15話「47位の釣り合わない男」
リーベン
…運営からプレゼントされたいつきの特殊武器。
棒のような形をしており刀の先を出すことができる。
「えらいもん見ちまったなぁ」
声の聞こえた方に俺は銃口を向けた。
そこには中年の男が立っていた。
半袖のアロハ服と短パンという陽気な格好だ。
俺はこの男の気配を全く感じなかった。
恐らく強い
「ごめんねぇー驚かすつもりはないんだよぉ」
「黙れ、何者だ」
「俺はナギってもんだ」
中年の男はナギというらしい。
とりあえず俺はナギという男に銃口を向けながら空中映像を開いた。
相手のランキングを見るためだ。
「47位!?」
俺より相手はランキングが下だった。
ランキングと実力が釣り合っていない気がしたい。
一瞬で悟った。
ナギはやばい、勝てる気がしない。
「あんたいつき君だろ?」
男は話しをふってきた。
「あぁ、そうだけど?」
「何故知っている」
「そりゃー急に100位以内に表れた異例のランカーなんだからみんな知ってんだろ」
「そうか」
俺は一応納得した。
「戦ってみたかったんだよなぁ」
男はそう言いながらすごい速さで間を詰め殴りかかってきた。
「うわぁっ」
俺はとっさにしゃがんだが蹴りを入れられた。
「くそっ」
俺はリーベンを取り出しナギに斬りかかった。
しかし黒い雷のようなもので弾かれた。
恐らく固有能力だろう。
俺は一旦距離を取りナギに向かってリーベンで突き刺した。
ナギは素手でリーベンを受け止め銃口を俺の頭に突きつけた。
その時だ
ナイフのような刃物が無数に飛んできた。
ナギは俺を壁の方へ投げ隠れた。
庇ってくれたのだろうか?
「チッ、またこいつらかよ」
ナギは少しイラだっているようだ。
「キャハハハハハ」
笑い声が聞こえる。
俺は相手の様子を見た。
そこには少女のような身長の女がいた。
仮面を被っていた。
フード付きのマントを着ており、包帯をいたるところに巻いていた。
「こいつはやべーぞ、いつき!」




