第2話 創造神アハティス
「私の名前はアハティス。
あなたの住んでいた世界とは異なる世界の創造神なの。」
どうやら俺は飛ばされている途中に女神の力で一瞬で元居た場所に戻されたらしい。
そして正座させられて説明を受けている。
「私たち神は、創世神様が作った星を見習って、それぞれがひとつの星を作り管理をしているの。
私の星は四大聖霊様の力を使って自然や生物を生み出し、他の六柱と協力して人や竜などの知識を持つ生物を生み出したの。
そしてね、おっかしいんだよ。
竜種って私達が作ったのに、何を勘違いしたのか、ここに攻めようとして来たの。
思わず殺しちゃった。
てへっ。」
『へ?
今、何を……?
いや、それより女神が舌出して、てへぺろって!』
「それでね、その後にね、
魔神に眼をつけられてね。
悪意をばら撒かれたの。
そして世界がちょっと疲弊しちゃったんだよね。」
『…………………。」
俺は何も答えられなかった。
「そうしたら創世神様が世界の建て直しのために、あなたを魂を私の世界にくださることになったの。」
『ちょっと待って?
創世神の世界?
もしかしてそこが地球?』
「そうそう。」
『で、どんな理由かわからないけど。
俺が選ばれた??』
「そうそう。
理解が早くて助かるわ。」
「人の思考を読んで答えないでよ。」
あ、話せた。
「まあ、どうでもいいじゃない。
そんなこと。
意思疎通できるんだし。」
そして創造神アハティスと名乗った少女女神は続けた。
「あなたを選んだのは、創世神様。
偶然じゃなく、私の波長に適合してるから選ばれたのよ。
じゃないと話かけることもできないから。
あなたは創世神様があたしに下賜された極上の魂ってところかしら。
普通は最上級世界から下賜された魂は、神の従者にしたり、世界を救う勇者や世界を滅ぼす魔王になってもらったりするのよね。
私はね、世界を疲弊させてしまった悪意を無くしてとか言わないわ。
あなたが私の世界にいることで世界にきっかけを与えたいの。
私や他の神が直接、きっかけを与えれば良いって思うでしょうけど、私達自身が手を出すことはできなくはないけどしないようにしているの。
とりあえず、あなたは、あなたがしたいように、私の世界で生活してくれればいいわ。
勇者になろうが魔王になろうがどうでもいいわ。
新しい風を。
あなたの知識を。
私のの世界にもたらせてくれればそれでいいの。」
そう言うと、創造神アハティスは、ひまわりが咲いたような、にこやかな笑顔を俺に向けた。
「ついでに悪意を少しで良いから減らして欲しいの。」
……ぼそっ。