第17話「レインの増援」
俺は目の前の長いコートを着た仮面の敵に集中することにした。
心配しても無駄と思ったからだ。
戦闘に影響が出るということもあるが…
「お前何者だ?」
俺は質問をした。
「俺はゴースト、ピエロ楽団の一員だ」
ゴーストは低い声で言った。
俺はこいつらと戦うと確実に負けるような気がした。
その場でゴーストと戦う意思はないことをつたえてみた。
「俺はお前らと戦う気はない。」
「……」
ゴーストは無言だった。
俺はまず拳銃で何発か撃った。
相手は戦う気だったからだ。
先にやらなきゃ間違いなく殺される。
しかしゴーストは拳銃で撃たれたが動かなかった。
確実に当てたはずなのだがゴーストは血すら出なかった。
「なんなんだよ!こいつ」
俺はリーベンで斬りかかった。
しかしゴーストは動かず俺に首を吹き飛ばされた。
俺はあっけなく終わったと思いナギの援護に向かおうと後ろを振り向いた時だった。
ゴーストが俺の頭を持ち投げ飛ばした。
「ぐはっ!」
俺は口から血を吐いた。
だがゴーストは気にせず俺の首を掴み持ち上げた。
おいおいやたらリアルなゲームだな。
「く…そ…ぜっ…た…」
俺が意識を失いかけたその時だった。
ゴーストの首がまた飛んだ。
それだけではなかった。
腕、足、胴体…いたるところを斬り付けられていた。
俺はようやく息が出来るようになった。
「ハァーハァーハァー」
少し苦しさがましになったところで前を見た。
そこにはレインがいた。
「レイン!」
「ごめんなさい、遅れたわ」
レインは落ち着いていた。
こっちは死にかけたっつーのに。
「おい、レインまだだ!」
ゴーストは再生していた。
「二人?何故だ?あいつサボったのか?」
なんのことだろうか。
レインはそんなことも気にせずゴーストに斬りかかった。
ゴーストの左腕が宙に舞った。
そしてすかさず右足を切った。
ゴーストの左腕と右足は再生しなかった。
レインは自分の固有能力〝氷河〟で切った部分を凍らしたのだ。
「氷で再生を止めているのか!」
ゴーストは背中にかけていたアサルトライフルでレインに向かって連射した。
しかし、レインにとっては関係なかった。
氷の壁で銃弾を防ぎ無数の氷でゴーストを貫いた。(もちろん傷は氷で凍らしている)
そして氷で地面に貼り付けた。
「とどめよ!」
レインがとどめを刺そうとした時だった。
ゴーストは手榴弾を右手に持っていた。
「やばい!」
レインは後ろに下がった。
ゴーストは自爆した。
「やったな、レイン!」
「……」
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「おい、レイン」
俺は後ろを向いた。
「逃げて…いつき」




