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フィクションとノンフィクション



 俺のノンフィクションは誰かのフィクション。



 誰かのノンフィクションは俺のフィクション。




 遺族の涙まじりの語りは、小説で文字をなぞるのと同じように、脳みそで処理される。



 俺のノンフィクションが誰かの娯楽になってくれれば幸いだが、実際はそうもいかない。今さら褒められようとは思わない。


 でも、どんな形であれ刻みつけたい。どう刻まれるかは貴方次第。一番しんどいのは存在が消される事だから。だから書いているのかもしれない。携帯の小さなボタンをぽちぽちと。



 俺の綺麗に切られた爪の指で、誰かに刻む事はできるだろうか?

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