大切かを知っていなかったのだ。
「どういうことなんだ?」
「それってあれだろ?通常バトルで誰か一回は殺さないと運営の生贄にされるってやつ」
一明から聞き慣れない言葉が出た。生贄というと捧げたりするやつだろ?どういうことなんだろうか?
「そうよ、強制的にバトルをさせるための仕組みね」
「あー、そういうことか」
俺はあまり納得はしなかったがこれだけは分かった。
戦わないと自分が獲物になると。正直俺もあまり説明されてなかったからどうなるかと思っていたのだがレイン達がいてくれたおかげでどうにかなっている。
とりあえず俺はレインの提案で外を散歩することにした。
散歩を始めてしばらくたつと同じ能力者にあった。
「ヒャッハー、お前能力者だな?」
「…」
「おい!なんか喋れよ!」
なんというか、俺の前に現れたのは時代遅れの盗賊みたいな格好をした奴だった。いかにも弱そうだ。明らかに俺のクランのメンバーの方が圧倒的に強いだろう。もしランク分けをするならこいつは最下位に近いだろう。
「まさか、俺様にビビってしゃべれねーのか?」
「いや、喋れますけど?」
「ほーう、逃げずに立ち向かうことだけは評価してやろう。ヒャッハッハッハ」
バン
俺は拳銃で試しに1発撃ってみたが時代遅れの盗賊みたいな奴はあっけなくやられてしまった。
「くそっ!こ、この俺様がやられるとは…お前はもうこの世で一番強いだろう…」
いやいやいや、お前に勝ったぐらいで世界最強になったらみんな世界最強だぜ!?しかもこいつかすり傷だし。
「俺様の死に場所はここなのか…」
「いや違うから」
俺はそういうと腹を蹴って道路の端っこに寄せた。もし車が来てひかれでもしたら厄介だからだ。最初はこいつを殺してノルマを達成しようと考えていたがどうも気が引ける。もっと単純な悪人でないと殺さないと思った。
だがこうもプレイヤーは簡単には見つからない。そのため俺はある機能を使った。それは闘技システムだ。
プレイヤーが殺しあうコロシアムのような場所に転移させられ、プレイヤーを探す手間も省けると便利な機能だ。
無事に俺は転移が成功してコロシアムにつき、戦おうと登録に向かったのだがどうもどこにでも悪人はいるらしい。数人で寄ってたかって女の子を脅している集団を見つけた。
このまま見捨てるのも気が引けるので俺は止めに入ることにした。
「あのー、この子嫌がってるんでやめてあげてくれませんかね?」
この時俺の能力者ラプラスの魔女が発動した。見えた未来はこのチンピラが俺に殴りかかろうとするところ。そのため俺はチンピラの攻撃を回避することができた。そしてすかさず蹴りを入れてこかす。
「痛ってーな」
こかされたチンピラは俺の方を睨んでくる。そして懐から何かを取り出した。
拳銃だ!?
完全に俺は油断していた。ラプラスの魔女があるとはいえ、未来を見たいものを見ていなければ役に立たないため完全に反応が遅れてしまった。




