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End Of Days  作者: Van
第2章
9/25

【相棒】

王都 ヴァルハン / ノースエリア第1区 / キングスヴァンガード



 巨大な円形の建造物【竜舎】は幅300m内部は筒状で地上200m地下100mに伸びていてその円に沿って回廊がはしり階段やエレベーター、そして300を超える【竜房】の他、管理室や待機所などがあり、中央の空洞には縦、横、斜めと通路が張り巡らされている。円形の天井部は開閉式で出撃の際などには開かれ、最深部にも八方向に地上へと伸びていくトンネルが通っていて、その先には各所に設けられた出撃ポイントがある。また中央に張り巡らされた通路も可動式で大隊の出撃の際には縦に一直線に重なり合うように連なり竜の進路を空けるが小隊の出撃の時などでは可動させる事はなく間を潜り抜けての出撃となる。飛竜系の【竜騎士ドラグーン】の間ではここをアクロバティックにかわして飛び立って行く姿を竜舎内で仕事をするスタッフや他の竜騎士に見せ付けるのが慣例であり楽しみの一つにもなっていた。今も通路を歩くウォルマとファンのすぐ傍を飛竜に騎乗した竜騎士が3騎ローリングしながら飛び立って行った所だ。


「ウォルマ~さっきからずっと何考えてるのぉ?」


「いや、大した事じゃないんだが変な胸騒ぎがすんだ」


「胸騒ぎって?予兆的なヤツ?」


「ああ、まぁな」


「それってどんなぁ?」


「上手く説明出来ないんだけどな、あんまり良くない事かな」


「それってリシュに関係する事でしょ?」


「リシュ?」


「修羅場が待ってるからね~」


「お前らさっきからソレばっかだな....」


二人は雑談しながら竜舎中層まで上り、一つの竜房の前で足を止めた。人とは比べ物にならない大きな息遣いと唸り声が聞こえる


『クゥアァァァァアアアアア』


「よぉ【ドゥークー】元気にしてたか?」


竜房の陰からその姿があらわになる。立ち上がり歩み寄って来た竜の前腕は翼へと進化していて深いブルーの滑らかな体表に鱗は無く大蜥蜴リザードのような流線形の頭部から長い尻尾の先まで身体の大半を重厚な鎧さながらの白い外骨格が覆っている。頭部を守る外骨格は鼻先から更に延びて太い一本角となっていて大きく裂けた口には鋭く尖った牙、しかし藍い表皮に映えるルべライトの瞳はどこか優しさを感じさせた。ドゥークーの全長は16m【中型飛竜種】に分類され、どんな戦況にも臨機応変に対応出来る万能型の竜でウォルマの相棒だ。


『クゥアァァァァアアアアア』


昇進の手続きや部隊の再編成などで内務がバタバタとしていた新しい腕章が出来るまでの一週間ウォルマは休暇を取っていた。そのせいもあってか久しぶりに会ったドゥークーは甘えるような鳴き声で長い首を伸ばし顔を擦り寄せてきた。


「ん?なんかドゥークーちょっと変わったんじゃない?....これってウォルマとドゥークーの【魂絆リム】の値が増えたから?」


「ああ、多分な」


答えながらドゥークーの頭を撫でているとルべライトの瞳に人影が映った。


「やっぱり、ここに居たか....」



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