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ケモ耳娘茶化しました

服を買い、家に戻ってきたのが四時半で、晩飯の準備と風呂掃除を終えたところで六時だ。今は少し早いが、晩飯を食っている。メニューは豆腐の味噌汁と鮭の塩焼きだ。


「なあアズキ」


「はい?」


俺が名前を呼ぶと箸を止め、首を傾げる。


「お前、一人で留守番できるか?」


何故いきなり訊ねるかというと、俺は明日から普通に仕事だからだ。

仮に俺が私立校に通う高校生なら、ヒロインが転入してくるのはラノベあるあるだが、俺は学生じゃないしラノベの主人公でもない。


「わんちゃんが一人で留守番するのは一般常識じゃないですか」


箸を止め、当たり前とアズキは答える。

しかし、心配だ。

いくら懐いていても、出会って二日しかたっていないペットを残して家を出れるか?俺はペットを飼った事がないからわからないが、俺なら不安を抱えながら家を出るだろう。

表情から俺の思考を察知したのか、アズキは顔をしかめる。


「信用してませんね?」


「信用して無いというか、ただ心配なだけというか……」


「任せてください!私は必ずお留守番をこなして見せます!」


アズキはそこそこ豊かな胸を張りながら自信満々にそう言った。


「……そう言うことなら、任せるよ」


「はい!」


アズキは笑顔で返事をし、再び箸を動かし始めた。

食器が空になった頃だろうか。アズキが唐突に何かを思い出したかのように手を叩いた。


「どうした?」


「いえ、夜戦に付いてなんですけど」


「ゲホッ!ゴホッ!!」


「ちょっ!?」


急に放たれた単語に動揺したのか、口に含んでいた米が器官支に入ったのか、あるいはその両方なのか、俺は盛大に噎せ返った。


「大丈夫ですか!?」


「へ、平気だから続きを……」


「は、はい。それで、夜戦のことですが……」


やばい、心臓がバクバクしてきた。


「明日、春斗さんが仕事なので、また次のお休みの日にしましょう。ごちそうさまでした」


アズキは食器を流しに置き、そのまま風呂場に直行してしまった。

俺はというと、ただただ放心している。

我に返ると、羞恥心が湧き出た。穴掘って埋まりたい。


「はん。別に期待なんかしてないし」


誰が居るわけでもないのに言い訳をして布団を敷いてからくるまった。風呂?明日の朝はいるからいいさ。べ、別に強がってなんかいないからな!

布団に潜ってから数秒後、俺の意識は睡魔にかっさらわれた。


ーアズキsideー


夜戦という言葉は、春斗さんに小馬鹿にされた仕返しに始めたものだ。

人によってはとらえ方も変わるだろうが、春斗さんは私の狙い通り、エッチな解釈をしてくれました。あの慌てるような表情はなかなか癖になります。

さて、私は今お風呂に入っていますが、戻ったらいったいなんと言われるんでしょうか。楽しみです。

私は頬が緩むのを感じながら春斗さんに買ってもらった下着とジャージを着用し、脱衣所を後にしました。


「あれ?」


部屋に戻ると、春斗さんがいつの間にか眠ってしまっていました。

電気は付けたままで、食器の片づけもされていません。


「からかいすぎましたかね?」


怒って眠るなど、まるで子供のようだが春斗さんならあり得る。だって童貞さんっぽいですし。この人女の子慣れしてませんよ。

「少し反省とお詫びをしますか」


私は食器を流しに置いて水で冷やす。その間に歯を磨いてしまい、磨き終えたら食器を洗う。水に漬ける時間が短いかもしれませんが、私も、今日は動き回ったので眠いのですよ……。まだ七時くらいですけどね。

全ての洗い物を終え、私は部屋へと戻ります。

さて、少しくらい、このムッツリ春斗さんの寝顔を見てても罰は当たらないでしょう。眠いですが、少しだけ……。


「……割とかわいい寝顔です」


指で頬をつつくと、軽く唸って寝返りをうちました。ちなみに今私の方に体は向いています。


「わふぅ……。私も眠りますか」


私は躊躇い無く春斗さんの布団に潜り込んで眠りにつきました。


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