出勤07
今回アップするのに時間がかかりました。
いろいろ考えていてどーもしっくりこなくて。
初めての方、そうでない方もどうぞ読んでやってください。
よろしくお願いします。
幻魔石を入手したことで、あたりの空気がかわる。
「これって、もしかしてゴーレムを倒した影響?」
2人はビシッと親指を立てる。
「出口はどこにある?」
2人はサッと腕を交差させバツを作りジェスチャーする。
「いやいや!本当はあるんでしょ?」
源さん、有村さんはお互い目を合わせ話し合う。
そして話し合いの結果、こちらを向き直しまた親指を立たせる。
「「ドンマイ」」
うん……何かどーでもよくなってきた。
もういいや……
そう思い静かにその場で、ふて寝しシャットダウンする。
「社長代理スネましたね」
「そうじゃな」
2人は俺の行動をみるやこちらに近づき腕を掴む。
そのシチュエーションは人間が宇宙人を捕獲したかのような状態。
どーでもいいから、なすがままです。
「もう何でもいいよ~好きにすればいいんじゃね……」
周辺の崩壊が進んできている。
「じゃあ、そろそろ脱出しましょうか」
「そうじゃな」
「そだね!」
2人と1匹が何か話している。
まあいいか……
「アリスさんよろしくお願いします」
「ほ~い!そんじゃいくよ~帰還転送!!」
アリスは叫び俺たちを覆うくらいの球体ができる。
パーティーを覆ったあと圧縮されるように迫った瞬間、別の場所に入れ替わる。
特に移動した形跡はなく、ただ背景が切り替わったのみしか感じられなかった。
「ここは、最初に来た場所?」
源さんと有村さんは俺の手を離し扉の方へ歩きだす。
「いや~、終わった、終わった~」
「皆さん、お疲れ様です」
「おつかれさま~」
「お疲れ様?」
まだ状況が読めないながらも返事をする俺。
整理する為、質問する。
「あの~たしか出口はないって……」
「はい。出口はありませんが脱出する手段がないとは言ってません」
うなずく源さんとアリス。
「まあ、初めてですからな~しょうがないですな」
「そうそうwぷぷっ」
「出口がないからといってあの態度はいけませんが
ゴーレムを倒したことに対しては評価されますので、今回はよしとしましょう」
有村さんに30分ほど
今回のダンジョン清掃に対しての態度は今後改善していくよう軽く注意を受ける。
有村さんの話が終わり、源さんが話しかえてくる。
「そういえば、社長代理の今回覚えたスキルは結局なんじゃったんかいの?」
俺もそれは気になる。
気絶していたので自分のスキルの効果や使ったことにピンとこないので
そこんとこ、はっきりさせたい所だ。
アリスが俺の首にかけられたタグを触る。
「うんうん、ほうほう、そ~か~」
アリスが独り言いい、調べている。
「えっとね!スキル名は英雄の機転だって。
効果はその時々に変わるみた~い。発動条件はわかんな~い。
チョーめずらしくて扱いずらい感じ?」
「微妙じゃな……」
たしかに微妙……また精神的ダメージ受けたわ。
「今回は結果的にうまくいきましたし今後様子を見ましょう」
「でも普通、ある程度役に立つスキルとか覚えるのにね~」
「今はとりあえず、生き残ることだけ考えておけばいいですぞ社長代理」
最初から最後までダメージを受け、
元いた世界に戻る為、戻る準備をする。
俺たちこの世界の住人であるアリスとたわいない話をしながら
帰り支度を済ませ、現実での姿に戻り元いた世界に通じる扉の前に到着する。
「あとは、報告するだけですね」
「またこっちにきてね~」
アリスは笑顔で俺たちの周辺を飛び回る。
そして飛んでいたアリスが俺の頭にとまる。
「アッキ―、もうダンジョン来たくなくなった?」
アリスは今までの行動で沈んでいると思い気にかけているようだ。
たしかに散々な目に会っているのは確かではあるがそこまでいやではなかった。
