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第4話 大地に降り立つ

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


俺は今、パラシュートもつけずにスカイダイビングをしている状況である。


創造神アハティスの城は、縦三キロメートル、横一キロメートルの島を、地上二万五千メートルのところに浮かせているらしく、俺はつい先ほどそこから飛び降り地上を目指している。

 

俺は島から飛び降りる前に風聖霊の力により自分の前に空気の盾を作り、さらに体に風をまとっていた。

体にかかる空気の抵抗や、空気の薄さによる息苦しさはまったくない。

また、気温気圧の変化から身を守っている。

そのために、寒さも感じない。


魔法により、落下速度は時速百キロメートル程度に抑えられ、実際には風を感じていないので落ちている感覚はない。


どちらかと言うと空を飛ぶ?

……それもなんか違うな。

……浮く?

……浮いている気がする。


ぐんぐんと地上が近付く。

その速さにびっくりしただけだ。


目的地は、魚大陸のエラ付近に位置する高山に囲まれた南北に三百五十キロメートル、東西に七百キロメートルのカルデラにある森の中。

その中にある直径十メートルほどの木がない開けた場所。

もちろん、普通に眼で確認できる大きさではない。

ただ俺は、最初からそこに降りれるように計算して飛び降りている。


身体強化の魔法により視力を拡大しているので、目的地が目視で確認できた。


俺は着地のために足を地上に向ける。


そしてその数秒後、俺は大地に立っていた。

目的の広場の中心だったところに立っていた。


俺の周りは風景が変わってしまっていた。

俺が地面に足をつく一瞬前に、足元のほんの数センチメートル先にあった空気の盾が大地に衝突し、そのエネルギーを大地にぶちまけた。

そしてその付近一帯を吹き飛ばしてしまったのだ。

つまりは、高度二万五千メートルから落ちてきたその衝撃が、地面に放たれてしまったのだ。


自分自身にかかっていた力は、魔法により衝撃を空に逃がしていた。

ただ、固まった空気が地面にぶつかる衝撃が予想以上だった。


今更である……。


俺は状況を確認するべくまわりを見渡した。

俺を中心に辺り一面が土色に染まっていた。


生えていた木もなくなっている。

衝撃で折れたのなら根っこくらいは残っているものであるが、それさえもない。

かなり先に緑が見えるのは木が残っているからだろう。

まあ、それでも一キロメートル以上先のようだが。


緑色の木々が見えていなかった方向から


「ごごごごご…………。」


と轟音とともに土の上を水が走ってくる。

水は、船が通った後に大きな波が来るかのように土の上を走ってくる。


やばいかな。


俺はそう思いその水に左手をかざす。

 

俺が魔法を使うことはなかった。

水は、俺から三十メートルくらいのところで止まって引いていき、また波として戻ってくる。

それを何度か繰り返し、大地の乾いた土を泥に変えていた。


空から見たとき、少し先に川が流れていたのを思い出した。

それもこの位置を選んだ理由だったのに忘れていた。

波から海を連想したしまったからか川の存在を忘れていた。


折角広場が出来たことだしまずは陣地を作ろう。

広大に土地が開けてしまったので、ちょうど良いからこれを利用して、木々を吹き飛ばしたぎりぎりまでを自分の土地としよう。

俺はそう考え距離を測る。


木々があるところまで感じられる距離は、ここから約千二百メートルってところか。


まずは幅十メートル、深さ十メートルの堀を作る。

そしてそこで出た土を利用して厚さ十メートル、高さ十メートルの壁を作る。

イメージをする。


それを三百六十度。

一周させる。

イメージをする。


土聖霊に力を貸してくれるように願いイメージを現実のものとする。

体から力が抜け、そのかわりに轟音と供に巨大な土壁が生まれる。


ふう。

けっこう魔力を持って行かれたな。


とりあえず簡易的な城壁ができたな。

この中を内政チートでもするか。

でもまずは魔力を回復するためにも休もう。

腹も減ったし飯でも食うか。


俺はアイテムボックスを開く。

このアイテムボックスは空間魔法で作り出されるらしいのだが、俺のは特殊らしい。

創造神アハティスは、どう特殊なのかは教えてくれなかった。

鑑定魔法を使うとアイテムボックス(特殊)と出るから特殊なんだと思う。


??

???

 

アイテムボックスの中に見慣れない物が多数ある。


オレンジ、リンゴ、バナナ(青)、桃、栗などの食べ物。

薬草、毒草などの草花。

各種の木々。

狼、熊、鹿、虎、魚などの死体。

黒土、粘土、山砂、光石などの石類。


衝撃でたまたま倒した魔獣?

獣?

それに木の実や吹き飛ばした木さえもアイテムボックスに入ったのか?

黒土は堀を掘って壁にしても残った分か?

うーーーん、謎だ。

これが特殊の正体なのか?


鹿をクリックする。

俺のアイテムボックスはパソコンのフォルダのように並び、クリックすることで内容を見ることができるのだ。

これが特殊なのか?

ノーマルがわからんから何が特殊なのかわからん……。


サイズ大四匹、中六匹、小二匹。

どうやら群れをひとつつぶしたらしい。

 

ん?

分解??

数を選べ??

コマンドが追加された。

即そのコマンドを選んでみる。


中を一匹分解する。

サイズ大四匹、中五匹、小二匹。

鹿の肉。

部分はヒレ、ロース、カルビ、内臓系といろいろだ。

あわせて二十キログラムくらいになる。

鹿の血液十リットル。

鹿の皮(中)一枚。

どうやら分解は解体をしてくれるらしい。

ある意味ラッキー。


解体の方法は異世界知識検索術メモリーバンクで理解はできるけど、やっぱり実際にするのと本で読むのは違うと思う。

それに道具もないし。


そんなことを思っていたところに何の前触れも無く奴があらわれた。


果物や動物の名前、距離や重さなどの単位は日本で実際に使用されている単位を使用しております。

別に名前をつけたり、新たな単位を用いても良いのですが、主人公の耳には変換されていると言うことにしておいてください。

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