実際、1人で戦うことはあったが2人がフォローしてくれていたし。
(かなりスパルタではあるが……)
初めての戦闘だったが少し暖かい信頼があった気がする。
「まあいろいろあったけど、たまにならいいかな……」
俺は頬をかき答える。
アリスはその言葉を聞き、ホッとし俺の頭の上から顔をのぞきこみ笑顔で言う。
「待ってるからね。アッキ―!」
そんな話をし扉を開き、元いた世界へと戻る。
そこはどこにでもある公園の一角。
立ち入り禁止になっている為、遊んでいる人はいない。
現在の時間は18時、少し日が沈みかかっている。
そんな中、スーツ姿の人物が立っており、こちらへと近づいてくる。
「いや~皆さんお疲れ様です~
お怪我ありませんか~迷宮清掃ご苦労様でした~」
黒縁眼鏡をかけ、髪型は七三、目の細い30代くらいの男性。
人あたりのよさそうな雰囲気、こちらに笑顔を向け腰を低くし手をこする。
「あの~、例の石はどうでしたか?」
有村さんは幻魔石が入った袋を手渡す。
「ありがとうございます~、報酬は後日送金させていただきます~」
そういって、男性は急いで去ろうとする。
「あの人は?」
有村さんに質問する。
「役所の方です。この地域を管轄しているされている
影山博さんです。ここ最近こちらに転属されたようです」
そうかまだこちらに来たばかりか……
影山さん、大変そうだ。
すこし親近感をわく俺。
そんな話をしていたら、影山さんが戻ってきた。
「すみません~これを渡すの忘れてました~」
手紙を渡され、そこには俺の名が書かれている。
俺はその手紙を開き読み始める。
「………!?」
「どうかしましたか?」
有村さん、源さんがこちらを見ている。
2人に手紙を渡す。
その内容は……
この手紙を読んでいるということはこの世界に俺はいないだろう……
死んだわけじゃないからな。
ちと、あっちの世界に野暮用ができたら行ってくるわ。
あとのことは、任せたわ~。
Ps.お前から母さんに説明しててね!(^^)/
顔文字など書かれイラッとするこの手紙の主は
俺の父親である社長の佐藤正和。
自由奔放を絵に描いたような人である。
自分でも自覚はしており
「俺のようにはなるなよ~まあなれるもんでもないけどな~」
ドヤ顔でそう言ったことを思い出す。
「またですか……」
「またじゃな……」
ゲンナリする2人。
いつもならポジティブな2人だが、自由きままな父親に振り回されるのは堪えるようだ。
なんかごめんなさい……
「まあ、親父いなくてもどうにかなるっしょ?」
「いえ、社長はどうでもいいんです」
「問題は姉御じゃ……」
うん、こんなことだろうと思った。
そう問題は母親の方だ。
家族でよくある家長よりも母親の方が強いというアレである。
まあ、母親が強いということは、いい国だと誰かさんが言っていた。
そんな母親と俺が対峙して報告することになる。
いやここは社員に任せても……
だってね~初日で戦ってるしそこまでね……
本能が戦いを避けるよう言っているような気がし歩き出す。
「俺、ちょっと用事を思い出したわ~あとよろし……」
最後の言葉を言い終える間を与えず、源さんに肩を強く掴まれる。
「社長代理、どこへ行くんですかな?カワイイ社員達をおいて?」
笑っているが目がすわっている。
「え?いや別にそんな……」
有村さんは俺の手を握り笑顔で微笑むが口元がひくひくしている。
「社長代理、お願いしますぅ」
慣れない口調で懇願された。
俺の戦いは始まったばかりだ……
次回の○○先生の作品をご期待くださいってノリで終わらないものか。
今はラスボスに棍棒もって挑むそんな気分です。
夕日に照らされ烏が鳴いている……
俺達、パーティーは一致団結し目的の場所へと向かう。
このメンバーでなら何とかなるさ!
そうなんとか……
死ぬことはないはずたぶん……




